54、55キロに好走ゾーンあり

秋の福島開催2週目、この開催唯一の重賞が福島記念。正面スタンドの向こうにある信夫山、向正面は阿武隈川の先に見える山々。その鮮やかな色づきが旅情をそそる秋の名物重賞だ。番組としてはエリザベス女王杯の裏番組であり、ハンデ戦でもあるので、ついつい高配当を期待したくなってしまうが、実は冷静で堅実な手が必要だったりもする。データは過去10年間を使用する。

人気別成績,ⒸSPAIA


まずは気になる人気別成績から。1番人気【2-3-3-2】勝率20.0%、複勝率80.0%、2番人気【4-1-2-3】勝率40.0%、複勝率70.0%と堅実。上位人気をエリザベス女王杯よりむしろ買うべきレースだ。勝ち馬は7番人気以内で大波乱はなし。複勝率も同じく7番人気以内を示しており、大穴を狙うと的中から遠ざかってしまう点には注意だ。

年齢別成績,ⒸSPAIA


3歳は【2-1-1-7】勝率18.2%、複勝率36.4%と好成績。菊花賞に向かわず、天皇賞(秋)でもない、来年に向けて賞金加算を目論む若駒はむしろ狙い。古馬は4歳【3-3-3-14】勝率13.0%、複勝率39.1%を中心に5歳【3-3-1-36】勝率7.0%、複勝率16.3%、6歳【2-2-3-33】勝率5.0%、複勝率17.5%を加えよう。

斤量別成績,ⒸSPAIA


ハンデ戦なので、斤量の傾向も確認する。古馬の基準になる57キロは【1-0-2-14】勝率5.9%、複勝率17.6%と高くはないが、57.5キロ以上は【1-3-2-5】勝率9.1%、複勝率54.5%と一段あがる。重賞実績十分な馬はむしろ信頼したい。

それ以外の好走ゾーンは54キロ【3-2-1-17】勝率13.0%、複勝率26.1%、55キロ【3-4-2-30】勝率7.7%、複勝率23.1%が狙い目。54キロは3歳【2-0-0-3】、4歳【1-0-1-2】、55キロは3歳【0-1-0-0】、4歳【1-2-1-7】、5歳【2-1-0-5】など年齢によってツボがある。機械的にここから選んでもよさそうだ。

上位人気安定、3、4歳中心、ハンデ54、55キロにツボあり。これら傾向の次は3歳と古馬にわけて前走成績を検討していく。

古馬はユニコーンライオンとゴールドスミスのハンデに注目

まず3歳オニャンコポンについて。馬名人気もあわせ、上位人気必至の存在だけに傾向から積極的に買いたいところ。

京成杯勝ちからハンデがどうなるか注目だが、その前走セントライト記念は【0-1-0-1】。2頭とも16年で、ゼーヴィントがセントライト記念2着から2着に、プロフェットはセントライト記念9着から8着だった。重賞Vがあり、55キロだったゼーヴィントが好走。オニャンコポンはセントライト記念こそ7着だが、実績はゼーヴィントに近い。

4歳以上・前走クラス別成績,ⒸSPAIA


古馬の前走クラス別成績は前走GⅡ【2-4-5-25】勝率5.6%、複勝率30.6%からとりあげる。アラタの札幌記念は【0-2-1-3】複勝率50.0%。掲示板以内の出走がなく、すべて6着以下。斤量は定量の札幌記念より増えると【0-1-0-0】、減ると【0-1-1-2】。2キロ以上減は【0-1-1-0】。アラタは同じハンデ戦の函館記念56キロなので、2キロ減は考えにくい。

展開のカギを握るユニコーンライオンの京都大賞典は【1-1-0-5】勝率14.3%、複勝率28.6%。こちらも全馬6着以下で今回斤量減は【1-1-0-2】。さらに1〜1.5キロ減だと【1-1-0-0】。ユニコーンライオンは前走別定56キロ。鳴尾記念勝ち、宝塚記念2着は長期休養前のことで復帰後は16、12、13着と振るわない。ここをどうハンデキャッパーが考えるか。

次にそこまで目立たない前走GⅢ【1-1-1-40】勝率2.3%、複勝率7.0%。フォワードアゲンの新潟記念は【0-0-1-7】複勝率12.5%。ハンデ戦からハンデ戦ということもあり、該当全馬増減なし。53キロで4着だったフォワードアゲンは増える可能性もある。

次にオープン・Lから。昨年のパンサラッサと同じ前走オクトーバーSは【2-1-1-13】勝率11.8%、複勝率23.5%。こちらは4着以内【2-1-1-2】、5着以下【0-0-0-11】。今年は勝ったゴールドスミスがクリア。オクトーバーSは12〜16年までハンデ戦だったので注意は必要だが、オクトーバーSより増減なし【1-0-0-0】、1〜1.5キロ減【1-1-0-5】、2キロ以上減【0-0-0-8】。ゴールドスミスは新潟記念53キロ、オクトーバーS56キロ。相手関係次第だが、3勝クラス勝ちは今年の阿武隈S(福島芝1800m)で、8歳でも今が旬。少し減るのは歓迎だが、増減なしでも面白い。

コスモカレンドゥラのケフェウスS【0-0-1-0】。21年アラタがケフェウスS1着、福島記念3着。ハンデ戦だったケフェウスSから2キロ増で好走した。コスモカレンドゥラはアラタと同じく54キロでV。重賞で斤量増だからと軽視したくない。


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』(星海社新書)に寄稿。

2022年福島記念に関するデータ,ⒸSPAIA


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