最多安打4度のヒットメーカー

パドレス傘下3Aエルパソを自由契約となっていた秋山翔吾外野手(34)の広島入団が決まった。古巣の西武復帰を予想する声が多かったが、ソフトバンクも含めた3球団の争奪戦を広島が制した形。3年契約と報じられており、これから後半戦にかけて「秋山効果」による巻き返しが期待される。

秋山は横浜創学館高から八戸大を経て2010年ドラフト3位で西武入り。1年目から開幕スタメンに名を連ね、5年目の2015年には歴代最多の216安打をマーク。以降、2017、2018、2019年の計4度も最多安打に輝き、2017年には打率.322で首位打者のタイトルも獲得した。

2020年にFAでMLBレッズに移籍し、メジャーでは2シーズンで142試合出場。317打数71安打で打率.224と、日本の安打製造機としては不本意な成績に終わった。

過去を振り返ると、ほとんどの選手が日本で実績を残してメジャー挑戦したが、再び日本球界に復帰すると渡米以前と違う姿になっている場合がある。アメリカと日本の野球の違い、ケガ、加齢による衰えなど理由は様々あるだろうが、いずれにしても西武時代のイメージで期待しすぎるのは危険だ。

とはいえ、ヤクルトの青木宣親のように日本復帰後も長く活躍している選手もいる。秋山はエルパソで16試合に出場、打率.343を記録しており、状態面で不安はない。日本野球の感覚を取り戻せばスムーズに実力を発揮できる期待は持てるだろう。

谷佳知、井端弘和らは2000安打目前で引退

秋山はNPB通算1405安打。MLBの71安打と合わせて1476安打をマークしており、通算2000本まで524安打となっている。年間150本ペースでも4年かかり、今年4月に34歳となった年齢を考えると決して簡単ではないだろうが、現役として長く活躍できれば届く範囲だ。そういう意味ではアメリカに留まらず、日本復帰を即断したのは正解だったと言えるかも知れない。

名球会入りの条件である通算2000安打はプロ野球選手にとって大きな勲章だ。2000安打が達成されるたびに過去の達成者が紹介され、永遠に名前が残る。一方、その裏で惜しくも届かずにユニフォームを脱いだ選手も多くいることを忘れてはならない。

谷佳知はオリックス時代のペースなら2000安打確実と見られたが、巨人に移籍してから出場機会が減り、結局1928安打で引退した。井端弘和も荒木雅博と「アライバ」コンビを組んだ中日時代は安打を量産したが、巨人移籍後2年でユニフォームを脱ぎ、通算1912安打どまりだった。

ほかにも元ダイエーの松永浩美は1904安打、元阪神・真弓明信は1888安打、元オリックス・大村直之は1865安打、元巨人・村田修一は1865安打など、球史に残る強打者でも大記録目前で引退している。しかも、どちらかと言うと、移籍後に出場機会が減って届かなかった選手が多い。

ジャスト2000安打の元ロッテ・福浦和也、2012安打の元日本ハム・田中幸雄、2018安打の元巨人・柴田勲、2020安打の元広島・野村謙二郎、2045安打の元中日・荒木雅博らは生涯一球団で過ごしたフランチャイズプレイヤーだった。球団の功労者には記録達成を後押ししようという親心が働いても不思議ではない。逆に言うと、移籍組は結果を残さなければ切られるリスクが常につきまとうのだ。

秋山は広島で西武時代の輝きを取り戻せるか。マツダスタジアムで駆け回る姿をファンは待っている。

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