賞金王5度の片山晋呉

49歳の片山晋呉はツアー通算31勝を誇る永久シード保持者だ。賞金王は5度。2001年の全米プロで4位タイ、2009年のマスターズでは単独4位と、海外メジャーでの実績もある。

今季5月のミズノオープンでは最終日最終組で優勝を争った。現時点で賞金ランキングは18位。2017年のISPSハンダマッチプレー選手権以来ツアー優勝からは遠ざかっているものの、優勝できる力がまだあることを結果で証明している。

シニア入りを控えている片山晋呉がレギュラーツアーでシード選手(永久シード関係なしに)として第一線で活躍できる理由は、練習内容から垣間見ることができる。

練習器具の活用

「不器用」と自身を評する片山は練習に工夫を凝らす。その表れが練習器具だ。ツアー会場のドライビングレンジの片山の打席は、練習器具であふれている。練習のルーティーンが確立されており、キャディーなどのサポートスタッフが阿吽の呼吸で、練習器具を用意、設置している。

ゴルフ練習器具関連の情報を収集しながら、自分が使うべきものをピックアップするのだが、場合によっては自作もする。「こういうのがあったら良い」と思い浮かんだものが、出回っていない場合は自分で作ってしまうのだ。

徹底した小さいスイングの反復

片山は小さいスイングの練習を重要視する。ウェッジで20〜30ヤードの距離を打つ。通常グリップ、左手だけグリップして左腕1本、右手だけグリップして右腕1本、などいろいろな方法で短い距離を打つ。同じクラブで同じ距離を打つ練習をするにしても、色々なテーマを意識して、感覚を研ぎ澄ませながらスイングを整えている。

「1ヤードキャリーの中にゴルフスイングの要素が詰まっている」と述べていることからも、短い距離の練習を大切にしていることがわかる。

ウェッジ、短い距離、といったキーワードを挙げると、ショートアプローチの練習か、と思う人もいるかもしれないが、この練習の目的はアプローチスキルの向上ではない。もちろん、小さいスイングを多く練習すれば、ショートアプローチの精度も向上するだろうが、主たる目的はより良いスイング動作の習得だ。

ゴルフは、ドライバー、ミドルアイアン、ショートアプローチ、など様々なクラブで様々な距離や球筋を打つ。クラブやスイングの大きさなどによって、表面に表れる動きに差が出るが、体の使い方のベースは基本的には同じとなる。

体の使い方は同じでも、使う力の大きさ、クラブによって異なる体にかかる負荷、状況に応じたアドレスの変更、などによって結果的に表れる動きに違いが生じるのだ。

小さいスイングでポイントを絞ってより良い動きや、力を使う部位、力の使い方を見ていくことで、ドライバーショットなどの大きなスイングがより良いものになっていく。それを片山は実感してきているからこそ、地道に小さいスイングの反復練習を今もなお実行することができるのだ。

通常のショットをしない

小さいスイングと、何らかの練習器具を使った練習の割合が大きいということは、通常のショットの割合は小さいということ。実際のラウンドでするフルショットのリハーサル的な練習は多くない。特にシーズンオフの合宿期間中のショット練習では、片山は小さいスイングを徹底的に行うようだ。

一般ゴルファーも参考にすべき練習方法ではあるが、ツアー選手だからこそ、中長期的観点でスイング作りをとらえ、練習器具を使ったり小さいスイングを反復できる、という見方もできる。いくらスイングが良くなりやすいからといって、一般ゴルファーがいきなり片山のような練習メニューを消化するのは、現実的ではないかもしれない。

しかし、今の練習の仕方を少しずつ見直すことはできるのではないだろうか。少しずつドライバーショットの割合を減らしウェッジショットの割合を増やす、良さそうな練習器具があればまずは素振りの時だけ使ってみる、といった具合だ。

日本のレギュラーツアー優勝だけでなく、米シニアメジャー制覇も目標に掲げている片山。そんな上達する意欲に溢れた片山の練習方法に引き続き要注目だ。

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