駒大入学後1カ月で5000mのU20日本新

学生駅伝界期待のスーパールーキーが、日本選手権(6月9日開幕)デビューを果たす。駒大1年の佐藤圭汰が5000メートルに出場する。京都・洛南高時代に1500メートル、3000メートル、5000メートルの3種目で高校記録を樹立した逸材が優勝すれば、この種目では52年ぶりに大学生が日本選手権覇者になる。

184センチの大型ランナーが、入学からわずか1カ月で快挙を成し遂げた。藤色の駒大のユニホームに身を包み、丸刈りの高校時代と違って少し伸びた髪で挑んだ5月の大会の5000メートルで、U20(20歳未満)の日本記録となる13分22秒91をマークした。

高校時代から、関係者には「ものが違う」と評される「怪物」だった。高校3年時には3種目の高校記録更新に加え、インターハイの1500メートルで優勝。5000メートルでは4位だったが、日本選手としては最上位だった。

駅伝でも活躍し、全国高校駅伝の3区(8.1075キロ)では区間4位ながらも、日本選手としては歴代最高タイムをマークした。トラックでもロードでも力を発揮できるタイプである。

京都・洛南高で言えば、東京五輪3000メートル障害で7位入賞を果たした三浦龍司が順大に進んだように、洛南高のナンバーワン選手が駒大に進学というのはあまり聞いたことがなかった。そこには、現在の学生長距離界最速の田澤廉の存在があった。関係者によれば、田澤と練習し、力を伸ばしたかったのだという。

出場選手中5位の好タイムで格上に挑む

初めて挑む日本選手権では、5000メートルに出場する。自己記録は出場選手(オープン参加の外国人選手は除く)中、5番目の好タイム。自己ベストトップの遠藤日向(住友電工)とは12秒22の差はあるものの、レース展開次第では日本王者を狙える力もある。

日本選手権の長距離種目では黎明期こそ、学生が優勝することもあったが、近年ではなかなか難しい。5000メートルで大学生の優勝は、1970年の宮下敏夫(順大)が最後。佐藤が制すれば、半世紀を超えての快挙となる。

入学直後から、今年度の学生駅伝での活躍が期待されているが、1500メートルや5000メートルの記録を見れば分かるように、スピードはすでに大学生でもトップクラス。あとはどこまでスタミナをつけられるかだろう。高校駅伝の3区では、終盤がかなりつらそうだった。

学生3大駅伝で言えば、6区間45.1キロの出雲駅伝、8区間106.8キロの全日本大学駅伝に出場する可能性は十分にある。ただ、10区間217.1キロを走る箱根駅伝は未知数だ。

今後、1万メートル、ハーフマラソンと、どんどん距離を伸ばしていくだろう。だが、まずは今回の日本選手権で、高校時代とは違い、格上の選手にどれだけ戦えるのか。その逸材の走りに注目したい。

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