W杯予選・中国戦、初戦は西田優大が躍動

東京オリンピックで日本女子代表ヘッドコーチとしてチームを銀メダルに導いたトム・ホーバス。そのホーバスヘッドコーチが今度は男子代表ヘッドコーチに就任し、初めて試合に臨んだ2023年ワールドカップ予選の中国戦が仙台のゼビオアリーナで開催された。

日本はワールドカップを共催しているためワールドカップ出場権はすでに手にしているが、2024年パリオリンピックの予選を兼ねており、アジアのトップチームに出場権が与えられるため、大事な一戦であることには違いない。

前ヘッドコーチのフリオ・ラマスはサイズを重視したメンバー選出を行った。対してホーバスは体格に劣る日本が世界で勝つために3ポイントシュートの重視と速いトランジション、粘り強いディフェンスを強調していた。

今回対戦した中国は210cmを超えるメンバーを揃えた大型のチーム。アジア屈指の強国にどのように立ち向かうのかが注目された。しかし11月27日の第1試合ではいきなり2対19と大差をつけられ、日本は不利に立たされた。第1Qが終わって11対27、挽回するにはあまりに重い得点差だった。

第2Qに入ると途中出場の西田優大が躍動する。今回代表初招集の23歳が3ポイントシュート。35歳のベテラン、古川孝敏も3ポイントシュートで続き、点差を縮めていけるかと思われたが、中国のエース、216cmのジョウ・チーが3連続ゴールを決めるなど存在感を発揮。なかなか思うような試合展開に持ち込めない。

第3Qにジョウ・チーがケガで退場、第4Qは日本が得点で上回ったことで、2試合目への期待が高まった。西田がチームトップの11点を挙げ、恐れを知らないプレーぶりに称賛が集まった。63対79と敗れたものの、日本代表の今後に注目が集まったことも確かだ。

2戦目は寺嶋良がチームトップの16点

翌11月28日、ジョウ・チーは試合前のウォーミングアップには加わっていたものの、案の定欠場した。日本は富樫勇樹、齋藤拓実、藤井祐眞からポイントガードを総入れ替えし、ベンドラメ礼生、寺嶋良、岸本隆一をベンチに入れた。

寺嶋は代表初招集でチームトップの16点、前日活躍の西田はこの日も10点と点取り屋の面目躍如だった。こちらも代表初招集のエヴァンスルークもB2のチーム在籍ながらインサイドでボール争いに積極的に加わり、3ポイントシュートも成功させてみせた。

ただ、エースを欠いていても中国の強力さは変わらなかった。ジャオ・ルイがチームトップの27点で牽引、フー・ジンキゥもインサイドで強さを発揮し、グオ・アイルンもシュートを幾度となく決め、苦し紛れの日本のファウルからフリースローも的確に沈めた。結果、前日を上回る106点を挙げる完勝で73対106で日本を下した。

ホーバスHCの方針が着実に浸透

特に3ポイントシュートが58.3%と半分以上の成功率で14回成功したことが中国の勝利に貢献した。前日インサイドのシュートが主流だったためアウトサイドのシュートに活路を見出せると思われたが、日本のお株を中国が奪った格好だった。対する日本の成功率は25%。今後勝っていくためにはここが改善のポイントとなる。

五輪では1試合平均28本だった3ポイントシュートのアテンプトが1試合目は35本、2試合目は32本と増えた。まだ成功率は低いが、ホーバスヘッドコーチの方針が着実に浸透している。今後、成功率が高まっていけば日本代表は世界の舞台で脅威の存在となれるはずだ。

2試合目の最後の得点で岸本が守備のマークをかわすため、さらに深い位置から3ポイントシュートを狙い、見事成功させた。これが今後の日本を象徴するシーンとなるはずだ。まだ初戦、ホーバスヘッドコーチが「成長していくのは間違いない」と語った通り、今後の日本代表の成長を楽しみに見ていきたい。

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