指名した全投手が一軍デビュー

2022年のプロ野球界は、ロッテの松川虎生が高卒捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶり、巨人の大勢が新人最多タイの37セーブを挙げるなど、ルーキーの活躍が目立つ1年となった。

そこで球団ごとに一軍で活躍したルーキーの通信簿を作成してみた。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目を5段階で評価している。

今回は見事にセ・リーグ連覇を果たすも、球団初の連続日本一は惜しくも逃したヤクルトを見ていこう。

ヤクルトのルーキー通信簿インフォグラフィック


投手では、ドラフト1位の山下輝(法政大)が一軍で戦力となった。山下は昨秋に左尺骨を疲労骨折した影響で、6月末にようやく二軍で初の実戦登板。そして、シーズン終盤の9月22日にプロ初登板初先発を果たした。2度目の登板で7.2回を無失点に抑えプロ初勝利もマーク。最終成績は2試合に登板して12.1回、1勝1敗、防御率1.46で、来季へ期待の持てるピッチングを見せた。

投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。

山下は直球の平均球速が141.8キロと先発左腕としても速くはなかったが、BB%は9.3と制球力は安定していた。一方、K%は5.6と一軍平均を大きく下回り奪三振の評価は「1」となったが、FIPは3.81と平均的で総合評価は「3」となった。今季はうまく打たせて取る投球ができていたようだ。来季は開幕からの先発ローテーション入りが期待される。

投手では3位の柴田大地(日本通運)と5位の竹山日向(享栄高)も一軍デビューを飾り、昨年指名した全投手が一軍の舞台を経験した。

柴田は一軍では1試合のみの登板で1回5失点(自責は1)。二軍では29試合に登板して防御率4.70という成績だった。一方の竹山も一軍では1登板のみで、1回を投げ無安打無失点1奪三振。二軍では5試合に登板して防御率5.40だった。

丸山和郁は主に代走、守備固めでチームに貢献

野手ではドラフト2位の丸山和郁(明治大)が一軍の戦力となった。開幕一軍入りを果たすと主に守備固めや代走として71試合に出場し、打率.233、1本塁打、9打点、2盗塁をマーク。リーグ優勝を決めた9月25日の試合では新人初となるサヨナラ打を放ち、ペナント制覇の立役者にもなった。

野手の各項目は、パワーがリーグの平均ISO(=長打率−打率:長打力を示す指標)、選球眼は同BB/K(四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定した。

丸山は97打席に立ち21安打を記録。そのうち長打は二塁打4本、本塁打1本のみだったため、パワーの評価は「2」となった。BB/Kは0.04だったため選球眼の評価は「1」だったが、spdは4.4と一定の走力は見せ走力評価は「3」となった。来季レギュラーを獲るためには、今季の起用法を鑑みても打力の向上が不可欠だろう。

4位の小森航大郎(宇部工高)は高卒ということもあり一軍出場はなし。二軍では22試合に出場して打率.200、0本塁打、1打点の成績だった。

2022年ドラフトでは、東芝の吉村貢司郎、京都外大西高の西村瑠伊斗を上位指名するなど、育成含めて6選手を獲得したヤクルト。リーグ連覇を成し遂げた現有戦力に刺激を与え、来季はさらなる戦力の底上げなるか注目だ。

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