リリーフ陣の安定感に欠ける巨人

43勝42敗1分け(7月9日試合終了時点)でリーグ2位につける巨人。7月5日から始まった首位ヤクルトとの3連戦は2勝1敗で勝ち越したものの、12.5ゲーム差とその差は果てしない。

特に差を感じるのは、リリーフ陣の安定度。ヤクルトのリリーフ陣の防御率は2.49であるのに対し、巨人のリリーフ陣の防御率は4.01とかなりの差がある。先発の防御率はヤクルトが3.38、巨人が3.70とそれほど差がないだけに、リリーフ陣がどれだけ踏ん張れるかが、今後追い上げていく上での一つのポイントとなりそうだ。

徐々に安定感が戻ってきた高梨雄平

巨人のリリーフ陣でカギを握っているのが、変則左腕の高梨雄平だ。移籍2年目の昨季は55試合に登板し、ブルペンに欠かせない投手となったが、今季もここまで32試合に登板と存在感を示している。

圧巻だったのは6月の投球内容。8試合に登板し、防御率1.08。6月26日のヤクルト戦で失点するまで12試合連続無失点を続けていた。開幕当初の3月は防御率18.00と精彩を欠いていたが、4月は1.93、5月は2.84と本来の安定感を徐々に取り戻していただけに、6月以降の活躍は心強いかぎりだ。

外角低めを中心に丁寧な投球光る

高梨の投球の生命線は、投球割合が全体の43.4%を占めるスライダーだ。対左打者に対しては37.0%、対右打者に対しては50.8%も投じている。また、スライダーだけではなくシュートを投げるのも特長で、対左打者に対しては32.7%、対右打者に対しては28.2%と投球割合が多い。左右に揺さぶりつつ、時折直球を織り交ぜてバットの芯を外す投球が真骨頂だ。

ゾーン別データを見ると、対左打者に最も投げているのが外角低めの29.3%で、対右打者に最も投げているのも外角低めで27.1%。外角低めに徹底してボールを集めていることがわかる。また、対左打者でも対右打者でも、内角中程や内角低めに投じている割合が12〜14%と多く、その一方で真ん中(高め・中程・低め)の割合は2〜6%と軒並み低い。コーナーを丁寧についていることがわかり、高梨のコントロールの良さが証明されている。

課題は今季唯一の一発許したヤクルト

高梨は阪神戦を得意とする一方、ヤクルトに分が悪い。昨季は被打率.323(31打数10安打)と打ち込まれており、主軸の山田哲人(2打数2安打)、村上宗隆(4打数2安打)にも相性が悪い。今季は被打率.267(15打数4安打)とある程度抑えてはいるものの、中日戦(被打率.294)の次に打たれている。

今季唯一打たれた本塁打もヤクルト戦。遊撃で出場を続ける新鋭の長岡秀樹にプロ初本塁打を献上したもので、130kmのスライダーを右翼席に運ばれた。今後ヤクルトを追っていく上で、高梨がヤクルト戦でしっかり抑えてくれるかどうかもポイントになりそうだ。

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