佐藤は攻守で存在感を示せるか

昨シーズンは終盤までオリックスと優勝争いを繰り広げるも、最後は一歩及ばずリーグ2位で終わったロッテ。2022年に年男となる選手が7人(育成選手は含まず)いる中で、特に期待する二人の選手に焦点を当てる。

一人目は佐藤都志也。昨年は62試合に出場し、打率.205、6本塁打、18打点、OPS(出塁率+長打率).670。捕手での出場は22試合にとどまった一方で、打力への期待から指名打者(DH)や途中出場で右翼に起用される場面もあった。

数字だけを見れば物足りなく映るが、クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ第1戦では4-4の同点で迎えた9回に代打で登場し、楽天の宋家豪から劇的なサヨナラ打。オリックスと相まみえたファイナルステージ第3戦では、1-2のビハインドで迎えた7回、吉田凌の低めの球を上手く拾って殊勲の同点打を放つなど、勝負強さを見せた。

しっかりとボールをとらえた時の打球の速さは、並み居るリーグの強打者にも引けを取らず、伸びしろを感じさせる。だが、まだまだ荒さも目立つ。ゾーン別データを見ると、ある程度の率を残しているのは内角中程(.364)と真ん中(.300)、真ん中高め(.294)だけで、それ以外のコースはほとんど打てていない(内角低め.000、外角中程.043 など)。

一方で打球方向のデータを見ると、右翼の割合が最多の30%を占め、次に右中間27%、中堅20%、左中間19%、左翼5%と比較的引っ張る打球が多い傾向。昨年は力のある投手の直球にも振り遅れず、ある程度対応できている印象があったが、そのことが数値でも証明されている。

問題は佐藤の打力をチームの中でどう生かしていくか。これまでは故障者が出た際のDHや代打での起用が多かったが、“打てる捕手”としてしっかり機能できるなら打線に厚みが生まれる。キャッチングや配球、送球といった守備面で課題が散見される現状、首脳陣がどのようなビジョンで起用し、経験を積ませるのかがポイントになるだろう。

ドラフト1位で松川虎生(市和歌山)を指名したことも、相当な刺激になっているはずだ。「正捕手を取るという気持ち」と意気込む佐藤。2022年は捕手としての存在感を示してほしい。

ロッテの佐藤都志也インフォグラフィック

期待される種市篤暉の戦列復帰

二人目は、右肘のトミー・ジョン手術を経て、復活を目指す種市篤暉。術後はリハビリを順調にこなしてきており、いよいよ2022年は戦列復帰が期待されている。

2018年は未勝利ながらも1軍で経験を積み、2019年にポテンシャルが開花。26試合に登板し、8勝2敗、防御率3.24をマークした。力のある直球と縦に鋭く変化するスライダー、落差のあるフォークを武器に、近未来のエースを予感させる投球を随所に見せていた。

2020年7月25日にメットライフドームで行われた西武戦では、強力山賊打線を相手に9回を投げきり、4安打10奪三振でプロ入り初完封勝利をマーク。つけ入る隙を与えない圧巻の投球を見せたが、夏場に右肘の違和感で登録抹消されると、9月にはトミー・ジョン手術を受けることに。確かな進化を遂げていた最中での痛恨の離脱となった。

2021年は美馬学や二木康太ら期待していた先発陣が振るわなかったものの、小島和哉や佐々木朗希が台頭したほか、ルーキーの河村説人がシーズンの勝負所で白星を重ねた。彼らは優勝争いのかかる大一番やCSなど痺れる試合を経験し、2022年はさらなる成長が期待される。石川歩や岩下大輝、エンニー・ロメロといった顔ぶれの中に種市が戻ってくるとなると、首脳陣も心強いだろう。

ただ、無理はさせられない。しばらくは、10日間の登板間隔をあけていた佐々木朗のような起用法が好ましいだろう。先発投手陣の駒が揃いつつある状況であるからこそ、無理のない起用法で少しずつステップを上がっていってほしい。

2020年、わずか7試合の登板だったが、相手を支配するような投球を随所に見せていた種市。完封した西武戦後には「僕の投げる試合では、できるだけ勝てるように頑張りたい」と、先発陣の柱としての自覚と頼もしさを感じさせていた。種市の復活は悲願のリーグ優勝への起爆剤となりえるし、ロッテにとってはどんな補強よりも大きい。

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