2022年の中央競馬が始動

有馬記念はエフフォーリア、ホープフルSはキラーアビリティと、横山武史騎手が連勝。劇的な一年を、見事に勝利で飾った。名馬の登場や引退、そして新規競馬ファンの急増など、様々な出来事があった2021年も終わり、2022年の競馬がスタートする。

今年は、母マルセリーナの良血馬ヒートオンビートやローエングリン産駒トーセンスーリヤ、ローズキングダム産駒ロザムールらが出走を予定している。

古くはオンワードゼアやオンスロート、トースト(ダービー馬・ラッキールーラの母)などが勝利。平成以降もサクラローレルやグルメフロンティア、アドマイヤフジといった実力派がここを制している。今年を占う上でも、気持ちの上で重要な一戦という人も多いだろう。今回は、中山金杯の歴史を振り返る。

近年は一番人気が好調

中山金杯、過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA



ここ5年で1番人気は3勝。ヒシイグアス、セダブリランテス、ツクバアズマオーが人気に応えた。2012年から2016年にかけて1番人気が5連敗していたことを踏まえれば、ここ5年は1番人気が逆襲しているとも言える。1番人気が敗れた年も、2020年には2番人気のトリオンフ、2019年には3番人気ウインブライトが勝利。人気サイドの勝利が続いている。

ただし、2020年の1番人気馬クレッシェンドラヴは7着、2019年の1番人気馬マウントゴールドは12着と大きく敗れた。特に2019年は1着ウインブライト、2着ステイフーリッシュ、さらに4着アドマイヤリードがいずれもステイゴールド産駒だったために、同じステイゴールド産駒であるマウントゴールドの大敗は、明暗分かれた印象があった。

最後に馬連での万馬券が発生したのは、3番人気シャドウゲイト・10番人気アサカディフィートで決着した2007年。2004年の中山金杯を制していたベテランの9歳馬アサカディフィートはここで激走し、次走の小倉大賞典で勝利。さらに翌年の10歳シーズンにも小倉大賞典を制した。

ここから羽ばたいたラブリーデイ

中山金杯での勝利をきっかけに飛躍する名馬は多い。2019年の覇者ウインブライトは、同年にQE2世C・香港Cと香港GⅠを2勝。2007年の覇者シャドウゲイトも、同年の大阪杯2着からシンガポール航空国際Cを制し、翌年の川崎記念でも3着に食い込んだ。昨年の優勝馬ヒシイグアスも、中山記念を1着、天皇賞(秋)を5着、香港Cを2着と活躍した。

そして2015年の勝ち馬ラブリーデイも、ここを制して飛躍を果たした1頭。ラブリーデイは2歳から重賞戦線で活躍していた素質馬だった。2歳シーズンには京王杯2歳Sで2着、3歳シーズンでも小倉記念や金鯱賞で2着と善戦。4歳シーズンにはOP競走メトロポリタンSを制するなど世代上位クラスの能力を見せていたものの、GⅠでは7着→15着→7着→12着と高い壁を感じる結果となっていた。

しかしラブリーデイが5歳になった2015年、中山金杯で同期の皐月賞馬ロゴタイプらを相手に重賞初制覇を達成すると、次走の京都記念も勝利。阪神大賞典、天皇賞(春)と連敗を挟んだものの、鳴尾記念、宝塚記念、京都大賞典、天皇賞(秋)とGⅠを含めて4連勝を達成した。その"覚醒"といってもいい大活躍で、ラブリーデイはJRA最優秀4歳以上牡馬に選出され、今は種牡馬として活躍している。

血統表にも注目

今年は2020年2着、2021年3着のウインイクシードが出走。8歳の大ベテランだが、有馬記念で11着に敗れた半妹ウインキートスのリベンジを、同じ中山競馬場で果たしたいところだろうか。

また、非サンデー系種牡馬の産駒が活躍するのも、中山金杯の特徴と言えるかもしれない。昨年の2着馬ココロノトウダイはエイシンフラッシュ産駒、一昨年の勝ち馬トリオンフはタートルボウル産駒・3着馬テリトーリアルはTeofilo産駒だった。メイショウサムソン産駒のストレンジクォークも、2018年の3着に食い込んでいる。

さらに、上述したココロノトウダイやストレンジクォークは母父アグネスタキオン、トリオンフやラブリーデイは母父ダンスインザダークである。出走馬の母父にも合わせてご注目いただきたい。

ここから飛躍する馬、ここで存在感を示す血統など、注目したい点が多い中山金杯。2022年の競馬界は、どんな素晴らしいレースが待っているだろうか。幕開けとなる中山金杯を、まずは全力で堪能したい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。



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