ピン位置次第で難易度上がるグリーンサイドバンカー

グリーンの端にピンが切られている場合、ピンを狙わずにグリーンセンターを狙うのがスコアメイクの上ではベターだろう。なぜなら左右どちらに方向がずれてもグリーンしやすく、次の1打が難しくなりにくいからだ。

対して、ピンを狙ってグリーン端とピンまでが短いショートサイドに外すと、次のショットが難しくなってしまう。バンカーがあるとさらに厄介だ。ショートサイドにアゴの高いバンカーがあり、そこに入れてしまった場合、寄せワンの確率は下がる。

ツアー選手の20ヤード以内におけるバンカーショットの寄せワン率は50〜55%。だが、“アゴが高くてピンが近い”という状況が加わると、寄せワンの確率は50%を切ることが想定される。

ツアー選手の寄せワンの確率とホールアウトまでの平均打数,ⒸSPAIA


高く上げてスピンを効かせる

ショートサイドのアゴが高いバンカーにつかまってしまったら、そのバンカーからどのように打てば良いのだろうか。

アゴが高いバンカーから近いピンに寄せるには、ボールをふわりと高く上げて止める必要があるだろう。高く上げるにはフェースを開いて構えることになる。フェースは開くほどロフト角が大きくなる(フェースが上を向く)ため、ボールが上がりやすくなるからだ。

ただし、フェースを開くほどヒールが浮くため、“手元を下げてヒールを下げる”必要が出てくる。手元を下げるということは腰を落とすことになるため、バランスよくスイングするには下半身のねばりが必要だ。

また、インパクトではヘッドが砂に深く入り過ぎないように注意したい。ヘッドが砂に深く入りすぎると、飛距離が出ないからだ。最悪の場合アゴを越えることができず、バンカーから脱出することもできなくなってしまう。

同じ距離のバンカーショットでも、普通より上げて止めるバンカーショットの場合はスイングを大きくする必要がある。上げるほどボールは飛ばなくなるため、スイングを大きくするのだ。

要はロブショットと同じこと。芝からでもフェースを開くほど飛ばなくなる。練習場でフェースの開く度合いを変えて打つ練習をすることは、ロブショットに限らず、“上げなければいけないバンカーショット”の練習にもなるのだ。

西村優菜のウィニングショット

7月7日から10日に開催されたニッポンハムレディスクラシックでは、西村優菜がツアー初優勝を狙った野澤真央とデッドヒートを繰り広げた末、今季2勝目を挙げた。結果、賞金ランキング、メルセデスランキングともに3位に浮上した。

ニッポンハムレディスのウィニングショットとなったのが、最終18番ホールのバンカーショット。ピンはグリーン右端に切っており、右手前のバンカーには入れてはいけなかったが、西村は2打目をそのバンカーに入れてしまった。

ピンまでの距離は約10ヤード。そこから真上を向くぐらいフェースを開き、大きいスイングで放たれたショットは奇麗にフワリと上がり、ピンに寄った。

西村のサンドセーブ率は14位。平均パット数が1位(パーオンホール:1位、1ラウンド当たり:4位)であることをふまえると、バンカーショット単体の質は高くない。プレッシャーがかかる状況下で起死回生のショットが打てたのは、これまでの優勝争い経験を活かせたからだろう。

ハイリスクなショット

フェースを大きく開くバンカーショットは距離感を合わせるのが難しく、大きなリスクを伴う。インパクトが少しでもブレてしまうと、大ショートやホームランになってしまうからだ。

グリーンセンターを狙うマネージメントがベターとは知りつつも、“ピンまで残り100ヤードほどで絶好のポジション”や“このホールがバーディーであればベストスコア”といった状況になるとピンを狙うだろう。

ショートサイドのバンカーショットの技術は、こういう場合に役立つ。バンカーに入ってしまった時のリカバリーだけでなく、「入ったことに対応できる」という気持ちの余裕があればプレッシャーを軽減でき、ミスの確率も下げることができるのだ。

練習場ではフェースを開いて使うロブショットの練習も取り入れたい。それはバンカーショットのスキルアップにも役立つはずだ。

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