椋木蓮は快投見せるも来季は育成再契約へ

2022年のプロ野球界は、ロッテの松川虎生が高卒捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶり、巨人の大勢が新人最多タイの37セーブを挙げるなど、ルーキーの活躍が目立つ1年となった。

そこで球団ごとに一軍で活躍したルーキーの通信簿を作成してみた。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目を5段階で評価している。

今回はリーグ連覇を果たし、26年ぶりの日本一を達成したオリックスを見ていこう。

オリックスのルーキー通信簿インフォグラフィック


まずは投手。オリックスではドラフト1位の椋木蓮(東北福祉大)と7位の小木田敦也(TDK)の両右腕が一軍デビューを飾った。

椋木は春季キャンプ中に故障した影響もあり、7日7日にようやく1軍デビュー。プロ初登板で6回無失点の好投を見せ、初先発初勝利を挙げた。次戦では9回2死までノーヒットノーランの快投で2勝目を飾ったが、9月8日の西武戦で右肘の違和感を訴え、緊急降板。9月末にトミー・ジョン手術を受けたことが発表された。来季は育成再契約となる見込みだ。

小木田は中継ぎとして開幕一軍入りを果たすも、前半戦は新型コロナウイルスに感染したこともあり、一、二軍を行き来する日々が続いた。しかし、9月以降は一軍に定着。最終的に16試合に登板して5ホールド、防御率3.14の成績を残した。

投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。

椋木はK%が30.4と一軍平均を大きく上回る奪三振能力を見せ評価は「5」。直球の平均球速は146.2キロで球威の評価は「4」となった。BB%は11.6と制球力にやや課題があるが、FIPは1.86と優秀で総合評価は「5」となった。

4試合のみの登板のため、あくまで参考程度ではあるが、エース級の投球内容を見せていたことがわかる。来季はその投球を見ることができないのは残念だが、リハビリを乗り越えてさらに成長した姿が見られることを期待したい。

小木田は平均球速147.5キロと中継ぎとしてはやや速い程度のため評価は「3」、BB%は9.5、K%も20.6といずれも平均的な数値で、総合評価は「3」となった。シーズン終盤にブルペンの一角を任されるも、日本シリーズでは登板機会がなかった。来季は開幕からフル稼働して、ブルペン内での序列を上げたいところだ。

6位の横山楓(セガサミー)は即戦力として期待も一軍での登板はなし。二軍では25試合に登板して0勝2敗、防御率2.36の成績だった。

野手4人全員プロ初安打記録

野手では2位の野口智哉(関西大)、4位の渡部遼人(慶応大)が1年目から一軍の戦力となった。

野口は本職の遊撃のほか、二塁や外野にも挑戦し、出場機会を得て54試合に出場。シーズン終盤、9月22日のロッテ戦でプロ初本塁打も放った。最終的に、打率.226、1本塁打、6打点の成績で、1年目から一軍で優勝に貢献するなど貴重な経験を積んだ。

渡部は開幕一軍入りを果たし、主に代走、守備固めとして活躍した。ただ、打撃では苦しみプロ初安打は記録したものの、19打席でヒットはその1本のみ。16試合に出場して打率.059の成績に終わった。

野手の各項目は、パワーがリーグの平均ISO(=長打率−打率:長打力を示す指標)、選球眼は同BB/K(四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定した。

野口はISOが.058でパワー評価は「2」、BB/Kは0.16で選球眼は「1」、spdは1.89で走力評価も「2」と、一軍の舞台では打撃、走塁ともに苦しんだ。この経験を糧に、来季はレギュラー陣を脅かすような結果を残したいところだ。

渡部もパワー、選球眼ともに最低評価の「1」と打撃で苦しんだが、走力は「3」と得意の走塁ではしっかりと持ち味を発揮していた。来季は打撃を鍛えて、センターのレギュラー獲りに挑戦したい。

3位の福永奨(国学院大)は経験が必要な捕手ということもあり、5試合の出場のみだったが、プロ初安打を記録。5位の池田陵真(大阪桐蔭高)は高卒ながら一軍で6試合にスタメン出場し、プロ初安打を含む3安打を放っている。

2022年ドラフトでは、白鴎大の曽谷龍平投手、日本航空石川高の内藤鵬内野手を上位で指名するなど、育成含めて10選手を指名したオリックス。リーグ3連覇、そして日本シリーズ連覇を目指す来季も若手の底上げが不可欠だ。今季同様、即戦力となる選手の登場に期待がかかる。

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