名マイラーへの登竜門

今週は阪神芝1600mを舞台に、春のマイル王決定戦・安田記念への重要なステップレースであるGⅡ・マイラーズCが行われる。栗東・辻野泰之厩舎への転厩初戦カラテや、昨年のマイルCS5着ホウオウアマゾン、ラッキーフィールド所属2騎・エアファンディタとエアロロノアなど、府中決戦に向け腕をぶす駿馬たちがエントリーしてきた。

「マイラーズC」の名前通り、数々の名マイラーが高みへと羽ばたくきっかけとなった同レース。歴代の勝ち馬にはニホンピロウイナー、ダイタクヘリオス、ノースフライト、ダイワメジャー、インディチャンプなどビッグネームがいくつも並ぶ。今週はこのレースにちなんで「マイル重賞勝利数ランキング」をテーマに、時代を彩った「マイル王」の蹄跡を振り返っていく(データは1986年以降、JRA重賞のみ集計)。

トップはグランアレグリアの6勝

JRAマイル重賞勝ち鞍ランキング・Part1,ⒸSPAIA


まずは1位と、2位タイの3頭をピックアップする。

堂々頂点に立ったのは女王グランアレグリア。2歳時のサウジアラビアRCに始まり、3歳時には桜花賞を制覇。4歳シーズンはアーモンドアイに土をつけた安田記念、インディチャンプをねじ伏せたマイルCSをともに勝ち、春秋マイルGⅠ制覇を達成した。ラストイヤーの昨年もヴィクトリアマイルを圧勝し、マイルCSで有終の美を飾った。

マイル重賞勝ち鞍は前人未到の6を数え、うちGⅠを5勝。1200mから2000mまで幅広いカテゴリーに果敢に挑んだため「マイラー」というくくりで見られることは少ない同馬だが、主戦場の1600mでは他の追随を許さない走りを披露し続けた。

5勝で並ぶ2位タイの馬は3頭いる。

まず2000年代半ばをともに彩ったダイワメジャーとウオッカがランクイン。喉鳴りとの戦いに勝ったダイワメジャーは2005年のダービー卿チャレンジトロフィーを勝ち、復活の名マイラーへの道を歩み始める。戦績にムラが多かったウオッカも、ストライクゾーンど真ん中の府中マイルではまさに敵なし。ヴィクトリアマイルの大楽勝、進路を失いながら馬群をこじ開けて勝った安田記念は女傑ここにありといった豪快な走りだった。

残る1頭は異色のクラレント。GⅠではNHKマイルC3着とモーリスに0秒2及ばなかった安田記念3着がハイライトだが、母エリモピクシーがくれた左回りマイルへのずば抜けた適性を武器に、2〜5歳にかけてマイルGⅡ、GⅢを勝ちまくった。5つのマイル重賞制覇で1番人気だったケースはなく、低評価をあざ笑うかのごとき激走を幾度も見せた。

マイル重賞4戦4勝のオグリキャップ

JRAマイル重賞勝ち鞍ランキング・Part2,ⒸSPAIA


5位タイの4勝で並ぶ6頭はいずれもGⅠを複数獲った名馬たち。順に紹介していく。

マイル王と聞いてまず思い浮かぶであろうタイキシャトルは、3歳ダート重賞・ユニコーンSが初重賞制覇であり、重賞8連勝へのスタート地点でもあった。4歳時にはフランスでジャック・ル・マロワ賞を制し、マイルCSでは2着ビッグサンデーに5馬身差の圧勝。まぎれもなく史上最強クラスのマイラーだった。

NHKマイルCとマイルCSを勝ったミッキーアイル、GⅠ・6勝のうち3勝をマイルで挙げたブエナビスタ、春秋マイルGⅠ制覇を達成したノースフライト、インディチャンプ、笠松からの転入初戦だったペガサスSからマイル重賞4戦4勝だったオグリキャップもタイ記録。引退レースの有馬記念が印象深いオグリキャップだが、コースレコードを叩き出した1990年安田記念は衝撃的パフォーマンスで一見の価値ありだ。

現役のマイル重賞最多勝は3勝で並ぶ馬たちとなるが、そのうちの1頭がソダシだ。芝とダートの「二刀流」挑戦でも話題になった白毛の若きアイドルホース。さらなる勝ち鞍を重ね、歴史に名を刻んでほしい。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開、新入部員は随時募集中。

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