継続騎乗の有力馬が勝つのが基本

今年の北海道開催最後の重賞となる札幌2歳S。昨年は後の皐月賞馬ジオグリフ、一昨年は桜花賞勝ちを含めここまでGⅠ・3勝のソダシが勝利しており、クラシックへの登竜門として価値が高いレースだ。

このレースはデビューからしっかり継続騎乗している騎手のほうが好成績を残している。以降で使用するデータは直近10年、函館開催を除く札幌で開催された計9回のものとする。

直近10年札幌開催時の札幌2歳S、乗り替わり有無別成績,ⒸSPAIA


<札幌2歳S 乗り替わり有無別成績>
継続騎乗【9-7-6-56】勝率11.5%/連対率20.5%/複勝率28.2%
乗り替わり【0-2-3-35】勝率0.0%/連対率5.0%/複勝率12.5%
※直近10年、函館開催除く9回

札幌2歳Sの勝ち馬はすべて前走から継続騎乗しており、乗り替わった場合と比べて優劣がはっきりしている。

ちなみに乗り替わりで馬券圏内だった5例のうち2例は、前走を短期免許で来日していた騎手が騎乗し、札幌2歳S時には乗り替わりが必須だった。

2017年2着のファストアプローチは、3週限定で来日していた香港のカリス・ティータン騎手が騎乗して未勝利戦を勝利した後、蛯名正義騎手に乗り替わった。

2018年3着のクラージュゲリエは、短期免許で来日していたジョアン・モレイラ騎手で新馬を勝ち、M.デムーロ騎手へ乗り替わった。ちなみにその後、京都2歳Sで再びモレイラ騎手が騎乗し勝利している。

基本的にデビューから札幌2歳Sを狙う場合、乗り替わりはあまり好材料ではない。

ただ、今年は例外として考えねばならない騎手が一人いる。それはC.ルメール騎手だ。今年は6月27日から8月8日まで3年ぶりにフランスに帰国、13日からJRAでの騎乗を再開した。つまり、札幌2歳Sに出走する馬に乗り替わりで騎乗するのは不自然ではない。

そんなルメール騎手の騎乗予定はジョウショーホープ。新馬を勝った後、ダリア賞6着、クローバー賞3着という成績を聞くと、そんなに狙えそうな感じはしない。しかし、取り上げる理由が2つある。

複勝圏内なら悪くない「複数戦キャリア」と「控え経験」

1つ目は複数戦キャリアがある馬のほうが複勝圏内に入る確率が高いということだ。

直近10年札幌開催時の札幌2歳S、キャリア別成績,ⒸSPAIA


<札幌2歳S キャリア別成績>
キャリア1戦 勝率9.4%/連対率15.6%/複勝率25.0%/単勝回収率47%/複勝回収率77%
キャリア2戦 勝率7.1%/連対率10.7%/複勝率10.7%/単勝回収率205%/複勝回収率37%
キャリア3戦以上 勝率3.8%/連対率19.2%/複勝率30.8%/単勝回収率37%/複勝回収率116%
※直近10年、函館開催除く9回

キャリア1戦馬の複勝率が25.0%なのに対し、キャリア3戦以上の馬は複勝率30.8%と若干良くなっている。大きな差ではないが、複勝回収率が77%から116%と上昇しているように、札幌2歳Sで勝つ馬は「新馬からの連勝」という傾向が重視されすぎる。その結果、2着や3着でいい複勝や3連複も1戦1勝馬にオッズがひっぱられ、複数戦キャリアのオッズが美味しくなるのだ。

2つ目は逃げずに控えた馬の成績のほうがよいということだ。

直近10年札幌開催時の札幌2歳S、前走脚質別成績,ⒸSPAIA


<札幌2歳S 前走脚質別成績>
逃げ 勝率3.7%/連対率11.1%/複勝率18.5%/単勝回収率21%/複勝回収率77%
先行 勝率11.5%/連対率21.3%/複勝率29.5%/単勝回収率133%/複勝回収率94%
差し 勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率5.6%/単勝回収率0%/複勝回収率15%
追込 勝率16.7%/連対率16.7%/複勝率33.3%/単勝回収率185%/複勝回収率98%
マクリ 勝率0.0%/連対率16.7%/複勝率16.7%/単勝回収率0%/複勝回収率48%
※直近10年、函館開催除く9回

前走の脚質別成績を見ても、逃げた馬よりも先行した馬の方が好走率が高い。過去レースを見ても2歳で長めの1800m戦であるにもかかわらずスローペースになりにくく、前後半ほぼ変わらずの平均ペース。直近4年に関してはむしろハイペース寄りであり、逃げ経験しかない馬が脚を残せないケースのほうが多い。

ジョウショーホープは3戦とも先行策。前走のクローバー賞は2列目最内で運び、直線では前が壁になり、残り100mでようやく外に持ち出しての3着だった。我慢しつづけても最後に脚を使うレースができており、抜け出すタイミングが合えば前走以上の結果を残してもおかしくない。

繰り返すがルメール騎手が騎乗する。単で狙えるかはともかく、ワイドや3連複に組み入れて高配当を期待したい。

札幌2歳Sの前走脚質別成績,ⒸSPAIA


<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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