昨年は大波乱、今年も混戦模様のメンバー

11月13日(日)にエリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m)が阪神競馬場で行われる。昨年は外差しが決まる展開と馬場を利して10番人気アカイイトが勝利し、2、3着馬も7番人気ステラリア、9番人気クラヴェルという大荒れのレースとなった。

今年は2020年の三冠牝馬デアリングタクト、秋華賞勝ち馬スタニングローズ、オールカマー勝ち馬ジェラルディーナ、愛オークス勝ち馬マジカルラグーンなど注目馬が揃った。このレースが行われる阪神芝2200mのデータに注目して予想を行っていく。


上がりが重要な阪神芝2200m

2017年以降同条件上がり3ハロン順位別成績,ⒸSPAIA


まず阪神芝2200mの上がり3ハロン順位別成績を調べる(2017年以降・3勝クラス以上・古馬混合戦)。

上がり1位だった馬は【8-6-1-2】で勝率47.1%、連対率82.4%、複勝率88.2%とかなりの好成績。馬券外になったのは2022年京都記念の4着馬ジェラルディーナと、2020年尼崎Sの4着馬ローズテソーロ。前者は開幕週と前半1000m61.7秒のスローペース、かつ馬場も渋っていての前残り、後者も前半1000m62.3秒とスローペースだった。基本的には、上がり最速を使っても届かないというレースにはなっていない。上がり2位【5-3-5-6】、3位【2-3-5-6】も複勝率は60%を超えており、メンバー中で上位の上がりを使えそうな馬に注意したいコースになっている。

一方で上がり4位以下の馬は【1-4-5-140】となっている。唯一の勝利は先述した2022年京都記念のアフリカンゴールドで、馬券圏内に入ったのも開幕週やスローペースのレースが多い。先行馬が速い上がりを使わずに好走するのは難しいコースだ。

ではこのような傾向を踏まえて、今回どの馬が速い上がりを使えるか考察していく。今回はローザノワールが逃げの手を打つことを宣言しているが、初めての2200mであることや元々はスロー寄りで逃げるタイプであること、阪神の芝も現状は時計が出ていることを踏まえれば、消耗戦になるとは考えにくい。ロザムールやシャムロックヒルがハイペースを作った2021年エリザベス女王杯や、パンサラッサが逃げた2022年宝塚記念のように36秒前後の上がりで勝負がつくレースにはならないだろう。

ただ、京都芝2200mに比べればタフなコースであることに加えて、レース当日は雨が降りそうなこともあり、33秒台の上がり勝負とも考えにくい。タフなコース・馬場の、それなりに流れた展開の中で、35秒前後の上がりで突き抜けられそうな馬を探したい。また、先週の段階では阪神の芝は内有利であり、今週も週中は目立った降雨などの事情がないことからも、昨年のような外差し馬場にはなっておらず、内外フラットな馬場と予想する。


タフなレースへの適性は十分

◎イズジョーノキセキ
前走は条件がかなり向いた中での勝利ではあったが、この馬の持つ能力を発揮できたいいレース内容で、加齢による衰えは感じさせないものであった。昨年のこのレースも少し厳しいペースで、また道中の不利もありながら2着とは差のない5着。タフなレースへの適性はかなりのものがある。先述のように、今年は昨年ほどタフな展開にはならなそうなので、東京コースで勝利したスピードと昨年のレースでも好走したスタミナというこの馬の能力が最大限発揮できる条件になる。枠順も極端な所ではなく、内有利なトラックバイアスになっても対応できそうだ。ルメール騎手の手綱さばきも合わされば、メンバー中で上位の上がりを使うことも十分可能だろう

◯ジェラルディーナ
前走は内前有利なトラックバイアスを最大限利用した勝ち方ではあったが、先行しながら、内を通って差してくるロバートソンキーと同じ上がりを使えたことは高評価。本質的には一瞬のキレというよりは長くいい脚を使うタイプなので、比較的消耗戦寄りのレースになるのはプラスだろう。以前と比べて気性が安定してきて、前のポジションを取れるようになり、なおかつ末脚を維持できている点には成長を感じる。ただ、2200mはこの馬にとってはギリギリの距離なので、ロスの多い大外枠に入った点だけはマイナス。

▲ルビーカサブランカ
小回り1800mでペースが流れるとかなり忙しそうなレースになるが、それでも毎回いい脚で追い込んでくるなど、末脚には魅力がある馬。前走は完全に内有利な中で外から差して4着と、内容的に評価できる負け方。この馬もキレる脚はなく、今回のようなタフなレースの方が向くタイプ。

△ナミュール
能力はある。状態面と小回り適性は懸念点。

×デアリングタクト
現状、タフなレースの方が合うのは間違いない。

×ウインマリリン
レーン騎手騎乗で馬が変わる可能性はある。

買い目は◎から印をつけた馬への馬連で勝負する。

▽エリザベス女王杯予想印▽
◎イズジョーノキセキ
◯ジェラルディーナ
▲ルビーカサブランカ
△ナミュール
×デアリングタクト
×ウインマリリン

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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