斉藤和巳以来パ・リーグ6人目の投手4冠へ

2021年はオリックス・山本由伸にとって記録ずくめのシーズンとなった。現在17勝5敗で最多勝のタイトルは確定。199奪三振で2位・則本昂大に50以上の大差をつけており、最多奪三振も手中に収めている。

防御率は規定投球回に達したソフトバンクのマルティネスが1.60で2位に急浮上したものの、それでも1.46でリーグトップ。勝率.773もトップで投手の主要4タイトル独占が見えている。

今季最終戦となる25日の楽天戦(楽天生命パーク)に登板すると見られており、その結果次第で2006年のソフトバンク・斉藤和巳(18勝、防御率1.75、205奪三振、勝率.783)以来、パ・リーグ6人目の投手4冠となる。

パ・リーグの歴代投手4冠


タイトル以外の部門でも規定投球回到達投手では軒並み1位だ。5完投、3完封、184.2投球回、被打率.184と挙げればキリがない。

昨季、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠に輝いたソフトバンク・千賀滉大が今季はケガで出遅れたこともあって、名実ともにパ・リーグを代表する投手にのし上がったと言えるだろう。

防御率1.5以下でタイトル獲得は稲尾和久、杉浦忠、田中将大のみ

中でも価値が高いのは防御率だ。打線の援護に左右される勝利数や積み上げ型の奪三振と違い、防御率は常に安定した投球をしないとキープできない。1.5以下でタイトルに輝いた投手は1950年の2リーグ分立以降、パ・リーグで3人しかいないのだ。

パ・リーグ1.5以下の最優秀防御率投手


「神様、仏様、稲尾様」と呼ばれた西鉄・稲尾和久は1956年に1.06、1957年に1.37、1958年に1.42と3年連続で記録。1959年には38勝を挙げた南海・杉浦忠が1.40でタイトルを獲得した。

その後、50年以上のブランクを経て2011年に楽天・田中将大が1.27、24連勝をマークした2013年も1.27で最優秀防御率に輝いた。

セ・リーグでは1970年の村山実が最後

セ・リーグでも防御率1.5以下でタイトルを獲得した投手は過去7人だけ。しかも1970年の村山実(阪神)以降50年以上いない。

セ・リーグ1.5以下の最優秀防御率投手


1954年の杉下茂(中日)、1955年の別所毅彦(巨人)、1956年の渡辺省三(阪神)、1958年の金田正一(国鉄)ら球史に残る大投手ばかり。村山は3度マークし、特に1970年は驚異の0点台だった。そのほか、1966年の堀内恒夫(巨人)と1967年の権藤正利(阪神)が記録している。

1リーグ時代は0点台の投手もいたが、打撃技術の向上やバット、ボールなど用具の性能アップが進むにつれ「打高投低」が顕著になり、防御率1.5以下は至難の業となっている。

今季最終戦で山本は有終の美を飾るか。25年ぶりの優勝こそ残された最後のビッグタイトルだ。投手4冠に輝きペナントまで奪うことができればバラ色のオフが待っている。

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