4、6歳中心

春の東京開催終盤の名物重賞エプソムCは84年創設以後、ずっと東京芝1800mで変わらない。ハンデ戦だったのは86〜95年。その10回を除き、前走下級クラスだったのは96年マーベラスサンデー、03年マイネルアムンゼンの2頭。夏は上がり馬に注目だが、シーズン端境期にあるエプソムCは既成勢力が強いという特徴がある。特にこの春、重賞戦線で勝てなかった馬たちが最後の最後に決める舞台だったりする。梅雨時の鬱陶しい時期、しっかり的中して夏に向けて好発進したい。なおデータは過去10年間のものを使用する。


過去10年エプソムC人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別成績。1番人気は【2-2-1-5】勝率20%、複勝率50%と最近は信頼度がさほど高くない。2番人気【3-1-1-5】勝率30%、複勝率50%、上位人気でアテになるのはここまで。3番人気【1-2-0-7】勝率10%、複勝率30%、4番人気【1-2-1-6】勝率10%、複勝率40%なので、上位人気独占は少ない。

その分、5番人気【2-1-1-6】勝率20%、複勝率40%や6番人気【0-1-2-7】複勝率30%といった伏兵が走る余地はある。ただ大きな波乱は少ない印象もあり、10番人気以下は【0-0-2-71】複勝率2.7%。ヒモ荒れ傾向だが、多発するというほどではない。


過去10年エプソムC年齢別成績,ⒸSPAIA


3歳も出走できるが、中距離志向の3歳馬はクラシック戦線がひと段落したばかりで、この10年間、出走は1頭しかいない。主力は4歳【6-6-4-19】勝率17.1%、複勝率45.7%。降級制度がなくなった19年以降3回は4歳【1-2-2-10】勝率6.7%、複勝率33.3%。収得賞金が半分にならなくなったことで、35頭出走のうち15頭がこの3年に集中。分母が大きくなり、その分、取捨選択が難しくなった。

上の世代は5歳【3-1-1-41】勝率6.5%、複勝率10.9%、6歳【1-3-3-27】勝率2.9%、複勝率20.6%、7歳以上【0-0-2-45】複勝率4.3%。勝率は5歳だが、全体的な確率でいえばむしろ6歳。しっかり気を配りたい。


20年激走と同じパターンのトーラスジェミニ

1、2番人気中心、4歳に目をつけつつ、6歳までケア。そんな基本的な傾向をつかんだところで、ここからは前走成績に注目し、さらに絞り込んでいきたい。


過去10年エプソムC前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラスの内訳を見ると、GⅠ【1-0-0-8】勝率、複勝率11.1%はちょっとアテにしづらい。勝利は16年1番人気ルージュバック。ヴィクトリアマイルで差して0.6差5着だった。シャドウディーヴァがこれに似ている。前走は後方から0.6差9着。GⅠでは末脚届かずも、昨秋府中牝馬S1着と同舞台のここは巻き返しがありそうだ。

GⅡ【4-3-2-16】勝率16%、複勝率36%はマイラーズC【2-1-1-8】勝率16.7%、複勝率33.3%が目立つ。25頭中12頭がここに該当、質量ともに中心といっていい。ただし今年は不在。安田記念除外の前走京王杯SC3着タイムトゥヘヴンがここに回ってくるものの、別の角度から探したい。


過去10年エプソムC前走GⅢ組レース別成績,ⒸSPAIA


ではGⅢ【1-3-5-36】勝率2.2%、複勝率20%。やや勝ちきれないものの、今年はGⅠ、GⅡ組が手薄とあって、注目したい。その内訳をみると、同じ左回りの中距離である新潟大賞典【1-2-2-25】勝率3.3%、複勝率16.7%がデータの大半。今年はトーセングランのみ。

GⅢではダービー卿CT【0-0-1-4】複勝率20%が複数頭スタンバイ。好走1頭は20年18番人気3着トーラスジェミニと破壊力抜群。同馬はダービー卿CT11着からの反転。同レースは前後半800m45.4-47.4のハイペース。これを先行して11着。エプソムCでは不良馬場のなか、逃げて1000m通過59.1の厳しい流れを演出、後続に脚を使わせ、3着に粘った。

そのトーラスジェミニは今年も前後半800m45.5-46.8のハイペースを先行、追い込み決着で12着大敗。安田記念を騎手の都合で回避、ここに回ってくる形になったが、パターンは20年時の激走と酷似している。今年も馬場悪化、マイペースなら面白い。


過去10年エプソムC前走都大路S組着順別成績,ⒸSPAIA


重賞組に好走候補が少ないとあって、前走オープン【4-3-1-65】勝率5.5%、複勝率11%も検討したい。前哨戦のような位置づけのメイS(15年はモンゴル大統領賞として施行)は【2-3-0-32】で好走馬が出ているが、今年は該当馬がいない。

都大路Sも【2-0-1-11】勝率14.3%、複勝率21.4%とまずまずの成績。ただ、これには20年までの京都芝1800mが東京芝1800mと親和性が高かったことも影響している。21、22年は中京芝2000mで問われる適性にズレがある。事実、21年は2頭出走(うち1頭は前走競走除外)して11、12着。ここは考慮したい。データ上は2着以内【2-0-1-4】勝率28.6%、複勝率42.9%、3着以下【0-0-0-7】。今年だと6着ガロアクリークが出走予定。昨年のこのレース12着、ちょっと強気になれない。


過去10年エプソムC前走3勝クラス組距離別成績,ⒸSPAIA


重賞、オープン組に好走候補が少ないので、前走3勝クラス【0-0-2-7】複勝率22.2%もチェック。距離別成績を出すと、1600m【0-0-0-3】に対して1800m以上【0-0-2-4】。マイルの湘南Sを勝ったジャスティンカフェよりノースブリッジ、ヤマニンサンパが面白い。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


エプソムCインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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