話題抜群のメンバーが揃った牝馬限定GⅠ

「競馬に絶対はない」何度も何度も自分に言い聞かせた言葉だ。にもかかわらず、私は何て意志の弱い生き物なのだろう。2008年5月18日ヴィクトリアマイル。海外帰りとはいえ、前年に日本ダービーを制したウオッカが武豊騎手とのコンビで牝馬限定GⅠに出走してくる。しかも単勝オッズが2倍以上ついている。可能な限りの金額をかき集め、単勝1点勝負を仕掛けた。

今にして思えば、他にも多くの有力馬がいたから2倍以上のオッズがついていたのだ。そのなかの1頭、芝のレースで一度も連を外す事なく、前走で阪神牝馬Sを制していたエイジアンウインズに敗れ、結果はご存知の通り2着。鉄板だと思い込んだうえ、単勝オッズに目がくらんだ思い出として、戒めを胸に深く刻み込んだものである。

さて今週はデアリングタクトやソダシ、レイパパレなど話題抜群のメンバーが集結したヴィクトリアマイルを予想していきたい。



大阪杯組は軽視禁物! 阪神牝馬S&中山牝馬S組にも注目だ!

ヴィクトリアマイルの前走レース別成績,ⒸSPAIA


さっそく近10年間の前走レース別成績を振り返ってみる。

阪神牝馬S [4-4-5-60]
中山牝馬S [2-2-0-8]
大阪杯 [2-1-1-1]
高松宮記念 [1-0-2-16]
有馬記念 [1-0-0-0]
福島牝馬S [0-1-2-22]
京都牝馬S [0-1-0-4]
ダービー卿CT [0-1-0-6]

この10年の間に阪神牝馬Sは1400mから1600mに延長され、大阪杯はGⅠに昇格したので、データ上で一括りにするのは少々乱暴かもしれない。それでも、ステップレースとしての役割は変わっていないと判断しこのまま予想を進めたい。

まず最も多くの勝ち馬を出しているのが阪神牝馬S。しかし勝ち馬のうち本番で馬券に絡んだのは、2020年2着のサウンドキアラのみ。他の9頭は4着以下に沈んでいる。一方で、過去にはホエールキャプチャやヴィルシーナが二桁着順から巻き返している。また、距離がマイルへ変更になって以降に連に絡んだのは前走1、2、2、3、5、9着だった6頭。着順不問で狙ってみたい。

中山牝馬S組は人気の盲点になりやすく前走1、5、7、11着馬が本番10、4、5、7番人気で連に絡んでいる。2019年はノームコアが前々走愛知杯2着、前走中山牝馬S7着からヴィクトリアマイルを5番人気1着。2021年はランブリングアレーが前々走愛知杯2着、前走中山牝馬S1着からヴィクトリアマイルを10番人気2着。似たパターンの馬がいれば狙い目。

そして、2017年からGⅠに昇格した大阪杯組。GⅡ時代が[1-1-1-1]で、GⅠ昇格後は昨年グランアレグリアが4着から転戦してきて1着。強い牡馬との戦いを経てこのレースに挑んでくる馬は無条件で注目しておきたい。

ヴィクトリアマイルの年齢別成績,ⒸSPAIA


次に年齢別成績。

4歳 [4-6-3-63]
5歳 [4-3-6-55]
6歳 [1-1-1-24]
7歳以上 [1-0-0-5]

出走馬の大半を4、5歳が占めている。近年、特に活躍が目立っている一口馬主クラブの牝馬は、規定上6歳3月で引退することが多いため、若い年齢の出走が多くなっているのではないか。特に近5年で馬券に絡んだ馬のうち6歳以上は2019年3着のクロコスミアのみ。若い馬を積極的に狙うのが吉だ。

東京芝マイル巧者を探せ!

東京芝1600mの騎手別成績,ⒸSPAIA


次に2012年1月1日から2022年5月6日までに行われた東京芝1600mの714レースを集計して舞台巧者を調べたい。まずは騎手部門から。

第1位 C.ルメール[82-49-33-119]
第2位 戸崎圭太[63-50-40-258]
第3位 北村宏司[38-39-31-295]
第4位タイ 田辺裕信[35-45-53-292]
第4位タイ 三浦皇成[35-35-23-261]
第4位タイ 横山典弘[35-20-26-224]

トップはC.ルメール騎手。勝率29.0%、連対率46.3%、複勝率58.0%は流石としか言いようがない。ランク外で複勝率が高い騎手は3名。M.デムーロ騎手[28-19-15-114]35.2%、福永祐一騎手[25-22-24-114]38.4%、川田将雅騎手[16-11-11-52]42.2%。どの騎手もリーディング上位で驚きはないが、イメージ通りきちんと結果を残している。

東京芝1600mの種牡馬別成績,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。

第1位 ディープインパクト産駒[131-92-81-558]
第2位 ダイワメジャー産駒[45-27-33-307]
第3位 ハーツクライ産駒[44-33-33-272]
第4位 キングカメハメハ産駒[34-38-27-275]
第5位 ステイゴールド産駒[23-18-29-184]

母数が違うとはいえディープインパクト産駒が圧倒的な数字を残している。また勝率15.2%、連対率25.9%、複勝率35.3%と率の上でも、ランキング上位20頭の中では抜きんでている。

穴で面白い種牡馬はリアルインパクト。[5-8-6-32]で複勝率が37.3%ある。このうちの1勝が2020年に9番人気でNHKマイルカップを制したラウダシオン。東京の芝マイルでは覚えておきたい存在だ。

1年ぶりの勝利へ! 本命レイパパレ

本命はレイパパレにする。2021年に無敗の6連勝でGⅠ大阪杯を制した逸材。そのあとは歯がゆい競馬が続いているが、国内ではどのレースも接戦なだけに、ここもメンバー次第だろう。

今回が初の東京競馬場出走となるが、過去に輸送経験もあり心配無用。前走大阪杯組、5歳馬、父ディープインパクト、川田将雅騎手騎乗予定と減点する点もない。大敗は考えづらく、軸に最適とにらんでいる。

対抗はM.デムーロ騎手騎乗予定で2020年の秋華賞5着馬ミスニューヨーク。前々走でターコイズSを制し、前走は中山牝馬Sを1番人気で3着。これが前走レース別のところでも取り上げた人気の盲点に該当するため、期待している。父キングズベスト×母父マンハッタンカフェと見るとマイルは短いと感じるかもしれない。しかし、この配合で獲得賞金上位3頭のトーラスジェミニ(8勝)、ミスニューヨーク(5勝)、ラージヒル(3勝)の勝ち星は全て1600mから2000mでマークされたもの。上位崩しの急先鋒になりうる存在だ。

3番手はデゼル。前々走愛知杯3着、前走阪神牝馬S3着と善戦を続けてきた。思い返せば2020年にデアリングタクトが制したオークスで2番人気。ここまで[4-0-3-5]という成績だがGⅠを除けば非常に安定した走りを披露している。父がディープインパクト、母が無敗で仏オークスと仏1000ギニーを制したアヴニールセルタンという超良血馬。堅実な末脚で上位争いに食い込んでほしい。

以下、阪神牝馬S5着のマジックキャッスル、昨年のエリザベス女王杯の覇者アカイイト、福永祐一騎手と相性抜群のアンドヴァラナウトまで印を回しておきたい。デアリングタクトは流石に1年以上間隔が空いてしまっているだけに、このレースでは勇気をもって無印としたい。

◎レイパパレ
◯ミスニューヨーク
▲デゼル
△マジックキャッスル
×アカイイト
×アンドヴァラナウト

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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