2周目向正面で一気に捲る

朝から冷たい雨が降り続き、浦和記念を前にその勢いは増す一方。コース一面に水が浮く状況下で行われた一戦は、武豊騎手騎乗のクリノドラゴンが制した。

内からアイオライトがすんなりハナを奪ったかと思われたが、エルデュクラージュとランリョウオーが外から並んでいき、12.5-10.7-12.0(35.2)とハイペースで1周目のスタンド前に差しかかる。

2022年浦和記念,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)



最終的にアイオライトが主導権を握ってペースが落ち着いたが、2周目向正面で隊列は徐々に縮まる。このタイミングで後方3頭目から一気に捲っていったクリノドラゴンと武豊騎手、見事な判断だった。

4角では2番手の外までポジションを押し上げ、直線に向く時点でも一頭だけ脚色が違っており、直線半ばであっさりとアイオライトをかわし去って2馬身半差。この勝利はクリノドラゴン自身、そしてアスカクリチャン産駒にとっても嬉しい初重賞制覇となった。

2着争いは際どくなったが、ラーゴムがクビ差かわして先着。アイオライトは最後苦しくなりながらも、初の2000mでよく粘ったと言えるだろう。

未勝利戦から勝利は全て武豊騎手

4歳ながらこのレースが28戦目と豊富なキャリアを誇るクリノドラゴンは、2歳秋に芝1800mでデビューするも18頭立ての18番人気、16着に終わった。8戦目の未勝利戦で武豊騎手と初めてコンビを組むと、続く9戦目に初勝利、その後も勝利した時には全て武豊騎手が跨っていた。

レース後のインタビューで武豊騎手が「未勝利の時から何度もコンビを組ませてもらって、少しずつ階段を上がってきて初めて重賞レースを勝てて、特別に嬉しいものがある」とコメントしていたのが印象的だった。今後もこのコンビでどれだけの勝利を積み重ねていってくれるのか、楽しみだ。

クリノドラゴンで浦和記念を制した武豊騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。



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