中島宏之がベテランとして存在感

今シーズンの巨人は一塁のレギュラーとして期待された中田翔の状態が上がらず、開幕からおよそ1ヶ月で二軍落ちとなった。その後、一塁を任された1人が中島宏之(前オリックス)である。中島は実績のある選手だが、巨人へはFAやトレードではなく自由契約を経ての加入だった。

中島のように、他球団を自由契約となった選手について、巨人はどのような選手を獲得してきたのか2010年以降で振り返ってみたい。

現役選手を見ると前述した中島がベテランとしてチームを支えている。2018年オフに、前所属であるオリックスからの減額制限を超える減俸提示を受けたことで自由契約を選択。移籍先として巨人を選んだ。

移籍初年度となった2019年こそ43試合の出場で打率.148と低迷するも、2020年に復活。3年ぶりとなる100試合以上に出場し打率.297、7本塁打と結果を出した。昨年も87試合に出場すると、今年も開幕から一軍に帯同しスタメン出場を交えながら結果を残している。

すでにNPB通算1900安打を超え、名球会入りの条件である2000安打まで残り100安打を切った。早ければ今年中に達成する可能性もありそうだ。

巨人が獲得した主な自由契約の選手


2020年には八百板卓丸(前楽天)が加入した。育成契約でのスタートだったが、2021年の春季キャンプ途中で支配下登録を勝ち取った。同年、楽天時代の2018年以来3年ぶりに一軍出場を果たすと、プロ初打点もマークした。今シーズンも5月に一軍昇格を果たしている。

投手では田中豊樹(前日本ハム)が2020年から活躍している。田中も育成での入団だったが、2020年シーズン途中に支配下登録を勝ち取ると、31試合に登板。昨年も39試合に登板し、防御率は2点台とブルペンを支えた。しかしオフに右ひじの手術を受けたことで、今シーズンは育成契約でのスタートとなっている。

石井義人、井端弘和も自由契約からの移籍

すでに現役を引退している選手はどうか。2012年に加入した石井義人(前西武)は大きな戦力となった。レギュラーを奪ったわけではないが、51試合に出場。打率.315(54打数17安打)と好成績を残している。特に代打では打率.405(37打数15安打)、13打点と勝負強さを発揮し、チームの優勝に大きく貢献。クライマックスシリーズでも代打サヨナラ安打を放ちMVPを受賞した。2013年と2014年は低迷したものの、2012年の活躍はチームにとって大きかった。

2014年からは、中日からの減額制限を超える大幅な減俸提示を受け入れず、自由契約を選択した井端弘和が加入。前年はWBCの日本代表としても戦い、シーズンでも100試合に出場していた井端だが、移籍後はレギュラー扱いではなかった。それでも試合後半からの守備固め、主力の休養時はスタメンで出場するなどチームを支えた。

移籍2年目で40歳だった2015年も衰えることなく98試合に出場し、321打席に立っていた。しかし、同学年の高橋由伸が現役を引退し監督になることが発表されると、自身も引退を決断。2016年からは高橋監督のもとでコーチに就任した。

2015年には堂上剛裕(前中日)と吉川大幾(前中日)を獲得した。育成契約でのスタートとなった堂上は、移籍初年度の春季キャンプ中に支配下登録を勝ち取り、シーズンでは代打の切り札として活躍。一方の吉川は、中日在籍の4年間を上回る6年間にわたり内野のユーティリティーとして重宝された。

巨人の補強はどうしてもFA選手やメジャーリーガーの獲得に目がいってしまう。しかし、他球団を自由契約となった選手たちも積極的に獲得し、戦力に変えてきた歴史がある。

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