賑やかなジャパンカップが帰ってきたけれど

ジャパンカップが日本を代表する国際競走としての立場を取り戻すため、さまざまな施策が講じられている。今年は国際厩舎の新設と、1着本賞金3億円から4億円への増額。さらに来年からは5億円に増額される。その甲斐あって今年は登録時点で外国馬が6頭登録され、執筆時点で4頭が出走を予定しており、久々に賑やかなジャパンカップとなりそうだ。

しかし、近年は日本馬のレベルアップのみならず、馬場の特殊性もあって、昔のように「海外の一流馬だから」とはなかなか簡単に推奨しづらいことには変わらない。

昨年5着だったグランドグローリーが今年も参戦するが、他の3頭がいずれも3歳馬で、どこまで通用するのかはなんともいえないところだろう。日本馬がタフな芝の凱旋門賞でなかなか勝てないのと同様、海外の馬からすれば日本の軽い、スピードの出る芝ではなかなか勝てない。そんななかチャレンジしてくる外国馬の関係者には、日本から凱旋門賞へ挑戦する関係者と同様、敬意をもって応援してほしいし、それがジャパンカップを盛り上げることになると思う。

騎手からみれば今もずっと国際レース

ジャパンカップの外国人騎手成績(過去10年),ⒸSPAIA


ところが、騎手を見ればジャパンCはずっと国際色豊かなままだ。過去10年での騎手成績を見ても、外国人騎手(※JRA所属の2名除く。以下同じ)の成績は【4-1-2-41】と4勝している。つまり、日本馬に外国人騎手が騎乗しているのである。日本馬×海外騎手に限定すると【4-1-2-15】だ。

もちろん騎手によって日本のコースを走り慣れているかどうかには差がある。そこで、過去に上記パターンで連対した騎手の、当週・ジャパンCまでの成績を見てみよう。

2019年1着スワーヴリチャード
O.マーフィー【2-3-3-10】
スワーヴリチャードに騎乗し2019年のジャパンCを制したマーフィー騎手は、この年2度、短期免許で来日。スポット参戦ではなくジャパンC前の11月9日から日本で騎乗していた。レース前日の土曜は京都で騎乗して2勝、重賞の京都2歳Sはミヤマザクラで2着としている。すでに日本の競馬に慣れていたといえよう。

2017年1着シュヴァルグラン
H.ボウマン【0-2-0-3】
ボウマン騎手も度々短期免許で来日している騎手。この年はジャパンC週から短期免許を取得し、年内まで騎乗していた。こちらも前日は京都で騎乗していたほか、過去の日本での騎乗ですでに経験を積んでいる状態であった。

2015年2着ラストインパクト
2013年1着ジェンティルドンナ
R.ムーア 2015年【4-1-1-9】、2013年【2-1-0-11】
直近10年で2度の馬券内実績があるムーア騎手も短期免許期間中でのジャパンCだった。2014年もジェンティルドンナで4着としており、安定した短期免許での来日実績と当週成績の安定感はさすが名手、光るものがある。

2014年1着エピファネイア
C.スミヨン【0-0-1-6】
これまでの3名と違って、この年スポット参戦(ワールドスーパージョッキーズシリーズ出場)で結果を出した例となるのがスミヨン騎手。当週成績も3着1回(しかも1番人気)のみと振るわないが、着外6回はいずれも7番人気以下という低人気馬騎乗でのもので、好成績を挙げるには難しい状況だった。

こうしてみると、近年のジャパンCにおける外国人騎手の好走例はおおむね「短期免許で来日中」であり「当週に結果をある程度出している」といえよう。

日本馬×海外騎手の組み合わせに穴が

今年、日本馬×海外騎手の組み合わせはこの4頭だ。

ヴェラアズール(R.ムーア)
ヴェルトライゼンデ(D.レーン)
シャフリヤール(C.デムーロ)
デアリングタクト(T.マーカンド)

そして4騎手ともすでに短期免許を取得して日本で騎乗している。今年のJRA騎乗成績を見ると、

R.ムーア【6-5-1-13】
D.レーン【27-26-11-76】
C.デムーロ【24-16-11-65】
T.マーカンド【8-6-7-37】

いずれも勝率2割前後、複勝率4割前後を誇っており、すでに日本のコースへの対応は万全といえよう。しかも、この4騎手は今年短期免許で来日した騎手6名中、勝利数上位の4名でもある。馬券に一枚、加えておきたいところだ。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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