セ・リーグはスラッガータイプが上位にランクイン

3月25日に開幕したプロ野球も、あっという間に1ヵ月を終え、早くも5月の戦いへと突入している。新型コロナウイルスの影響もあり、各球団、選手は難しい調整を余儀なくされているが、その中でもさすがのパフォーマンスを発揮している選手も多い。

本稿では、近年の打者評価で用いられるようになったOPS(出塁率と長打率の和)で、3・4月度の上位にランクインした選手に注目。打率、本塁打、打点といった主要タイトルだけではない、打者としての総合的な実力を見ていく。好スタートを切ったのは誰だったのだろうか。

※成績は全て4月30日終了時点

セ・リーグ3・4月OPSトップ5,ⒸSPAIA


セ・リーグのトップはDeNAの2年目・牧秀悟。今シーズンは開幕前から三浦大輔監督が4番での起用を明言し、OPS1.048という素晴らしい成績で期待に応えている。新型コロナウイルスの影響で離脱があり出場は19試合と少ないが、打率.328、5本塁打、13打点をマークしチームを牽引した。

出塁率.451、長打率.597ともトップで堂々の1位に入り、2年目のジンクスなど微塵も感じさせない活躍を見せている。セ・リーグでOPSが1.0を超えているのは牧のみ。このことからも、その突出具合が分かるだろう。

セ・リーグ3・4月 出塁率、長打率トップ5,ⒸSPAIA


OPS.983で2位のヤクルト・村上宗隆は、出塁率.434は2位、長打率.549は4位だった。村上と言えば長打力のイメージが強いが、相対的には出塁率の方が高くなっている。長打も多いが、リーグトップの22四球を選んでいることがその要因だ。

3位の岡本和真(巨人)、5位の佐藤輝明(阪神)はいずれも長打率の高さでランクイン。どちらも打率は2割台後半で、出塁率ではトップ10にも入っていない。岡本は本塁打は多いが打率自体は.264と高くなく、佐藤輝は打率は.284と上々だが30三振と確実性を欠く。

5位にランクインしている大島洋平(中日)は、5人の中で唯一のアベレージタイプだ。四球は少なく長打も多くはないが、打率.354はリーグトップ。出塁率にも長打率にも関わる打率でのアドバンテージが大きいため、ランクインとなった。

また、出塁率では4位に吉川尚輝(巨人)、5位に上本崇司(広島)が、長打率では5位に阿部寿樹(中日)が入っている。

パ・リーグは西川遥輝がキャリアハイ級の成績残す

パ・リーグ3・4月OPSトップ5,ⒸSPAIA


大島以外はスラッガータイプが並んだセ・リーグに対し、パ・リーグはアベレージタイプの打者が並ぶ。トップにランクインしたのは、今シーズンから楽天に移籍した西川遥輝の1.079。出塁率.472は僅差の2位、長打率.607は文句なしの1位だ。

ここ数年はコンスタントに90個前後の四球を選んでおり、出塁率が高いことで知られている西川だが、今シーズンはそれに加えて打率も3割を超え、長打も多い。本塁打のキャリアハイは2018年の10本だが、今シーズンは既に5本。それが長打率の高さに直結している。

盗塁7個も上位で、1番打者ながら23打点をマークするなど、30歳を迎えた今シーズンはあらゆる面でキャリアハイの成績が期待できそうだ(打点のキャリアハイは2014年の57)。

パ・リーグ3・4月 出塁率、長打率トップ5,ⒸSPAIA


OPS.962で2位にランクインした吉田正尚(オリックス)は、出塁率.446、長打率.515とも3位だった。2年連続首位打者を獲得した過去2年とほぼ同様の成績を残しており、厳しいマークの中、期待に応えている。

リーグトップの打率.418をマークした松本剛(日本ハム)は、OPS.946で3位にランクイン。2017年に初めて規定打席に到達、リーグ10位の打率.274をマークしながらも以降はレギュラーからは遠ざかっていたが、11年目の今シーズンはブレイクの年となりそうだ。

4位の浅村栄斗(楽天)は、4位の出塁率.415、2位の長打率.529でOPS.944をマーク。本塁打のペースこそゆっくり目だが、OPSとしては本塁打王に輝いた2020年に匹敵する数字だ。

OPS.870で5位の三森大貴(ソフトバンク)は、松本同様、ブレイクが期待される1人だ。1番打者ながら4位の長打率.495をマークするなど、新生ソフトバンク打線を牽引。高卒6年目の23歳と若く、楽しみなリードオフマンが出てきた。

出塁率5位の中村晃(ソフトバンク)は、OPS.802で7位にランクインしており、今後の活躍次第では上位に浮上してくる可能性もありそうだ。

今回名前が挙がった選手たちは、スタートダッシュに成功した選手たちと言える。だが、シーズンはまだ始まったばかり。彼らがこのまま上位を守り続けるのか、今まで眠っていた選手が浮上するのか。OPSレースにも注目していきたい。

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