3歳牝馬戦線に中山のGⅠがないからこそ

秋華賞トライアルとなる紫苑Sは、オークスに出走していた馬と、夏に力をつけて挑戦してくる馬との比較となる。対戦していない馬にどう優劣をつけるかが非常に厄介な重賞だ。そこでどうやって狙う馬を絞り込むか。鍵となるのは「中山開催」である点だ。

ご存知のとおり、3歳牡馬戦線ならばクラシック一冠目が中山の皐月賞であるが、3歳牝馬戦線は一冠目が阪神の桜花賞、二冠目が東京のオークス。中山のGⅠがない。そのため案外中山を走ったことがない馬がいたりする。

紫苑S 過去6年3着以上馬の過去実績,ⒸSPAIA


2016年に重賞となってから6年間の紫苑Sで馬券圏内となった18頭のうち、中山での出走経験がなかったのは2021年3着ミスフィガロ、2019年1着パッシングスルーと2着フェアリーポルカ、2018年2着マウレアと3着ランドネの5頭。逆に、出走経験があった13頭が過去に中山で走った際の成績は【13-5-3-5】、勝率は50.0%、複勝率は80.8%を誇っている。

さらにこのうち、中山で連対実績がなかったのは2016年2着馬ヴィブロスのみで、それも重賞のフラワーCで12着というもの。残りの12頭は1回以上中山での連対実績があった。

紫苑S 過去6年1着馬の過去実績,ⒸSPAIA


中山未出走だった2019年パッシングスルー以外の勝ち馬5頭に至っては、過去に中山で【4-1-1-0】と馬券圏外がなく、ほぼ完璧な「中山実績」を持っていた。3歳牝馬戦線において中山が異質であるからこそ、中山実績が貴重である、ということがうかがえる。

中山で馬券圏外なしの5頭を中心に

中山実績を重視するならば、「中山で出走経験があり4着以下なし」に該当する馬を狙うこととなる。登録馬ではサークルオブライフ、サウンドビバーチェ、サンカルパ、スタニングローズ、ライラックの5頭。ほとんどがオークス組で、今回の上位人気どころが揃ってしまった。結論としては「今年はあまり荒れなさそう」ということになるのだが、配当の期待をするならば、このなかで唯一の上がり馬サンカルパだろう。

体質的にどうしても間隔を空けないと調整が難しい馬のようで出世が遅れてしまっているが、うまく調整できていれば好走できる条件に入っている。当日気配を見て、ではあるが要注意だろう。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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