コース紹介

今週は中山芝1200mを舞台に、GⅠスプリンターズSが行われる。秋GⅠシーズンの号砲を鳴らす電撃の6ハロン戦。前哨戦のセントウルSを圧勝し、悲願のGⅠタイトルを狙う個性派メイケイエールを筆頭に、3歳の快速スプリンターナムラクレア、現役トップレベルのマイラーながらこのレースを始動戦に選んだシュネルマイスター、スプリントGⅠ春秋連覇を狙うナランフレグなど、最速を決める戦いにふさわしいスピード自慢が出揃った。

中山芝1200mが舞台の重賞は今週行われる短距離王決定戦・スプリンターズSと、高松宮記念の重要な前哨戦として位置付けられるGⅢオーシャンSの2レース。今週は同コースの特徴をデータで分析していく(使用するデータは中山競馬場で路盤改修が行われた後の2014年12月6日以降)。

まずはコース紹介。外回りコース、2コーナー奥の下り坂をスタート。しばらくの間、下り坂が続くため序盤が速い展開になりやすいことが特徴だ。最後には中山名物の高低差2m超えの急坂が待ち受け、厳しいペースで削られたスタミナの限界を試される。タフさ・スピードの両方を兼ね備えた実力馬が栄冠を手にする、スプリントGⅠの舞台としてふさわしいコースといえる。

重賞で連対がない3枠

中山芝1200m・枠別成績,ⒸSPAIA


<中山芝1200m・枠別成績>
1枠【31-43-30-372】勝率6.5%/連対率15.5%/複勝率21.8%
2枠【28-36-37-401】勝率5.6%/連対率12.7%/複勝率20.1%
3枠【29-36-41-414】勝率5.6%/連対率12.5%/複勝率20.4%
4枠【39-34-40-423】勝率7.3%/連対率13.6%/複勝率21.1%
5枠【36-35-35-443】勝率6.6%/連対率12.9%/複勝率19.3%
6枠【52-32-37-433】勝率9.4%/連対率15.2%/複勝率21.8%
7枠【35-35-36-456】勝率6.2%/連対率12.5%/複勝率18.9%
8枠【34-34-28-469】勝率6.0%/連対率12.0%/複勝率17.0%
※路盤改修の2014年12月以降

枠別成績ではほぼ横一線も、勝率・複勝率が最も高いのは6枠。10%に迫る勝率は目を見張るものがある。好走率がやや落ちているのは7枠・8枠で、複勝率が2割を下回っている。

重賞15レースでは1枠【2-3-4-20】複勝率31.0%が最も走っている。スプリンターズSでも2018年13番人気3着ラインスピリット、2021年10番人気3着シヴァージなど人気薄の激走が少なくない。逆に厳しいのは8枠【0-1-2-27】で、外々を回るロスがトップレベルのレースで大きく響いているようだ。その他3枠【0-0-3-27】に連対がない点を覚えておきたい。

中山芝1200m・脚質別成績,ⒸSPAIA


<中山芝1200m・脚質別成績>
逃げ【48-42-23-171】勝率16.9%/連対率31.7%/複勝率39.8%
先行【123-129-111-688】勝率11.7%/連対率24.0%/複勝率34.5%
差し【87-78-111-1280】勝率5.6%/連対率10.6%/複勝率17.7%
追込【26-35-39-1270】勝率1.9%/連対率4.5%/複勝率7.3%
※路盤改修の2014年12月以降

脚質別成績ではセオリー通り前が有利。コース形態もあいまって後方一気は決まりにくく、先手を取った馬たちがスピードで押し切る展開が多い。特に条件戦の予想で重視しておきたいポイントだ。

重賞では過半数の9勝を差し・追込が挙げており、キレ味の重要性が相対的に上がっているものの、逃げ【1-4-3-7】複勝率53.3%は見逃せない。今年のスプリンターズSでもハナ候補が人気薄となりそうだが、買い目に絡めて高配当を狙いたいところ。

父タートルボウルの2頭に注目

中山芝1200m・種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<中山芝1200m・種牡馬別成績>
ミッキーアイル【0-2-0-14】勝率0.0%/連対率12.5%/複勝率12.5%
タートルボウル【1-1-1-9】勝率8.3%/連対率16.7%/複勝率25.0%
ゴールドアリュール【1-1-0-13】勝率6.7%/連対率13.3%/複勝率13.3%
※路盤改修の2014年12月以降

スプリンターズSで人気を集めそうな馬たちの種牡馬別成績を確認すると、1・2番人気となりそうなメイケイエール・ナムラクレアの父ミッキーアイルに勝利がないデータが目につく。ほとんどが新馬・未勝利ではあるものの、波乱を期待したい穴党には追い風になりそうだ。

重賞で善戦が続くタイセイビジョン、前哨戦のキーンランドCを制したヴェントヴォーチェの父タートルボウルはまずまずの成績。2頭は今年4月の春雷Sでワンツーを決め、特にヴェントヴォーチェは素晴らしい内容での勝利。連対圏突入まで見ておきたいところ。

ナランフレグの父ゴールドアリュールは微妙な数字だが、もともとがダート種牡馬から出た異才とあって情状酌量の余地がある。その他シュネルマイスターが該当するKingmanは【0-1-1-5】、ウインマーベルが該当するアイルハヴアナザーは【0-3-1-24】。

中山芝1200m・騎手別成績,ⒸSPAIA


<中山芝1200m・騎手別成績>
横山武史【8-6-7-38】勝率13.6%/連対率23.7%/複勝率35.6%
浜中俊【1-0-0-14】勝率6.7%/連対率6.7%/複勝率6.7%
池添謙一【1-0-0-16】勝率5.9%/連対率5.9%/複勝率5.9%
※路盤改修の2014年12月以降

凱旋門賞ウィークとあってリーディング上位のジョッキーがフランスに渡航している状況下、騎乗のある騎手で好成績を残しているのは横山武史騎手。複勝回収率92%は及第点といえる数字で、前走から距離短縮となる馬に騎乗する際は同151%まで向上する。

このデータよりも衝撃的なのは上位人気2頭になりそうな馬たちの鞍上、池添謙一騎手・浜中俊騎手の不振ぶり。ともに関西を拠点にするジョッキーという事情はあるものの、池添騎手は5番人気以内で【0-0-0-5】、浜中騎手も同様に【1-0-0-5】と微妙な数字。共倒れでの波乱まであるかもしれない。

中山芝1200mデータ,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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