魅力的なメンバーが多数集結

ヴィクトリアマイルはソダシが快勝。これで芝マイルでは4戦無敗、戦績に違わぬ圧倒的な走りを見せつけた。さらに東京7Rではダイナストーンが蛯名正義調教師×武豊騎手のコンビ初勝利を飾り、ファンを沸かせる1日となった。

さて、今週はオークス。桜花賞馬スターズオンアースや2歳女王サークルオブライフ、桜花賞未出走組からはアートハウスやエリカヴィータなど魅力的な馬が集結した。桜花賞では悔しい2着となり、武幸四郎調教師×武豊騎手のGⅠ制覇がお預けとなったウォーターナビレラも参戦。まさに世代の女王を決めるに相応しいメンバー構成となった。

古くはクリフジ、スターロツチ、テスコガビーやアグネスレディーが勝利。近年もアーモンドアイ、ラヴズオンリーユー、デアリングタクトにユーバーレーベンと、名だたる牝馬たちが勝ち馬に名を連ねる。翌週に控えたダービーに負けじと盛り上がる一戦だ。

今回はオークスの歴史を振り返る。

1番人気は好調

2022年オークス過去5年間の優勝馬画像,ⒸSPAIA


ここ5年で1番人気は4勝。ソダシが8着に敗れた昨年以外は、全て1番人気馬が勝利している。

その2021年も1着ユーバーレーベンは3番人気、2着アカイトリノムスメは2番人気と人気馬がワンツー。1番人気が馬券圏外となったのは2012年ミッドサマーフェアの13着以来であり、その年も1着ジェンティルドンナ、2着ヴィルシーナで3番人気→2番人気での決着だった。

ブエナビスタ、シーザリオ、アパパネやエアグルーヴは1番人気でオークスを制している一方で、ダンスパートナー、ダイナカール、メジロドーベルやカワカミプリンセスといった馬たちは2、3番人気だった。また、人気薄で勝利したエリンコート(7番人気)、メイショウマンボ(9番人気)という例もある。

ここ3年はハギノピリナ(16番人気3着)、ウインマイティー(13番人気3着)、カレンブーケドール(12番人気2着)など、二桁人気馬が馬券に食い込む好走を見せている。特にカレンブーケドールは、ラヴズオンリーユーとの馬連が251.4倍という波乱を巻き起こした。その後もカレンブーケドールは秋華賞やジャパンCで2着になるなど、GⅠ戦線で活躍を見せた。

タレントが揃った93年オークス

1番人気→3番人気→2番人気というほぼ人気順で決着したのが、1993年のオークスである。1番人気は桜花賞馬ベガ、2番人気はその桜花賞で3着のマックスジョリー、続いて3番人気は桜花賞2着馬ユキノビジンであった。

つまり、この年の桜花賞とオークスはいずれもベガ→ユキノビジン→マックスジョリーで決着している。そんな順当決着だったこの年のオークスだが、背景に話題性のある馬が多かった。

3着馬マックスジョリーの母は、二冠馬マックスビューティ。桜花賞、オークスの親子制覇がかかっていたが、ベガ、ユキノビジンの前に敗れた。孫のココロノアイはアルテミスSとチューリップ賞を制したが、桜花賞は2番人気10着、オークスは4番人気7着といずれも振るわず。クラシック制覇はさらに次の世代に託されている。

ユキノビジンは岩手競馬でデビューし、年明け2月に中央初出走を果たした地方出身馬。ルックスなどからファンの多い馬であったが、中央移籍後はエリザベス女王杯で大敗した以外は全て連対を果たした実力派でもあった。

そして二冠牝馬となったベガは、続くエリザベス女王杯では3着に敗れる。このレースを勝ったのが桜花賞5着、オークス6着のホクトベガ、2着は桜花賞、オークス未出走のノースフライトだった。このエリザベス女王杯は「ベガはベガでもホクトベガ!」の実況でも知られるが、ホクトベガはその後ダート路線で連戦連勝、ノースフライトは翌年の安田記念とマイルCSを制したことを踏まえると、非常にレベルの高い一戦だったと言える。

ベガは引退後、繁殖牝馬としても大活躍。ダービー馬アドマイヤベガ、2003年、2004年の最優秀ダートホースに選出されたアドマイヤドンらを輩出し、孫のハープスターは桜花賞制覇、オークス2着などの活躍を見せた。

異次元の名牝・シーザリオ

繁殖牝馬としても活躍……といえば、2005年のオークスも欠かせない。2着エアメサイアはエアスピネル、エアウィンザーらを、3着ディアデラノビアはディアデラマドレ、ドレッドノータスらを輩出し、今も牝系を広げている。他にも、6着ジェダイトはサナシオンを、7着ショウナンパントルはショウナンアチーヴを出すなど、多くの重賞ウィナーを送り出した世代である。

そして1着のシーザリオはエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアらを輩出。種牡馬の母として、今後も日本競馬界に大きな影響を与え続けるだろう。説明不要の超名牝として、日本競馬史に名を刻んだ。

エピファネイアは今週も有力馬サークルオブライフを送り込み、デアリングタクトに続くオークス2勝目を狙っている。リオンディーズも、ダービーに京都2歳S勝ち馬ジャスティンロックが出走予定で、今後は兄弟種牡馬対決が多く見られそうな状況だ。シーザリオは、まさに異次元の名牝と言えるだろう。

今年のオークスも、将来の名牝候補が多数揃っている。好メンバーによる熱戦が期待されるが、それと同時に、引退まで無事に怪我なく走り続けてくれることも願いたい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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