悲願の優勝を目指す琉球、ガードの穴埋めが急務か

Bリーグの2022-23シーズンは9月29日、名古屋ダイヤモンドドルフィンズvsシーホース三河の一戦で幕を開ける。

昨シーズンは琉球ゴールデンキングスがファイナルに進出し、東地区以外のクラブでは初めてのファイナリストとなった。ここ数年セミファイナルの壁を超えられなかったものの、同じく西地区の島根スサノオマジックに連勝し貴重な経験を得た。

琉球の特徴といえば、組織力の高さである。とりわけディフェンスは前任の藤田弘輝氏(現仙台89ERSヘッドコーチ)から引き継がれているもので、桶谷大ヘッドコーチがさらに手を加えて昨シーズンはリーグ3位の73失点を記録。さらには年々オフェンスの課題も克服しており、高さはないものの機動力とフィジカルの強さを併せ持つ#7アレン・ダーラムがフィット。日本人選手の高確率な3Pシュートもあってリーグ3位の84.4得点となり、シーズン成績も49勝7敗で勝率1位を記録した。

今シーズン目指すのはもちろんリーグ制覇である。ドウェイン・エバンスが広島ドラゴンフライズに移籍したものの、ミドルレンジを主戦場とする#1ジョシュ・ダンカンで穴埋めが可能。それよりも並里成(群馬クレインサンダーズに移籍)を失ったのは痛手で、現戦力であれば#14岸本隆一や#34小野寺祥太、さらには#4コー・フリッピンでカバーすることになる。だが、いずれも並里のような求心力はなく、補強もなかったことから課題が残る。

しかしガード以外のポジションには穴が少なく、今村と#15松脇圭志のシューターコンビや#45ジャック・クーリーのリバウンドなど多彩な武器を誇っている。ガードの層の薄さを現戦力のステップアップと新たな補強で克服できれば、優勝は自ずと近付いてくるだろう。

混沌とする2位争い、候補4クラブの今オフの補強状況は?

今シーズンも各地区上位2位クラブとワイルドカード上位2位クラブの計8クラブがチャンピオンシップ(CS)に出場できるが、他地区の戦力状況を考えればワイルドカードでの出場は非常に困難だ。そのため西地区2位を目指し、各クラブがしのぎを削る。

昨シーズン初めてCSに進み、さらにはセミファイナルも経験した島根スサノオマジック。三遠ネオフェニックスに移籍した金丸晃輔を除けば、日本人と外国籍選手ともに主力がそのまま残った。#2ペリン・ビュフォード、#3安藤誓哉の1対1を起点とする攻撃を武器に、オフェンスレーティングは112.8でリーグ2位と高い得点力を誇る。そんなオフェンスに目が行きがちだが、全選手の意識が高いディフェンスも持ち味だ。

しかし島根の最大の弱点は選手層の薄さ。特に日本人選手で実績があるのは安藤と#15白濱僚祐で、新加入の#26津山尚大、#55谷口大智も他クラブではロールプレイヤーの1人に過ぎなかった。ケガ人の発生を考えても日本人全選手の成長が上位進出には不可欠だ。

そんな島根とともに2位争いをするのは名古屋ダイモンドドルフィンズになりそうだ。3Pシュート成功率で1位となった狩野祐介が滋賀レイクスに移籍したものの、元々ウイングの層は厚いため、そこまで大きな放出ではないだろう。

今シーズンも#2齋藤拓実、#3伊藤達哉のリーグ屈指の司令塔を軸にアップテンポなバスケットが展開される。日本代表で自信を付けた#11須田侑太郎、岡山学芸館高校を卒業してその後NBAでもプレーした#5モリス・ンドゥールにも注目したい。

そしてここに割って入ってきそうなのが、#7テーブス海を獲得した滋賀、琉球からエバンスが加わった広島だ。滋賀はメンバーが入れ替わり、6名が新加入の選手。滋賀復帰となる狩野、いまだポテンシャルを秘めている#9杉浦佑成がウイングに厚みを加え、今夏に代表を経験したデーブスを軸にチーム作りを進める。宇都宮では控えガードだったテーブスの能力の高さは折り紙付きで、滋賀でその才能が開花することを期待したい。

#0寺嶋良、#3辻直人など昨シーズンの大型補強に続き、広島は今シーズンも動いた。昨シーズンはオフェンスでは脅威になったものの、ディフェンスで踏ん張りきれず勝率が何とか5割を超える数字と期待通りの成績ではなかった。そこに琉球のエースだったエバンス、フィリピン期待のビッグマン#19ジャスティン・バルタザールと契約。B1昇格に貢献した選手たちを放出し、CS出場に向けて新たなフェーズを迎えている。

戦力アップできなかったクラブにも2位のチャンス

2位以下は団子状態が予想される西地区は、下位クラブも最後までチャンスがある。

勝率6割超えの一昨シーズンから一転、#14橋本拓哉の故障やチームの噛み合わせが悪く、昨シーズンは下位に沈んだ大阪エヴェッサ。再起を期すシーズン、長年課題になっている司令塔として#35鈴木達也を迎えたものの、補強に出遅れた感は否めない。しかし、今シーズンは橋本が復帰予定で、鳴り物入りで加入した#15竹内譲次も昨シーズン後半は復調の兆しを見せており、各選手の底上げでCS出場を見据える。

昨シーズン、B2で無類の強さを誇ったファイティングイーグルス名古屋は初のB1に挑む。帰化選手#3ルーク・エヴァンスがいることで#0アンドリュー・ランダル、#22ジェレミー・ジョーンズの両外国籍選手が縦横無尽に動けることが強みだ。

さらに経験豊富な司令塔#11石川海斗が攻撃をまとめ、タイプの違う#21笹山貴哉も持ち味を発揮する。こうした機動力は武器になるが、B1の強力なセンターに対抗できる選手が少なく、インサイドへの対策が課題になりそうだ。

京都ハンナリーズは毎年大きく選手が入れ替わっており、今オフもB1としては最多の8選手が新たに加わる。若手が多く、外国籍選手も未知数なことから、今シーズンも苦しい戦いになりそう。若手の成長を促し、何とか実りのあるシーズンにしたいところだ。

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