3カ月ぶりのリンク、スガシカオさんも「セッションのよう」と称賛

フィギュアスケート男子で2014年ソチ、2018年平昌両冬季五輪王者の羽生結弦(ANA)が約3カ月ぶりにリンクに戻ってきた。

5月27日、千葉市の幕張メッセで開幕したアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」に出演し、2月の北京冬季五輪以来初となる公の場で滑った。

羽生はオープニングで4回転トーループを鮮やかに成功させるなど、圧巻の技術と切れ味でファンを魅了。大トリも務め、シンガー・ソングライターのスガシカオさんが歌う「Real Face」の曲調に乗り、音楽と調和した感性あふれる動きで会場を沸かせた。演技直前にリンクの端に置いた紙コップを用い、頭から水を浴びる“演出”も織り交ぜて盛り上げた。

スガシカオさんも自身のツイッターで「スケーターの皆さんとひとつになった瞬間、あ、来たーーー!!ってわかるんだよねー そうゆう感じは、バンド演奏やセッションと一緒かも…」(原文ママ)と称賛。

公演を重ねるごとにそんな思いを強くしていったようで「世界のトップを走るスケーター達は、優れたミュージシャン以上の表現力と感性と音楽への理解力が備わっている。彼らは間違いなく超一流の表現者だ」「ショーは毎回がセッションのようで、スケーターと息を合わせ、気持ちを読み合い、何度も素晴らしい『合体』を体験できました!」などとコメントした。

4回転半ジャンプへの挑戦は「熱量の根源」

羽生は北京冬季五輪男子フリー「天と地と」の冒頭で夢だったクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦。世界で初めて挑戦を認定されたが、右足首捻挫の影響もあって4位にとどまった。3月の世界選手権(フランス・モンペリエ)は欠場していた。

それでもフィギュアへの情熱と向上心が衰えることはない。中継局のインタビューでは、4回転半ジャンプへの思いを問われ「自分がフィギュアスケートをやっている中での熱量の根源みたいなものなので、ずっと目指して行けたらいいなと思います」と心境を説明。

コンディションに関しては「右足首のけがは自分が思っているよりも大きくて、うまく練習できない日々もあったんですけど、だいぶ落ち着いてきましたし、まだ完治ではないですけどしっかりケアしながらつき合いながら、全力で演技できるところまで来ました」と回復途上であることを明かした。

その上で、アイスショーへの思いについて「ファンタジーは実際会場も熱いんですけど、皆さんの見てくださる熱気というか、そういうものを感じながら僕たちも滑っているので」と感謝の気持ちを表現した。

羽生結弦展も大盛況、ネイサン・チェンはエール大に復学

羽生の衣装や写真パネル約100点などが展示された「羽生結弦展2022」は東京・日本橋高島屋で5月9日まで行われ、連日の大盛況だった。今後も7月に名古屋、8月に大阪で順次開催されるが、その人気ぶりは海外にも波及しており、とどまるところがない。

一方、最大のライバルであるフィギュアスケート男子の北京冬季五輪金メダリスト、ネイサン・チェン(米国)が来シーズンの大会は欠場する意向を示した。米NBCスポーツのインタビューに応じ、出場の可能性を問われると「来季はないと思う」と語ったという。

チェンは競技を優先して名門エール大を休学していたが、今夏に復学する予定。卒業後の競技復帰については「分からない。既に成し遂げたことに非常に満足している」と述べるにとどめたが、羽生もチェンの去就は気になるところだろう。 羽生自身も今後の去就に関して「(大会かアイスショーか)フィールドを問わない」と話した以外は明言していないが、どんな未来図を描くのか。

アイスショー「ファンタジー・オン・アイス」は新型コロナウイルスの影響で中止が続き、今年が3年ぶりの開催。6月5日名古屋公演が終了し、6月17日から神戸公演、6月24日から静岡公演がスタートする。

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