初代得点王はラモン・ディアス

1993年5月15日、旧国立競技場で行われたヴェルディ川崎対横浜マリノスの開幕戦から30年が経ったJリーグ。強烈なインパクトを放ったストライカーがいれば、スピードあふれる点取り屋もいた。これまでの歴代得点王を振り返ってみたい。

Jリーグ歴代得点王


1993年、初代得点王に輝いたのはラモン・ディアス(横浜マリノス)だった。アルゼンチン代表ではディエゴ・マラドーナともプレーしたFWで、1980年代はイタリア・セリエAでもプレー。33歳だった1993年に横浜Mに加入し、開幕戦で決勝ゴールを決めると、2試合連続ハットトリックをマークするなど32試合で28得点を挙げた。

2年目の1994年はフランク・オルデネビッツ(ジェフユナイテッド市原)が30ゴールで得点王。日本人で初めて得点王に輝いたのは1995年の福田正博(浦和レッズ)だった。三菱重工時代からレッズひと筋に活躍し、「ミスターレッズ」と呼ばれたストライカー。同年は50試合出場で32得点を挙げ、初タイトルを獲得した。

「キングカズ」と呼ばれ、Jリーグ創設からスター選手として活躍していた三浦知良(ヴェルディ川崎)が得点王に輝いたのは1996年。前年にセリエAのジェノアからV川崎に復帰し、96年は23得点を挙げる活躍を見せた。

1997年に日本サッカー界を震撼させたのが「浪速の黒豹」と恐れられたパトリック・エムボマ(ガンバ大阪)だ。身長185センチの大柄ながら素早い身のこなしとパワフルなシュート力でゴールを量産。28試合出場25得点の大活躍だった。カメルーン代表としてワールドカップにも出場している。

日本代表が初出場した1998年フランスワールドカップで、初ゴールを決めた中山雅史(ジュビロ磐田)は、同年のJリーグで得点王に輝いた。ギネスに認定された4試合連続ハットトリックなど記録的な大爆発を見せ、27試合で驚異の36得点。2年後の2000年にも20ゴールで得点王に輝いている。

大久保嘉人は3年連続得点王

韓国からも多くの選手が来日したが、唯一の得点王は黄善洪(セレッソ大阪)だ。1998年セカンドステージからC大阪に加入し、1999年は24得点をマークした。後に柏レイソルでもプレーし、2003年に引退している。

2000年代に日本代表で活躍した高原直泰(ジュビロ磐田)は2002年に得点王を獲得した。27試合で26得点と抜群の決定力を誇り、優勝に大きく貢献。MVPにも輝き、翌2003年からブンデスリーガのハンブルガーSVに移籍した。

その後、ウェズレイ(名古屋グランパスエイト)やエメルソン(浦和レッズ)ら外国人選手が得点王を独占する時期が続き、久々に日本人得点王が誕生したのが2009年だった。前田遼一(ジュビロ磐田)はPKなしで20ゴールを決め、初タイトルに輝いた。前田は翌2010年もジョシュア・ケネディ(名古屋グランパスエイト)とともに17ゴールで得点王を獲得している。

歴代2位のJ1通算161得点を挙げた佐藤寿人(サンフレッチェ広島)は、2012年に22ゴールで得点王に輝いた。現日本代表監督の森保一監督の下でリーグ初制覇し、佐藤はMVP、ベストイレブン、フェアプレー賞も受賞した。

2013年から3年連続得点王に輝いたのが大久保嘉人(川崎フロンターレ)。2013年は26得点、2014年は18得点、2015年は23得点を挙げた。J1通算191得点は歴代最多となっている。

2023年は大迫勇也とアンデルソン・ロペス

2016年はレアンドロ(ヴィッセル神戸)とピーター・ウタカ(サンフレッチェ広島)が19ゴールで得点王を分け合った。2017年は中村憲剛からキャプテンを受け継いだ小林悠(川崎フロンターレ)が23ゴールで得点王。リーグ初優勝に大きく貢献し、MVP、ベストイレブンにも選ばれた。

2018年はジョー(名古屋グランパス)が24ゴールで得点王に輝き、2019年は仲川輝人とマルコス・ジュニオールの横浜F・マリノス勢が15ゴールで分け合った。同一クラブから2人の得点王が出たのは史上初だった。

2020年はケニア出身のオルンガ(柏レイソル)が得点王に輝いた。前年に1試合8得点の最多記録を樹立したストライカーは、2020年7月18日の湘南戦から7試合連続ゴールをマークするなど32試合出場で28得点。アフリカ選手として初めてMVPにも輝いた。

2021年はレアンドロ・ダミアン(川崎フロンターレ)と前田大然(横浜F・マリノス)が23ゴールで得点王を分け合った。2022年はトップを走っていた上田綺世(鹿島アントラーズ)がシーズン途中でベルギーに移籍したこともあり、チアゴ・サンタナ(清水エスパルス)が14ゴールで得点王に輝いた。

2023年は初優勝したヴィッセル神戸の大迫勇也と横浜F・マリノスのアンデルソン・ロペスが22ゴールで得点王。優勝に大きく貢献した大迫はMVPとベストイレブンにも輝き、最高のシーズンとなった。

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