3年ぶりの開催となった富士はトヨタが1-2で完全優勝

2022年9月11日、WEC(世界耐久選手権)第5戦富士6時間レースが静岡県にある富士スピードウェイで行われた。同選手権はコロナの影響で実に3年ぶりの開催となり、週末を通して多くのファンがサーキットに押し寄せた。

前日に行われた予選ではトヨタ7号車が見事ポールポジションを獲得。僅差でトヨタ8号車が2位、トヨタとチャンピオン争いを繰り広げる36号車アルピーヌが3位に入った。今季第4戦から参戦したプジョーは93号車が4位、94号車が5位につけた。

決勝当日は快晴で、気温は27度、路面温度は43度というコンディションの中レースはスタート。64周目にトップへ浮上したトヨタ8号車が最後まで快調に走行を重ね、2位のトヨタ7号車に1分8秒もの大差をつけてトップでチェッカーフラッグを受けた。

8号車の最終スティントを担当した平川亮にとっては今季2勝目。走り慣れた富士で見事凱旋レースを制した。3位にはアルピーヌ36号車が入り、これでシリーズランキングで8号車と36号車が同ポイントで並び、チャンピオン争いは最終戦に持ち越されることになった。

7号車と8号車の勝敗を分けた要因

今回の富士でのレースは、赤旗はもちろんSCやVSCが一度も出ない非常にクリーンなレースだった。ならばこの状況下において、優勝した8号車と2位の7号車の68秒という大きなギャップが生じた要因はなんだったのだろうか。

トヨタ勢は2台ともトラブルに見舞われなかったが、7号車をドライブした小林可夢偉をはじめとする3人のドライバーによると、ブレーキのスタビリティ(安定性)がいまひとつだったという。一方、8号車は金曜日の段階から決勝日の気温上昇を見越したセットアップに変更していたのだ。

元々ブレーキに難のあるマシンだというGR010ハイブリッドだが、8号車は決勝日が週末を通して最も気温と路面温度が高くなることを見越して、その気象条件に合ったマシンに合わせ込めたことが今回の優勝、そして7号車との大きな差を生んだ要因だった。

またこのカテゴリーでは初めての凱旋レースとなる平川の力走も忘れてはならない。今季8号車のドライバーに選出された平川は、経験が少ない中でも初戦となるセブリングで表彰台を獲得し、大一番とも言える第3戦ル・マンでは見事デビューイヤーで総合優勝という偉業を成し遂げた。

ルーキーにとって大きなプレッシャーを跳ね除け、見事結果で示してきた平川だが、走り慣れた富士でのレースは勝って当たり前というまた違ったプレッシャーがあったという。その中でも平川は慣れ親しんだサーキットとはいえ、GR010ハイブリッドではじめて走る富士の攻略法を事前に研究していた。まさにドライバーとチームが最善を尽くした結果である。

チャンピオン争いは最終戦で決着

今回の優勝によりランキングトップの36号車アルピーヌにポイントで並んだ8号車。これによりバーレーンで行われる最終戦は前でゴールした方がチャンピオンという単純明快な対決構図となった。

ランキング3位のトヨタ7号車にもわずかだがチャンピオンの権利が残っているが、8号車のチャンピオン獲得のためにトヨタチームが一丸となって最終戦に望むはずだ。この富士ではミスもトラブルも出さなかったトヨタからはチームとしての強さが感じられた。

最終戦に向けては、ノートラブルだった富士ラウンドは1-2フィニッシュよりも価値のある収穫だったことだろう。速さと強さを兼ね備えたトヨタGAZOOレーシングは、バーレーンでも君が代を流してくれるに違いない。

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