秋の中央ダート王決定戦

今週日曜は中京ダート1800mを舞台に、GⅠ・チャンピオンズCが行われる。昨年の同レースを大楽勝、連覇を狙う絶対王者テーオーケインズに、3歳勢からはUAEダービー馬クラウンプライド、シリウスS2着馬ハピ、JDD覇者ノットゥルノ、古馬勢からはアンタレスS2着があるグロリアムンディ、ダート転向後の進境著しいジュンライトボルトなどが挑む。秋の中央ダート王決定戦にふさわしい熱戦を期待したい。

エリザベス女王杯から始まったJRA・8週連続GⅠのちょうど折り返し地点にあたるレース。的中をつかんで後半戦を迎えたいところだ。今週も過去のデータを参考に予想していく。

前走地方組を中心に

 過去8年のチャンピオンズC・条件別成績,ⒸSPAIA


<過去8年のチャンピオンズC・条件別成績>
前走6番人気以下【0-0-1-32】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率3.0%
前走地方【8-4-3-33】勝率16.7%/連対率25.0%/複勝率31.3%
前走中央・海外【0-4-5-68】勝率0.0%/連対率5.2%/複勝率11.7%

以下、前身のジャパンCダートから舞台が中京に移って以降の8回を参考に条件別成績を確認していく。

好走率が低いのは前走6番人気以下だった馬。33頭が出走して馬券に絡んだのは昨年3着のアナザートゥルースのみで、今年はグロリアムンディ、サンライズホープ、レッドガラン、オーヴェルニュ、サンライズノヴァ、タガノビューティー、サクラアリュールが引っかかる。このうち前走が宝塚記念だったグロリアムンディは度外視可能だが、他の6頭については評価を下げたい。

前走地方組が強いのも特徴の一つで、全勝に加え3割超えの複勝率が光る。JBCや南部杯といったJpnⅠが質の高い前哨戦として機能しているようだ。

その陰で苦しんでいるのが前走中央・海外組。複勝率は1割をわずかに上回る程度と、購買意欲に欠ける数字だ。馬券になった9頭中7頭は同年のJRAダート重賞を勝っており、残る2頭も同年のJRAダート重賞で2着があった。前述した人気の条件も踏まえると、中央組からはグロリアムンディ、ハピ、ジュンライトボルトの3頭を残しておきたい。

残った前走地方組の4頭についても検討。まず前走地方で1秒差以上の敗戦を喫していた馬が【1-0-1-12】、ノットゥルノは一枚割引が必要か。その他3頭については特にデータ上の懸念点はないが、強調したいのはシャマル。前走地方かつ距離延長組が【2-2-2-7】、11番人気以下を除けば【2-2-2-2】複勝率75%、複勝回収率397%と妙味も十分だ。

伝説の岩室温泉特別から1年、いざGⅠタイトルへ

◎シャマル
注目は昨年8月、新潟ダ1200m・2勝クラスの岩室温泉特別。前半3F33秒4という芝のスプリント戦並のハイペースを2番手で追走し悠々と押し切った。勝ちタイム1分9秒8は、JBCスプリント勝ち馬バンブーエールが持っていた同コースの良馬場レコードを13年ぶりに更新するもの。明るい未来を予感させる走りだった。

キャリア初のマイル戦だった南部杯では、ハナを取ったヘリオスが2着、2番手だったカフェファラオが勝利する中、5番手から外を回る差しの競馬で3着。馬場傾向に逆行する走りで2頭と0秒1差、特に左回りのワンターンで無類の強さを誇り、馬場の恩恵も受けたカフェファラオに迫った点が素晴らしい。脚力はGⅠクラスだろう。

過去8年のチャンピオンズCで前走南部杯組は【2-2-1-5】と半数が馬券に。スマートファルコン産駒は1800m戦で複勝率2割を超えており、シャマル自身も近親にアートハウスやパールコードといった中距離路線で活躍した馬がいるプロフィールの持ち主。スプリントを主戦場としてきたことで距離延長が懸念されるなら買いの一手とみる。絶対王者テーオーケインズ相手に堂々たる競馬を期待したい。

◯テーオーケインズ
昨年の帝王賞以降は【4-0-0-3】だが、3敗は小回りが向かなかった昨年のJBCクラシック(金沢)、出走メンバーが世界最強クラスだったサウジC、調整過程がベストではなかった帝王賞と全て理由のある敗戦。4勝はいずれもワンサイドゲームといっていい内容で、能力の最大値は紛れもなく国内トップ。前走も先行勢が有利だった盛岡で道中8番手から外々を動いてねじ伏せる、凄まじく強い競馬だった。

メンバーレベルは昨年より低く、週中の動きにも特にマイナス材料は見当たらない。強豪チュウワウィザードを相手にしなかった昨年のリプレイもあり得る。

▲グロリアムンディ
ダート転向後は【4-1-0-0】。特に今回と同コースの雅S・名古屋城Sの内容がよく、重賞でも十分に通用するもの。唯一の敗戦を喫したアンタレスSは負けた相手がオメガパフュームで、3着、4着に大穴の追込馬が好走したように後方待機勢に流れが向いていた。道中4番手で正攻法の競馬をしたグロリアムンディも負けて強しといえる。走破時計1分50秒6も優秀で、今年JRAの良馬場で施行されたダート1800m戦においては3番目に速い時計だった。

前走は芝かつメンバーレベルの高い宝塚記念で度外視可能。先週、ヴェラアズールにジャパンCのタイトルをもたらしたムーア騎手が短期免許最終週にさらなる爪痕を残すかもしれない。

以下ハピ、クラウンプライド、ジュンライトボルトに印を回す。馬券は◎と◯の馬連、ワイドを本線に、◎から印に流す3連複を押さえる。

▽チャンピオンズC予想▽
◎シャマル
◯テーオーケインズ
▲グロリアムンディ
△ハピ
×クラウンプライド
×ジュンライトボルト

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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