コース紹介

今週は春のGⅠシリーズを締めくくる宝塚記念が行われる。大阪杯9着の雪辱を期す現役最強馬エフフォーリア、天皇賞(春)を圧巻の逃げで制したタイトルホルダー。他にも同2着ディープボンド、復帰戦のヴィクトリアマイルを叩いて本来の姿を取り戻したいデアリングタクト、ドバイターフを制した世界のパンサラッサなどが参戦。サマーグランプリにふさわしい好メンバーが出揃った。その舞台となる阪神芝2200mについて、データを用いて特徴を分析していく(使用するデータは2012年6月23日〜2022年4月30日)。

まずはコース紹介。阪神芝2200mは正面のポケット地点をスタートし、ゴール板前の高低差2m近い急坂を通過して1コーナーへ。長い平坦な道のりを進んで、内回り3コーナーへ進入する。最後の直線(Bコース時359.1m)半ばまではだらだらと下りが続き、ゴールまで200mの地点で2度目の急坂を駆け上がる。

当該コースの重賞はGⅠ宝塚記念のみ。今年度は京都競馬場改修の影響を受け、例年は京都芝2200mで施行されるGⅠエリザベス女王杯、GⅡ京都記念も行われる。

内枠有利も宝塚は例外

阪神芝2200m・過去10年の枠別成績,ⒸSPAIA


<阪神芝2200m・過去10年の枠別成績>
1枠【8-14-16-101】勝率5.8%/連対率15.8%/複勝率27.3%
2枠【17-12-13-103】勝率11.7%/連対率20.0%/複勝率29.0%
3枠【12-15-12-110】勝率8.1%/連対率18.1%/複勝率26.2%
4枠【14-11-8-124】勝率8.9%/連対率15.9%/複勝率21.0%
5枠【14-19-9-128】勝率8.2%/連対率19.4%/複勝率24.7%
6枠【13-12-19-139】勝率7.1%/連対率13.7%/複勝率24.0%
7枠【16-13-20-162】勝率7.6%/連対率13.7%/複勝率23.2%
8枠【16-14-13-175】勝率7.3%/連対率13.8%/複勝率19.7%

コーナーがタイトな内回りコースらしく、基本的に内枠有利。特に2枠は単勝回収率101%と大台超えを果たしている。1・2枠を引いた馬のうち、前走逃げ、先行だった馬は【16-10-12-54】複勝率41.3%、単勝回収率163%、複勝回収率106%と馬券的信頼度が高い。

しかし宝塚記念だけは様相が全く違う。8枠成績が過去10年で【7-0-2-13】単勝回収率288%とずば抜けて良い。変則日程の今年は梅雨で馬場が荒れ切っていない開催2週目での施行。傾向が変化する可能性はあるが、やはり桃帽は無条件で買っておきたい。

阪神芝2200m・過去10年の脚質別成績,ⒸSPAIA


<阪神芝2200m・過去10年の脚質別成績>
逃げ【15-15-10-73】勝率13.3%/連対率26.5%/複勝率35.4%
先行【49-42-42-247】勝率12.9%/連対率23.9%/複勝率35.0%
差し【34-37-36-352】勝率7.4%/連対率15.5%/複勝率23.3%
追込【7-13-20-357】勝率1.8%/連対率5.0%/複勝率10.1%

セオリー通り、逃げ、先行有利は揺るがない。前走4角4番手以内の馬を全て買うだけでも単勝回収率114%、複勝回収率98%と黒字域が狙える。迷ったら前につけられる馬を狙いたい。

しかしここでも宝塚記念は特異で、例外的に差しが決まっている。スイープトウショウが勝った2005年以降(阪神開催のみ)、上がり最速をマークした馬は【10-7-0-0】と全頭が連対している。上級クラスらしい淀みないペースと、コーナーで加速しやすい下り坂のコース形態などがあいまってこのような極端な数値が出ているのだろう。

勝利がないエピファネイア

阪神芝2200m・過去10年の種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<阪神芝2200m・過去10年の種牡馬別成績>
ディープインパクト【18-16-12-120】勝率10.8%/連対率20.5%/複勝率27.7%
キズナ【5-3-1-16】勝率20.0%/連対率32.0%/複勝率36.0%
エピファネイア【0-2-2-16】勝率0.0%/連対率10.0%/複勝率20.0%
ドゥラメンテ【2-1-1-2】勝率33.3%/連対率50.0%/複勝率66.7%

今年の宝塚記念に出走馬がいるなかでは、ディープインパクトが出走数にものを言わせて勝ち鞍を積み重ねている。過去10年の宝塚記念では8頭が馬券圏内に入り、そのうち6頭が前走上がり4位以下。キレで勝負というよりも長くいい脚を使うタイプが有力で、ポタジェはまさにおあつらえ向きだろう。

そのディープを父に持つキズナは輪をかけて相性がいい。昨年エリザベス女王杯での10番人気アカイイト、7番人気ステラリアのワンツーは記憶に新しいが、この勝利を除いても単勝回収率140%をキープ。ディープボンドが悲願のGⅠ制覇を果たすのは今回かもしれない。

一方、エフフォーリアとデアリングタクトが該当するエピファネイアは勝利がない。前述のエリザベス女王杯3着のクラヴェル、5着のイズジョーノキセキがいるため即消しとはいかないが、最後の買い目選択として頼るのはアリだろう。

タイトルホルダーを送るドゥラメンテは出走数自体が少ないものの、複勝率66.7%。ただし、重賞の出走例はない。

阪神芝2200m・過去10年の騎手別成績,ⒸSPAIA


<阪神芝2200m・過去10年の騎手別成績>
M.デムーロ【6-3-10-16】勝率17.1%/連対率25.7%/複勝率54.3%
武豊【13-9-5-28】勝率23.6%/連対率40.0%/複勝率49.1%
坂井瑠星【2-2-1-7】勝率16.7%/連対率33.3%/複勝率41.7%
横山武史【0-0-0-5】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

騎手別ではM.デムーロ騎手が最も安定している。過半数の騎乗馬を好走に導いている点は特筆に値する。GⅠでも【1-1-2-4】で単複回収率がともに110%超え。マイネルファンロンは成績にムラがあり人気薄必至だが、買い目に入れておくと面白いだろう。

レジェンド武豊騎手も素晴らしい数字。勝率、連対率はM.デムーロ騎手を上回り、継続騎乗なら【9-2-3-6】複勝率7割、単複回収率がともに200%を超えている。小倉コースの申し子かと思われていたアリーヴォだが、前走で阪神内回りへの適性も見せた。引き続きの好走に警戒が必要だ。

その他、騎乗数が少ないものの坂井瑠星騎手は複勝率4割超え。一方、横山武史騎手はまだ5戦しかしていないとはいえ、馬券圏内がないのが気がかり。またルメール騎手が【5-2-1-19】と複勝率3割を切っている珍しいコースでもあり、全幅の信頼を置けない。

阪神芝2200mコースデータ,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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