タイプが違う打者の比較に便利な指標「RC」

長距離打者や中距離打者、走力に優れた打者、小技が巧い打者など打者にはさまざまなタイプがあり、それぞれに長所と短所があって単純に比較することは難しい。

そこで便利なのがRC(Runs Created)という指標。長打力や出塁能力に加え、犠飛や犠打、盗塁といった要素も加味されているため、一人の打者がいかに得点を生み出したのか?という“得点貢献能力”を測ることができる。今回は、昨季セ・リーグで優れたRCをマークした選手に焦点を当てて考察する。

2021年セ・リーグRCランキング,ⒸSPAIA


チーム得点数の約1/5を稼いだ鈴木誠也

リーグトップの115.6をマークしたのは、東京五輪で侍ジャパンの4番として金メダル獲得に貢献し、後半戦はチームの快進撃に貢献した鈴木誠也だ。

広島のチーム得点数が557だが、そのうちの約116点を鈴木が一人で稼ぎ出したことになる。打率.317で首位打者に輝き、本塁打はリーグ3位の38本、リーグ4位の88打点を挙げているが、RCを見ると、いかに鈴木を中心に打線がまわっていたのかがうかがえる。今季からメジャーへ活躍の場を移す予定だが、得点貢献能力に優れた鈴木が得点に絡むシーンを多く見られることに期待したい。

2位はヤクルトのリーグ優勝と日本一に貢献した村上宗隆で、RCは鈴木と僅差の113.0。39本塁打でホームラン王に輝き、打点は巨人の岡本和真に1点及ばなかったが112打点を挙げて幾多の勝利に貢献した。ここぞという場面での勝負強さや長打の魅力に目がいきがちだが、12盗塁をマークしており(2020年は11盗塁)、走力があることも忘れてはならない。

ヤクルトは主砲の村上のほかにも、3位にクリーンナップの一翼を担う山田哲人、10位にリードオフマンとして飛躍した塩見泰隆がランクインしており、いかに上位打線で得点を生み出していたのかがわかる。12球団トップのチーム得点数625をマークしたが、今季も村上、山田、塩見が機能すれば高い得点能力を期待できるだろう。

DeNAが最多の4人

特筆すべきはDeNAの打者が4人もランクインしていること。リーグ最下位に沈んだが、チーム得点数559がリーグ2位であることや、4位の佐野恵太をはじめ、桑原将志、牧秀悟、宮﨑敏郎の4人全員が打率3割をマークしていることを考えると納得だ。

ただ、打力が強力な一方で、チーム盗塁数は12球団ワーストの31個。攻撃のバリエーションを増やすために足も欠かせない武器であり、得点効率を高めるためにも盗塁を含む走力は改善したいところ。

現役時代に358盗塁をマークし、セ・リーグの各球団でコーチを務めてきた石井琢朗が野手総合コーチに就任したが、DeNAの攻撃をどう変えていくかが見ものだ。4人のほかにも、タイラー・オースティンやネフタリ・ソトら力のある打者が多いだけに、意識や戦術の変化によっては相手にさらなる脅威を与える打線になりえる。

得点貢献能力が高いということは、それだけ打線に欠かせない存在だということ。打点だけでなくRCも加味して選手を見ることで、野球を見る楽しみ方も広がるだろう。

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