2位より0.8秒も速い上がりタイム

函館記念当日の7月17日(日)、函館5Rに行われた芝1800mの新馬戦。朝から小雨が降り続き、お昼前にかけてやや激しさが増していくと、馬場状態が4R終了後に稍重から重へと一段階悪化。その中で11頭がデビューを迎えた。

現役時代にローズSを勝利したタッチングスピーチを母に持つ良血馬キングズレイン(美浦・手塚貴久厩舎)が1番人気。今年の千葉サラブレッドセールにて、最高額となる6,424万円(税込)で藤田晋氏が落札したヒラリ(栗東・武幸四郎厩舎)が2番人気で続いた。

そんな一戦を勝利したのはキミノナハマリア(栗東・千田輝彦厩舎)。2021年のセレクトセールにて1,320万円(税込)で落札されたハービンジャー産駒の牝馬だった。

レースはヒラリが逃げて、12.8-12.4-12.7-13.3-13.0、前半1000mの通過は1:04.2とスローペース。5番枠からスタートしたキミノナハマリアは馬群が一団となった好位集団やや後ろの、インコースから運んだ。

前の隊列は変わらず、1番人気キングズレインの鞍上・横山武史騎手は3角から外を回して徐々に進出を開始。前半は並んで追走していたキミノナハマリアもその直後についていく格好となるが、キングズレインとは対照的に、鮫島克駿騎手は4角でインコースをロスなく立ち回る選択をした。

直線に向いても粘るヒラリのさらに内に進路を取り、残り100mで強引にこじ開けると、最後は2馬身差をつけての勝利。勝ちタイムは1:54.2だった。

2着争いは際どくなったが、ヒラリがクビ差残して3着にキングズレインという結果に終わった。

前日の土曜日から雨の影響を受けていたものの、インコース有利の馬場状態が続いていた。十分な間隔がない最内を突いて過怠金10,000円の制裁対象となっており、褒められることではないものの、鮫島克駿騎手の騎乗、怯まなかったキミノナハマリアの根性と道悪適性、全てが噛み合った勝利だったと言える。

良馬場で時計が速くなった時にどうかなど未知な面が多いが、上がり2位のキングズレインよりも0.8秒も速い上がり36.5、ラスト12.6-12.5と加速ラップでまとめている点からも、タフな馬場で強さを発揮するタイプになっていきそうだ。

2022年7月17日の注目2歳馬キミノナハマリア,ⒸSPAIA



素質馬の半弟が登場予定

札幌開催もスタートする今週末だが、注目したいのは7月24日(日)の小倉5R、芝1800mの新馬戦に出走予定のディオファントス(栗東・斉藤崇史厩舎)。

現3歳の半兄リブーストは残念ながら戦線離脱してしまったが、新馬戦を勝利した後の紫菊賞では全く追われることなく持ったままで後続に0.6秒差をつける圧巻の走りを披露。春のクラシック候補としても名前が上がっていた逸材だ。

1週前の調教では栗東CWで3頭併せの真ん中に入り、6F82.3-66.0-51.5-36.7-11.6というタイムをマークするなどしっかりと乗り込まれている。調教映像からは口向きの悪さが見られる場面もあったが能力は高そうで、どのような走りを見せるのか楽しみにしたい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。



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