どれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」

同じイニング数で平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す指標に「RSAA」というものがあり、(リーグ平均失点率−失点率)×投球イニング÷9の計算式で算出できる。RSAAが0より大きい場合は平均よりRSAAの数値だけ失点を防いでいるということになり、0を下回る場合は平均よりもRSAAの数値だけ多く失点していることになる。

RSAAで優れた数値をマークしたパ・リーグの投手をランキング形式で紹介し、その理由を考察する。

オリックス左右のエースがワンツー

2021年パ・リーグRSAAランキング,ⒸSPAIA


リーグ1位に輝いたのは、オリックスのリーグ優勝に大きく貢献した日本球界のエース・山本由伸。RSAAはリーグだけでなく、12球団でもダントツの1位となる44.9をマークした。

昨季は26試合に登板し、最多勝(18勝)をはじめ、最優秀防御率(1.39)、最多奪三振(206個)、最高勝率(.783)をはじめ、ありとあらゆる部門にタイトルを獲得。東京五輪では侍ジャパンのエースとして悲願の金メダル獲得に貢献した。

RSAAは平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す指標であるが、山本だけ異次元の数値であり、比べる意味もないのではないかと思わせられるほど。月別の失点を見ると、5月に15失点しているが、6月以降は各月ともに3失点以上している月がなく、いかに失点を防いでいるかがうかがえる。今季も絶対的エースに死角は見当たらない。

2位にランクインしたのは、RSAA 17.9をマークしたオリックスの宮城大弥。同僚の山本とワンツーフィニッシュとなったが、この2投手がいかにリーグ優勝の原動力になったかが改めてわかる。唯一打ち込まれた9月は防御率5.63で未勝利だったが、シーズン序盤から8月まで順調に勝ち星を積み重ね、優勝争いの佳境に入った10月は復調して2勝を挙げ、リーグ優勝に貢献した。

4勝に終わった田中将大が4位

注目したいのは、RSAA 11.8をマークして4位にランクインした楽天の田中将大。昨季は23試合に登板するも、4勝9敗とまさかの成績に終わった。それでも試合を作るゲームメイク力はさすがで、味方打線の援護がなく惜敗する試合が多かったことも確かだ。

防御率は3.01と、圧倒的な数字を残していた頃と比較すると物足りなさはあるが、それでも及第点。今回、他の平均的な投手と比較した際のRSAAでリーグ4位に入ったことで、田中の投球が4勝という勝ち星以上に価値があることを改めて証明した。

ちなみに、田中の援護率は規定投球回に達した投手の中で最低の2.31。田中に白星がついていけばチームが勢いに乗るため、田中の登板試合で打線がいかに奮起できるかが、楽天が今季巻き返すための大きなカギになりそうだ。

3位と5位には、日本ハムの上沢直之とルーキーながら二桁勝利を挙げる活躍を見せた伊藤大海がランクイン。2投手のほかに、左腕の加藤貴之や安定感抜群の投球で台頭した立野和明、ドリュー・バーヘイゲンらもおり、先発陣が安定。新庄剛志新監督の手腕次第では日本ハムが台風の目になる可能性はある。

RSAAに優れた投手は大崩れせずに試合を作ってくれるため、計算が立つ。そうした投手が投げる試合に、いかに打線が奮起できるか?という視点で贔屓のチームを応援し、ペナントレースを追っていくのも一興だ。

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