悲願の盾は目の前

今週日曜、阪神競馬場でGⅠ・天皇賞(春)が行われる。古馬長距離界の最高峰、春の盾をかけた伝統の一戦に、最重要ステップ・阪神大賞典を連覇して挑むディープボンド、菊花賞馬タイトルホルダー、ダイヤモンドS覇者テーオーロイヤルなど18頭が集結した。

注目は何といってもディープボンド。三冠馬コントレイルを前にクラシックでは掲示板までだったが、古馬になってメキメキと力をつけ、堂々GⅠの主役を張る存在となった。昨年はワールドプレミアに交わされ3/4馬身届かなかった頂点を目指し、日本競馬で最もタフな仁川の3200mを疾走する。

同馬の鞍上を務めるのは和田竜二騎手。関西の中堅ジョッキーとして確かな地歩を固めてきたジョッキーだ。今週は和田騎手の騎乗成績をチェック。馬券で狙える条件、狙えない条件を探っていく(データは2017年以降)。

和田竜二騎手 過去5年の騎乗成績,ⒸSPAIA


まずは和田竜二騎手のここまでのキャリアを振り返る。

同期に福永祐一騎手、柴田大知騎手、古川吉洋騎手、細江純子元騎手などがいる「競馬学校花の12期生」の一人。初年度から33勝を挙げた他、サージュウェルズでステイヤーズSを制して同期最速の重賞初制覇を達成するなど、関西のホープとして若くから頭角を現した。

キャリア3年目の夏には名馬テイエムオペラオーとの出会いを果たし、翌年わずか21歳にして皐月賞を勝ち、クラシック初制覇。3歳シーズンではダービー3着、菊花賞2着、有馬記念3着と悔しい結果が続いたものの、本格化した4歳シーズンではGⅠ・5連勝を含む圧巻の8戦8勝。全26戦で一度も鞍上を譲らなかった「世紀末覇王」との名コンビはキャリアを語るに欠かせない。

オペラオーの引退後は長らくGⅠから遠ざかったものの、2012年JBCクラシックをワンダーアキュートで楽勝。中央GⅠは2018年の宝塚記念、ミッキーロケットの粘り込みで、実に17年ぶりとなる待望のタイトル奪取となった。

近年では2017年にキャリアハイの96勝を挙げ、リーディングも自己ベストとなる5位にランクイン。年々勝ち星が落ち込んでいるとはいえまだまだ老け込む歳ではなく、2020年以降で8の中央重賞を制するなど存在感を保ち続けている。

キズナ産駒×剛腕はニックス

和田竜二騎手を「買える条件」,ⒸSPAIA


<和田竜二騎手を「買える条件」>
2400m【14-16-11-76】勝率12.0%/連対率25.6%/複勝率35.0%
キズナ産駒【17-8-7-60】勝率18.5%/連対率27.2%/複勝率34.8%
鈴木孝志厩舎【31-36-34-206】勝率10.1%/連対率21.8%/複勝率32.9%

まず回収率の高い「買える条件」についてチェックする。

距離別で目を引くのは2400m戦。3頭に1頭以上を馬券圏内に導いており、単勝回収率は142%まで達する。また3000m【3-1-1-6】など長距離でも頼りになるジョッキーだ。ちなみに阪神芝3200mには3回騎乗経験があり、2021年松籟S・11番人気2着(タイセイモナーク)、2021年天皇賞(春)・1番人気2着(ディープボンド)、2022年松籟S・4番人気4着(タイセイモナーク)の【0-2-0-1】。4着だった松籟Sも3着と半馬身差で、このコースではほぼ崩れていない。

種牡馬別ではディープボンドも該当するキズナ産駒の数字が素晴らしい。キレッキレだった父と違い、上がりがかかるレースをしぶとく差してくる馬が多く、剛腕の定評名高い和田竜二騎手とピッタリなのだろう。継続騎乗では【10-4-2-16】で勝率3割超え、単勝回収率220%。見かけたら馬券を仕込みたい。

調教師別では期間内で最もコンビ結成が多かった鈴木孝志厩舎を推奨。300回以上の騎乗機会がありながら単複回収率は100%以上で、特にダート戦で結果を出している。

不振の芝GⅢ

和田竜二騎手を「買えない条件」,ⒸSPAIA


<和田竜二騎手を「買えない条件」>
芝GⅢ【3-6-11-93】勝率2.7%/連対率8.0%/複勝率17.7%
関東馬×乗り替わり【18-28-16-361】勝率4.3%/連対率10.9%/複勝率14.7%

次に「買えない条件」をピックアップ。

クラス別成績では芝のGⅢで苦戦が目立つ。2020年にまとめて3勝を挙げたものの、2021年以降では【0-1-3-26】と厳しい。連系馬券では考えものだ。

乗り替わりで数字を大きく落としているのも特徴で、特に関東馬に騎乗する際は複勝率が15%を切る不振に陥っている。このうち重賞成績は【0-0-1-16】で、馬券圏内に入ったのは2021年葵Sのオールアットワンス9番人気3着のみ。消して馬券の期待値を高めるのが得策といえそうだ。


和田竜二騎手買える条件買えない条件,ⒸSPAIA



《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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