コース紹介

今週日曜、東京芝1800mを舞台にGⅢ・エプソムCが行われる。安田記念除外でここに駒を進めてきたジャスティンカフェ、1勝クラス→3勝クラス連勝と異例のローテで参戦するヤマニンサンパ、前年度覇者ザダル、同コースの府中牝馬Sを勝っているシャドウディーヴァなど12頭が集結。府中5週連続GⅠは終わりを告げたが、秋の大舞台へ向けて飛躍を誓う馬たちに注目したい。

当該コースの重賞は5レース。グレード順に「スーパーGⅡ」の呼び声高い毎日王冠、屈指の出世レース・GⅡ東京スポーツ杯2歳S、エリザベス女王杯の重要ステップであるGⅡ府中牝馬S、GⅢはエプソムCと共同通信杯が行われる。今週はこのコースの特徴をデータで分析していく(使用するデータは2017年6月11日〜2022年5月29日)。

続いてコース紹介。2コーナー奥のポケット地点をスタートし、向正面までゆるやかな下りを進み、ここで坂を上りきると再び3コーナー途中まで下り坂となる。スピードアップした各馬を待ち受けるのは525.9mの直線と高低差約2mの坂。ワンターンながら総合力が問われるコースだ。

おおむね中枠有利

東京芝1800m・過去5年の枠別成績,ⒸSPAIA


<東京芝1800m・過去5年の枠別成績>
1枠【24-27-23-298】勝率6.5%/連対率13.7%/複勝率19.9%
2枠【30-28-25-312】勝率7.6%/連対率14.7%/複勝率21.0%
3枠【37-32-36-308】勝率9.0%/連対率16.7%/複勝率25.4%
4枠【41-32-36-331】勝率9.3%/連対率16.6%/複勝率24.8%
5枠【29-44-37-353】勝率6.3%/連対率15.8%/複勝率23.8%
6枠【42-45-34-364】勝率8.7%/連対率17.9%/複勝率24.9%
7枠【36-37-46-413】勝率6.8%/連対率13.7%/複勝率22.4%
8枠【42-36-46-430】勝率7.6%/連対率14.1%/複勝率22.4%

枠別成績はおおむね中枠有利。単勝回収率が最も高いのは8枠の102%となっている。重賞では3・4枠が【7-7-8-48】複勝率31.4%と抜きん出ており、前走同距離組に限ると【5-2-3-16】複勝率38.5%、単勝回収率124%と信頼感が増す。

逆に評価を下げたいのは2枠、重賞では【0-4-2-26】と勝利がない。3番人気以内は【0-0-0-5】、距離延長組【0-1-0-10】などデータ上の落とし穴が多くあり、黒帽に該当馬が入れば消すのも手だろう。

東京芝1800m・過去5年の脚質別成績,ⒸSPAIA


<東京芝1800m・過去5年の脚質別成績>
逃げ【28-31-20-230】勝率9.1%/連対率19.1%/複勝率25.6%
先行【115-112-97-636】勝率12.0%/連対率23.6%/複勝率33.8%
差し【101-94-116-967】勝率7.9%/連対率15.3%/複勝率24.3%
追込【35-41-45-952】勝率3.3%/連対率7.1%/複勝率11.3%

脚質別成績では東京芝コースらしく、逃げ馬よりも先行馬が結果を残している。後方待機勢も悪くない数字。故大橋巨泉氏が残した「府中千八展開いらず」の格言を地で行くフェアなデータである。

しかし重賞では逃げ馬が【2-5-3-17】複勝率37.0%と最も良い。エプソムCでも過去5年で3頭が馬券圏内に入っており、特に一昨年のトーラスジェミニは18番人気で3着に粘り3連単400万円超えの高配当を演出した。近走着順が振るわない同馬だが、今年も人気薄濃厚とあって押さえておいたほうがよいだろう。

矛盾するようだが上がり3ハロン最速の馬が好成績を残しているのも特徴で、重賞に限ると【15-5-2-8】と半数が勝利。同じく重賞では、前走上がり2位以内に限れば単勝回収率が100%を超えるため、末脚自慢から単系馬券を仕込むのも手だ。

3年間勝利のない横山典弘騎手

東京芝1800m・過去5年の種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<東京芝1800m・過去5年の種牡馬別成績>
ディープインパクト【64-45-47-240】勝率16.2%/連対率27.5%/複勝率39.4%
ハーツクライ【26-25-23-146】勝率11.8%/連対率23.2%/複勝率33.6%
エピファネイア【5-4-5-58】勝率6.9%/連対率12.5%/複勝率19.4%

種牡馬別成績ではキレが生きるコースらしくディープインパクト産駒の独壇場。複勝率4割に迫る圧巻の成績で、重賞でも【7-7-8-51】と複勝率3割をキープ。中でも前走勝っている馬は2019年以降で【3-2-4-2】複勝率81.8%を記録しており、ヤマニンサンパに追い風が吹く。

ディープに迫っているのがハーツクライ産駒。回収率は単複ともに前者を上回っており、牝馬限定戦では単勝回収率174%と高いため覚えておきたい。重賞では【3-3-0-19】。中でも前走GⅠ組は【1-1-0-1】、コース巧者のシャドウディーヴァはマークしておきたい。

一方、微妙なのがエピファネイア産駒。2番人気以内では【4-2-2-3】複勝率72.7%も、3番人気以下では【1-2-3-55】複勝率9.8%と苦しくなる。ジャスティンカフェは前走からの距離延長が課題だが、該当馬は【2-2-0-13】複勝率23.5%、中でも前走マイル組は【2-0-0-12】。人気次第ではあるが、嫌う選択肢もあるだろう。

東京芝1800m・過去5年の騎手別成績,ⒸSPAIA


<東京芝1800m・過去5年の騎手別成績>
ルメール【45-35-23-57】勝率28.1%/連対率50.0%/複勝率64.4%
レーン【10-3-6-10】勝率34.5%/連対率44.8%/複勝率65.5%
川田将雅【6-6-7-24】勝率14.0%/連対率27.9%/複勝率44.2%
横山典弘【5-3-4-53】勝率7.7%/連対率12.3%/複勝率18.5%

騎手別成績ではルメール騎手が素晴らしい。昨年10月、インダストリアが出走した新馬戦から起算すると【9-13-6-6】複勝率82.4%、平均騎乗馬人気1.8にも関わらず複勝回収率は104%。ダーリントンホールは消しようがない。

前年覇者ザダルに騎乗するレーン騎手は初騎乗から5連続で着外。しかし巻き返してルメール騎手を上回る勝率、複勝率を記録している。全体の単勝回収率は112%で、2勝クラス以下なら【9-3-5-4】複勝率81.0%と安定。その他では川田騎手も貫禄の数字だ。

ジャスティンカフェに騎乗する横山典弘騎手は複勝率2割を下回っており、2019年2月を最後に勝利がない。この間3番人気以内の騎乗が19回あったことを鑑みれば高い評価は難しい。軸として絶対視するのは危険だ。

東京芝1800mコースデータバナー,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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