ハイレベルな一戦に

11月20日(日)に阪神競馬場でマイルCS(GⅠ)が行われる。昨年のマイルCS、今年の安田記念がともに2着のシュネルマイスターや、毎日王冠で復活を果たしたサリオス、白毛で人気のソダシや、NHKマイルCの覇者ダノンスコーピオンなど17頭が勢揃いした。新興勢力も多く混戦気味だが、上位人気の馬は古馬GⅠで勝ち負けを繰り返した馬ばかり。ハイレベルな一戦が期待できそうだ。


前走富士S、毎日王冠、スプリンターズS組が横並びで好走率高め

過去10年マイルCS前走レース別成績,ⒸSPAIA


まず過去10年の前走レース別成績を調べる。今年はほとんどの馬が前哨戦を使っており、前走富士S【2-3-2-43】、毎日王冠【2-1-2-19】、スプリンターズS【2-0-0-6】。出走頭数が多い富士Sは複勝率こそ14.0%と低めだが、好走頭数の面では毎日王冠と同様に重要度の高い一戦となっている。もう1つの前哨戦スワンSは【0-4-2-33】と勝ちがなく、馬券になった6頭は全て前走でも3着以内に入っていた。スワンSで能力上位を示していないとここでは厳しい。バッサリ切れる馬が何頭か出てきた。


歴戦の猛者サリオス、この馬に勝つことが前提

過去10年マイルCS前走レース別成績,ⒸSPAIA


しかし、「スワンS組以外の前哨戦組が有利」だけでは上位人気の馬をほとんど選別できていない。そこで今回は過去2年当レースを走っているサリオスを基準に、この馬に勝てる馬を探すことで馬券の点数を絞りたい。

サリオスは今年の安田記念で、かつてのダービー時と同じ馬体重に戻して3着。レース自体がハイレベルだった毎日王冠は直線詰まって追い遅れながらも最後の伸びでレコード勝ち。完全復活したと言い切れる走りをしている。マイル適性はさておき、能力が高いためどのような展開にも対応出来るが、仕上げが悪いと全く伸びず、馬の調子が結果に直結するタイプとなっている。今回は陣営からも激走の反動を示唆するようなコメントが出ていて、前走以上は望めない可能性が高い。サリオス同様レコードに対応でき、33秒台の末脚がある馬であれば十分倒せるはずだ。

シュネルマイスターは抜群の切れ味を武器にグランアレグリアに肉薄した馬。上がり勝負は昨年のマイルCSや毎日王冠で適性を証明している。そしてサリオスとGⅠで3戦して先着を許していない。スプリンターズSを叩いた上積みがあれば能力は軽く上回る。

ソダシは阪神マイルのレコードホルダー。桜花賞、ヴィクトリアマイルは先行して上がり33秒台でまとめた優秀な内容だ。近走は長めの距離を使っており、苦手条件から得意距離に戻るのもプラス。人気馬の中で唯一マイルで先行出来る点が強みで、逃げ馬を行かせて2、3番手の競馬が出来ればこちらもサリオスに負けることはないだろう。明確にサリオスより能力上位と断言できるこの2頭から馬券を組み立てたい。


オークス以来の本命、かかって自滅しないように

◎ソダシ
GⅠ・3勝を含めて芝マイルは4戦負けなし。前走は1800mが自身の距離適性から外れていたことが敗因で悲観する必要はない。気性の問題はあるが、真面目に先行出来れば結果は当然付いてくる。逃げ馬が少ない今回の相手であれば、先行出来るというだけで展開面の有利も大きいだろう。前走府中牝馬Sからの連対例はないのだが、過去同レースから参戦した馬はいずれも人気薄であったことを考えると、上位人気が濃厚なソダシに関しては大きな心配は要らない。

◯シュネルマイスター
安田記念は昨年のマイルCSと比較してプラス10kgと太い状態で出走したが2着善戦。スプリンターズSは適性がなく、大敗も全く気にする必要はない。叩いた上積みは大きく、絞れたら勿論勝ち負け。ただソダシほど阪神への適性を見せておらず、印の差は付く。

▲ウインカーネリアン
関屋記念は2番手から32.9の脚を使ってレースを支配し危なげなく勝利、ダノンザキッド(3着)と同等かそれ以上の能力を見せた。そのダノンザキッドが毎日王冠3着となりレースレベルの保証もできた。ソダシと併走出来れば展開的な恩恵もあって好走可能だ。当馬を知り尽くした三浦皇成騎手とのコンビで期待したいが、関屋記念からの好走例がなく、サリオス相手には(2年前とはいえ)差をつけられるなど、如何せんデータの後押しがない。

△ジャスティンカフェ
毎日王冠は後方から差して2着。末脚だけなら最上級で、サリオスの状態次第では逆転もあり得る。ただし1着となると前が総崩れにならないと厳しく、紐まで。

×サリオス
前走が丸2年ぶりの勝利。東京、中距離の方が良さそうでマイルはどうか。ムーア騎手の腕で強引に上位に突っ込む可能性はあるため紐には入れる。

×ソウルラッシュ
富士Sを差して2着。前走は斤量不利もあったため着順を気にする必要はない。叩いた上積みあればここでも。

消セリフォス
前走は春以来の実戦で、本番でもなく賞金の心配もないのに全力で走ってしまった印象。2、3着馬相手に斤量有利があったにもかかわらず差すのに手こずって、馬体重の面でも成長は感じない。古馬GⅠでは苦戦中の中内田厩舎、上積みは少なく上位人気がさらに強くなるここでは厳しい。

馬券は◎◯▲を1、2着、印6頭を3着に据えた三連単フォーメーション24点と、人気薄ウインカーネリアンの単勝で勝負する。(文:福山)

マイルCS 予想印
◎ソダシ
◯シュネルマイスター
▲ウインカーネリアン
△ジャスティンカフェ
×サリオス
×ソウルラッシュ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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