人気、年齢不問のサマー2000シリーズ最終戦

夏競馬フィナーレは今年も越後名物・新潟記念。サマー2000シリーズチャンピオン決定戦は、七夕賞を勝ったエヒトなどシリーズ好走馬に、3歳馬フェーングロッテンなど多彩な組み合わせ。昨年は外ラチ沿いを12番人気マイネルファンロンが一気に伸びて波乱を演出した。開催最終週の新潟芝、その馬場読みも重要な一戦だ。データは過去10年間のものを使用する。


過去10年新潟記念人気別成績,ⒸSPAIA


夏を締めくくる一戦もまたハンデ戦。それは夏競馬の難易度をあげる要素のひとつだ。ここも例年混戦模様で、1番人気は【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%。10回中6回は馬券圏外。19年から3年間10、10、13着と見せ場もない。2番人気【3-0-1-6】勝率30.0%、複勝率40.0%、3番人気【0-2-1-7】複勝率30.0%と総じて上位人気は不安定。6番人気【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%は1番人気と同成績。人気はアテにならない。


過去10年新潟記念年齢別成績,ⒸSPAIA


フェーングロッテンの3歳は【1-0-0-7】勝率、複勝率12.5%。勝ったのは18年ブラストワンピース。ここを勝つようなら秋は大きいところも期待できる。主力は4歳【2-3-3-23】勝率6.5%、複勝率25.8%、5歳【3-4-4-38】勝率6.1%、複勝率22.4%だが、6歳【2-3-1-40】勝率4.3%、複勝率13.0%、7歳以上【2-0-2-31】勝率5.7%、複勝率11.4%とベテランも侮れず、年齢で評価を分けるのは危険だ。


ハンデ戦からハンデ戦、カギは斤量が握る!

新潟記念も人気や年齢を予想ファクターに使いづらく、ほかの夏重賞と同じく難易度が高い。ここからは前走成績とともにサマーシリーズを振り返りつつ、好走候補をしぼってみたい。


過去10年新潟記念前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まずは前走クラス別成績から。前走GⅠ【2-1-0-15】勝率11.1%、複勝率16.7%。内訳は上記ブラストワンピースの日本ダービー【1-0-0-4】、天皇賞(春)【1-0-0-2】(19年ユーキャンスマイル1着)。前走6着以下だと【0-1-0-14】。前走天皇賞(春)13着から出走するユーキャンスマイルに3年前の再現を期待するのは酷か。


過去10年新潟記念前走GⅢ組レース別成績,ⒸSPAIA


好走馬の大半を占めるのは、サマーシリーズが含まれる前走GⅢ【7-7-7-78】勝率7.1%、複勝率21.2%。今年もエヒトやサンレイポケットなど該当馬が多く、とにかく絞れない。


過去10年新潟記念前走サマー2000シリーズ着順別成績,ⒸSPAIA


そこで前走サマー2000シリーズ【6-6-5-44】勝率9.8%、複勝率27.9%に絞ろう。具体的には前走小倉記念、函館記念、七夕賞だ。それぞれの着順別の傾向には大差がないので、ざっくりまとめてみた。前走1着【2-2-0-5】勝率22.2%、複勝率44.4%、2着【2-0-1-5】勝率25.0%、複勝率37.5%と前走連対馬が好成績。一方で3、4着は【0-0-0-12】。サマーシリーズ惜敗馬は最終戦で狙いたくなるところだが、手出し厳禁だ。穴なら5着【0-0-1-4】複勝率20.0%以下がよく、6〜9着【1-3-3-10】勝率5.9%、複勝率41.2%、10着以下【1-1-0-8】勝率10.0%、複勝率20.0%となっている。

今年の七夕賞では1、2着のエヒト、ヒートオンビート、15着レッドジェネシスは好走データに一致する。函館記念では5着サンレイポケットが狙い目だが、同3着スカーフェイスはデータ上危険だ。なお小倉記念は、疾病で出走取消したプリマヴィスタを除いて、今年エントリーしていない。

七夕賞は前後半1000m58.5-59.3と平均的な流れになり、後半800m11.9-11.9-11.6-11.8。極端な加速力は問われなかったものの、持久力は必要だった。まくって勝ったエヒト、直線で差を詰めてきたヒートオンビート。新潟替わりで期待したいのはいかにも不器用な競馬だったヒートオンビートではないか。さらに神戸新聞杯2着以降大敗続きのレッドジェネシスも要注意。右回り【2-0-2-5】に対し左回り【1-1-0-2】のサウスポーで、左回り出走は神戸新聞杯以来。直線の長い新潟はいかにも合いそうなタイプで一変まで期待したい。

函館記念は開催最終週、非常にタフな雨の重馬場で行われ、2.03.6。前後半1000m1.00.1-1.03.5と相当厳しいレースだった。3着スカーフェイスより、3〜4コーナーで強気に動いたサンレイポケットを評価したい。こちらも左回りで4勝をあげており、新潟も複勝率100%の得意舞台だ。


過去10年新潟記念前走サマー2000シリーズ斤量別成績,ⒸSPAIA


ハンデ戦からハンデ戦へということで、斤量の増減について。前走サマー2000シリーズで斤量増減なし【3-4-4-37】勝率6.3%、複勝率22.9%、斤量増【3-2-1-6】勝率25.0%、複勝率50.0%。前走内容を踏まえ、ハンデキャッパーが据え置きにした馬より斤量を増やしてきた馬を狙いたい。

となると七夕賞を54キロで勝ったエヒトは確実に斤量が増えるので◯。57キロだったヒートオンビートは相手次第だが、ハンデ戦は昨年目黒記念55キロ2着、今年は中山金杯56キロ3着、七夕賞57キロ2着と好走ごとに増加している。七夕賞2着で据え置きはないかもしれない。データでは0.5キロ増えてもむしろ問題ない。反対に56.5キロで大敗したレッドジェネシスは難しい。こちらも実績馬との兼ね合いだが、これで斤量が増えるとは考えにくい。函館記念組では57.5キロだったサンレイポケットも微妙。これ以上増える可能性は低いのではないか。

最後にフェーングロッテンが該当するラジオNIKKEI賞組は86年以降【0-0-0-5】。勝ち馬の新潟記念挑戦は88年タカラフラッシュしかおらず、同馬は8着。例が少なく、これだけをもっての軽視は禁物。福島芝1800mから新潟芝2000mへの条件替わりが合うか合わないか、そこを判断材料にしたい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


新潟記念インフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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