新守護神候補カイル・ケラー獲得も

昨年惜しくも2位に終わった阪神。就任4年目を迎える矢野燿大監督にとって、目指すは優勝しかないだろう。

ただ、懸案のひとつがクローザーだ。昨季1勝1敗42セーブ、防御率1.16と完璧なリリーフを見せていたロベルト・スアレスがパドレスに移籍。新守護神候補として前パイレーツのカイル・ケラーを獲得したものの、新型コロナの影響もあり、外国人は未知数な部分が多い。

これからキャンプ、オープン戦を通して様々な投手をテストしていくだろうが、クローザーを固定できるかどうかは勝敗を大きく左右する。

1985年は山本和行と中西清起のダブルストッパー

これまで阪神には名リリーフが数多く存在した。日本一に輝いた1985年は山本和行と中西清起のダブルストッパー態勢だった。

左腕・山本は5勝11セーブを挙げたが、9月にアキレス腱を断裂。当時2年目だった右腕・中西が11勝19セーブをマークし、見事に胴上げ投手となった。2人のプロ通算成績は以下の通り。

山本和行 700登板116勝106敗130セーブ
中西清起 477登板63勝74敗75セーブ

新庄剛志がブレイクした1992年は田村勤

「ビッグボス」として話題を独占している日本ハム・新庄剛志監督が阪神時代、亀山努とともに「亀新コンビ」として大ブレイクしたのが1992年。最後の最後まで優勝を争いながらヤクルトに屈したが、当時のクローザーが田村勤だった。

左のサイドハンドから繰り出すキレのいいストレートでセ・リーグの強打者をなで斬り、5勝14セーブ、防御率1.10をマーク。しかし、左肘痛のため後半戦はマウンドに立てず、V逸の一因となった。

プロ通算成績は287登板で13勝12敗54セーブだった。

18年ぶり優勝の2003年はジェフ・ウィリアムス

1990年代半ばからの「暗黒時代」を経て18年ぶりのリーグ優勝を果たした2003年。クローザーを務めたのはオーストラリア出身のサイド左腕ジェフ・ウィリアムスだった。

星野仙一監督にセットアッパーとして見出された安藤優也と「勝利の方程式」を形成。52試合登板で1勝1敗25セーブ、防御率1.54の好成績を残し、優勝に大きく貢献した。

阪神には2009年まで7年在籍し、通算371登板で16勝17敗47セーブ141ホールドだった。

2005年は「JFK」久保田智之

岡田彰布監督2年目の2005年には久保田智之がクローザーを務めた。藤川球児、ジェフ・ウィリアムスとの勝利の方程式は「JFK」と呼ばれ、安定感抜群。久保田は5勝4敗27セーブ3ホールドで2年ぶりのペナント奪回に貢献した。

久保田は2年後にはセットアッパーとして現在もNPB記録の90試合に登板(9勝3敗46ホールド)。無類のスタミナを誇る、馬力のある右腕だった。通算成績は444登板で41勝34敗47セーブ117ホールドとなっている。

藤川球児は日米通算245セーブ

久保田に代わって2006年のシーズン途中からクローザーを務めたのが、阪神球団史上最高のクローザー・藤川球児。2007年には5勝46セーブ、2011年には3勝41セーブを挙げて最多セーブに輝いた。

全盛期は「火の玉ストレート」と呼ばれた剛速球で完璧なリリーフを見せ、2005年以降は8年連続40試合以上に登板。メジャーリーグと独立リーグを経て阪神に復帰し、日米通算811登板61勝39敗245セーブ164ホールドの成績を残した。

名球会入りの通算250セーブに「あと5」と迫っていたが、惜しまれながら2020年限りで引退した。

呉昇桓、マテオ、ドリス、スアレス

藤川のメジャー移籍に伴い、2014年から2シーズン活躍したのが呉昇桓。韓国で「石直球」と呼ばれた重い速球を武器に1年目は39セーブ、2年目は41セーブをマークした。

2016年からメジャーでも活躍。2019年から韓国サムスンに復帰した。NPB通算127登板4勝7敗80セーブ12ホールドの成績を残している。

呉昇桓の後任を務めたのが身長188センチ、体重107キロのドミニカ出身右腕マルコス・マテオ。2016年は1勝3敗20セーブ、防御率1.80をマークした。NPB計3シーズンで通算132登板8勝8敗20セーブ47ホールドだった。

2017年からは、マテオとともに来日したラファエル・ドリスがクローザーを務めた。同年は4勝37セーブで最多セーブのタイトル獲得。阪神には4年在籍して通算208登板13勝18敗96セーブ28ホールドをマークした。

ドリス退団後の2020年からクローザーを務めたロベルト・スアレスは、NPB通算191登板7勝13敗68セーブ37ホールドの成績を残した。これまで盤石のリリーフ陣によって、勝てる試合を確実にものにするのが阪神の勝ち方。2022年は誰が新守護神を務めるのか注目だ。

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