日本ダービーまであと6日

2022年の日本ダービーまで残り6日。連載で過去10年の日本ダービーを一戦ずつ振り返っていく。

「四強」ともいわれた群雄割拠の世代

最強と目される馬がころころ変わる世代だった。デイリー杯2歳Sを圧勝し、朝日杯FSでは単勝1.5倍の1番人気に支持されたエアスピネルを、1戦1勝のリオンディーズが差し切り。再戦となった弥生賞では、その両馬を若駒S勝ち馬マカヒキがまとめて撃破した。弥生賞組と、きさらぎ賞を3馬身半差で楽勝したサトノダイヤモンドの初対決が焦点となった皐月賞では、共同通信杯勝ち馬の8番人気ディーマジェスティが優勝。王道を歩む有力馬を、さらに強い馬が現れて破っていく。そんな群雄割拠の世代の頂点に立つのはどの馬か、注目を集める一戦だった。

2016年日本ダービー、1番人気は蛯名正義騎手騎乗のディーマジェスティで単勝オッズ3.5倍。2番人気が皐月賞3着のサトノダイヤモンドで3.8倍。3番人気マカヒキは4.0倍、4番人気リオンディーズが5.5倍。「四強対決」と呼ぶにふさわしい拮抗具合。

この4頭以外にも、エアスピネル、毎日杯と京都新聞杯を連勝してきたスマートオーディンや、のちに天皇賞(春)を勝つレインボーラインなど有力馬が多数おり、予想が悩ましいメンバーだった。

レースは内枠から好スタートを切ったマイネルハニーが逃げ、縦長の展開になった。中団にマカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティが固まってお互いを意識する形。リオンディーズは暴走気味になった皐月賞を踏まえてか、後方で折り合いに専念する。

前半1000mは1分ちょうど。決して速いペースではなく、後方待機のリオンディーズにはやや苦しい展開。一方、中団につけたマカヒキら3頭は存分に脚を使える流れだった。

直線では早め抜け出しを図る武豊騎手・エアスピネルを標的に、サトノダイヤモンドが外に持ち出し、ディーマジェスティがその外から脚を伸ばす。マカヒキは直線半ばまで前が開かずにもたついたが、サトノダイヤモンドが右にヨレた隙を、川田将雅騎手は見逃さなかった。すかさずエアスピネルとの間を割って抜け出し、最後はサトノダイヤモンドとの叩き合いをハナ差制した。

3着はディーマジェスティで、馬券圏内に入ったのは全てディープインパクト産駒。リオンディーズは上がり最速の33.2でよく差を詰めたが、5着までだった。

ダービー馬マカヒキ、そしてエアスピネルはその後GⅠタイトルこそないものの、9歳となった今でも現役で果敢に走っている。一方、ディーマジェスティとリオンディーズは昨年から、サトノダイヤモンドは今年産駒がデビューする。中でもリオンディーズは産駒のジャスティンロックを今年のダービーに送りこむ。現役と種牡馬。群雄割拠だった2016年クラシック世代は、それぞれの立場で今も競馬界を沸かせ続けている。

2016年日本ダービー・全着順
1着 マカヒキ 川田将雅 2.24.0
2着 サトノダイヤモンド ルメール
3着 ディーマジェスティ 蛯名正義
4着 エアスピネル 武豊
5着 リオンディーズ M.デムーロ
6着 スマートオーディン 戸崎圭太
7着 マウントロブソン ベリー
8着 レインボーライン 福永祐一
9着 レッドエルディスト 四位洋文
10着 プロディガルサン 田辺裕信
11着 ロードクエスト 岩田康誠
12着 アジュールローズ ボウマン
13着 ヴァンキッシュラン 内田博幸
14着 アグネスフォルテ 松山弘平
15着 イモータル 石川裕紀人
16着 マイネルハニー 柴田大知
17着 プロフェット 浜中俊
18着 ブレイブスマッシュ 横山典弘

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