今シーズン長岡秀樹がブレイク

ヤクルトは開幕から長岡秀樹がショートのポジションを守り続けている。5月14日時点で全試合スタメン起用され、途中交代したのも2試合だけ。そのなかで打率.239(142打数34安打)、1本塁打、14打点と結果を残しレギュラーポジションを掴んでいる。

長岡は村上宗隆(2017年1位)や山田哲人(2010年1位)とは異なり、八千代松陰高からドラフト5位指名での入団だった。ドラフト上位指名選手と比べてチャンスが少ない中、一気にブレイクし欠かせない戦力へと上り詰めつつある。

この長岡のようにヤクルトでドラフト下位指名(5位以下、育成含む)から這い上がり、一軍で結果を残している選手を振り返ってみたい。今回は分離ドラフト以降(2008年ドラフト以降)を対象とした。

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山崎晃大朗、渡邉大樹、宮本丈が控えで存在感を発揮し優勝に貢献

ヤクルトの主なドラフト下位指名選手,ⒸSPAIA


野手を見ると前述した長岡を含め2015年のドラフト以降に入団した下位指名の選手が大きな戦力となっている。

とくに目を引くのは山崎晃大朗(日大・2015年5位)と渡邉大樹(専大松戸高・2015年6位)の2015年コンビだ。外野手の2人は規定打席に到達したことがなくいわゆる控えだ。それでもサンタナや青木宣親の守備固めや代走として試合終盤から出場し、昨年のリーグ優勝にも大きく貢献。彼らがいる安心感は間違いなくあった。

2017年6位で入団した宮本丈(奈良学園大)も昨シーズン代打で存在感を発揮した。代打での出塁率.452は川端慎吾(.416)を上回っていたほど。今シーズンは故障で出遅れたが、4月8日に一軍登録されると代打だけではなく一塁や右翼でのスタメン出場機会も増やしている。

捕手では古賀優大(明徳義塾高・2016年5位)と松本直樹(西濃運輸・2017年7位)のふたりが戦力に。古賀は昨シーズン54試合に出場し経験を積んだ。打撃面では課題が残るも今シーズンは開幕一軍スタート。中村悠平が不在の間、松本と内山壮真と3人で扇の要を守ってきた。一方の松本も渋い働きを見せている。今シーズンは高梨裕稔の先発時を中心に起用されて、4月6日・7日の中日戦では自身初となる2試合連続本塁打を記録した。

その他では日本ハムにトレードで移籍した谷内亮太(国学院大・2012年6位)や吉田大成(明治安田生命・2018年8位)、松本友(BCリーグ福井・2018年育成2位)らがレギュラーではないものの、ポイントポイントで一軍に昇格し爪痕を残してきた。

久古健太郎、古野正人が2015年の優勝を支える

野手と比べると投手はやや少ない。すでに現役を引退している選手では、2015年の優勝を支えた久古健太郎(日本製紙石巻・2010年5位)と古野正人(三菱重工神戸・2011年6位)がドラフト下位指名からの入団だった。いずれも社会人出身であり、即戦力候補として入団。

久古は1年目から52試合に登板し20ホールドをマーク。翌年は9試合の登板にとどまったものの、2013年からは4年連続で35試合以上に登板。リーグ優勝を果たした2015年は38試合の登板で8ホールド。防御率はキャリア最高となる2.55をマークし、左の中継ぎとしてブルペンを支えた。一方の古野は通算62試合の登板で9勝。2015年には先発・中継ぎの両役割でキャリアハイの27試合に登板。4勝を挙げている。

現役選手では金久保優斗(東海大市原望洋高・2017年5位)が昨シーズンは10試合(先発8試合)に登板。プロ初勝利を含む4勝を挙げた。今シーズンも2試合の登板で1勝1敗。現在は二軍調整中だが、いずれ一軍での登板機会はありそうだ。

左の中継ぎ・坂本光士郎(新日鉄住金広畑・2018年5位)は昨シーズン、キャリアハイとなる36試合に登板。前半戦から9月上旬までブルペンを支えた。

このようにヤクルトではこれだけ多くの選手が下位指名から這い上がり、近年2度の優勝を支えてきた。ドラフト1位の村上や山田、奥川恭伸(2019年1位)、清水昇(2018年1位)はもちろん、下位指名からも多くの一軍戦力が出てきていることがよくわかる。ドラフト上位指名だけでなく、下位指名選手にも注目をしていくと楽しみが広がっていく。

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