今シーズンは大田泰示と藤田一也が一軍戦力に

昨シーズンの最下位から上位浮上を目指すDeNAは、昨シーズンオフにFA選手や大物外国人選手の獲得はなかった。だからといって動きがなかったわけではない。国内FA権を獲得したばかりだった宮崎敏郎と長期契約を結び、ソトやオースティンといった主力外国人選手との契約も更新している。さらには前所属球団を自由契約となった大田泰示と藤田一也のふたりも獲得した。いずれも実績のある選手だけに戦力としての期待は大きい。

大田や藤田のように自由契約を経てDeNAに入団した日本人選手は、加入後にどのような成績を残してきたのだろうか。親会社がDeNAになった2011年オフ(稼働は2012年)以降で振り返ってみたい。

今シーズンから加入した大田と藤田のふたりは一軍の戦力となっている。大田は代打での出場がメインだった4月序盤までは打率1割台と苦しんだ。しかし、スタメンでの起用機会の増えたそれ以降は調子を上げてきた。5月に入ってから故障による登録抹消期間もあったが、シーズン通算で打率.288(59打数17安打)、3本塁打、OPS.854とまずまずの数字を残している。

藤田は4月12日に一軍へ登録されると主に代打として起用され24試合に出場。トータルで打率.259(27打数7安打)、5打点の成績を残している。打点はすべて代打で挙げているが、代打での5打点はチームトップ。「ここぞ」での勝負強さは健在だ。

田中浩康、中井大介が結果を残す

その他、近年加わった野手では2017年の田中浩康(前ヤクルト)、2019年の中井大介(前巨人)らの名前が挙がってくる。

DeNAが獲得した主な自由契約の野手,ⒸSPAIA


田中は移籍初年度の2017年に開幕一軍から一度も登録抹消をされることなく66試合に出場した。そのなかで175打席に立ったが、これはヤクルト時代最後の3年(2014年から2016年)、いずれの年よりも上回っている。レギュラーではなかったものの、チームに欠かせない存在だった。現役引退後もコーチとしてチームに残り、今シーズンは内野守備走塁コーチを務めている。

トライアウトを経てDeNAへ加入した中井も巨人最終年だった2018年の70試合(97打席)から79試合(183打席)に出場試合数が増え、スタメン起用も17試合から39試合に倍増した。また2019年に3本塁打、2020年に2本塁打を放っているが、2年連続で複数本塁打を放ったのはキャリア初だった。DeNAでは3年在籍しているが、入団の経緯を考えるとまずまずの結果を残していたといえる。

武藤祐太、林昌範、菊地和正らが中継ぎで奮闘

投手陣では昨シーズンから宮國椋丞(前巨人)が加わった。宮國は3月に入ってからDeNAと育成契約。二軍で結果を残し8月に支配下登録を勝ち取った。初登板で古巣の巨人相手に5回2失点の好投で白星をあげるなど3試合に登板している。

今シーズンは中継ぎとして起用され、10試合で防御率7.90と苦しい成績。しかしセ・パ交流戦に入ってからは3試合(4.1回)無失点と好投が続いている。今後もこの調子を維持することができればブルペンにとって大きい。

DeNAが獲得した主な自由契約の投手,ⒸSPAIA


2018年に加わった武藤祐太(前中日)は、中日最終年度の2017年に一軍登板がなかった。しかし加入初年度から20試合に登板すると、翌2019年には31試合に登板し防御率3.32とまずまずの成績を残している。DeNAでは4年間で73試合(先発3試合)に登板し中継ぎを支えた。

DeNA元年の2012年には菊地和正と林昌範(ともに前日本ハム)が加入した。菊地はいきなりチーム最多の63試合に登板し防御率2.37と大車輪の活躍。翌年も24試合に登板している。

一方の林も加入初年度に32試合の登板で防御率1.91と結果を出す。2013年は14試合にとどまるも、2014年にはチーム2位の56試合に登板し防御率3.15の成績を残した。両投手ともDeNA初期の中継ぎ陣を力強く支えた。

このようにDeNAは自由契約となった選手を戦力とはしているものの、年間を通した先発ローテーションや勝ちパターン、野手でレギュラーとなった選手はひとりもいない。これから先、主戦力となるような“掘り出しモノ”を獲得することはできるだろうか。

※数字は2022年6月5日終了時点

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