今年も素質馬が多路線から集結

チャンピオンズCはジュンライトボルトが勝利。ダートから芝に転向してジャパンCを制したヴェラアズールに続き、芝からダートに転向して栄冠を手にした。

さて、今週は阪神競馬場で阪神JFが行われる。2歳女王決定戦に今年も多くの素質馬が集結した。アルテミスS組やファンタジーS組に加え、札幌2歳S覇者ドゥーラや新潟2歳S覇者キタウイングといった実績馬が参戦を予定している。

過去にはウオッカやアパパネ、ラッキーライラックやテイエムプリキュアといった馬たちが勝利してきた一戦。2着馬にもクロノジェネシスやリスグラシュー、レッツゴードンキやアストンマーチャンといった後のGⅠ馬が数多くいる。今回はそんな阪神JFの歴史を振り返る。

波乱か平穏か、はっきりと二極化

阪神JF過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA


ここ5年間で1番人気は2勝。ソダシとダノンファンタジーが人気に応えた。過去にはブエナビスタやメジャーエンブレム、ソウルスターリングといった馬たちが1番人気に応えて2歳女王の座に輝いている。

一方、敗れた1番人気の中でも、2021年4着のナミュールはオークス3着、秋華賞2着と活躍。2014年に単勝1.7倍の圧倒的支持を集め2着に敗れたハープスターもその後、桜花賞や札幌記念を制し、凱旋門賞でも6着となっている。

昨年は2着に8番人気ラブリイユアアイズが来たことで馬連124.7倍の万馬券。2019年は4番人気レシステンシア・6番人気マルターズディオサで決着して馬連100.0倍ちょうどの万馬券と、両馬のその後の活躍を考えればオイシイと思えるような馬券も飛び出すレース。反対に、2020年、2018年はいずれも1番人気→2番人気での決着と、極端に手堅く収まっている。

ピカイチの素質馬が集まった伝説の2020年

素質馬が集結する阪神JFの中でも、特に多くの才女が集まり話題となったのが2020年だろう。勝ち馬のソダシは桜花賞やヴィクトリアマイルを制し、フェブラリーSやマイルCSでも3着に好走する活躍を見せている。白毛馬ということもあり、まさに歴史的なアイドルホースとなった。

2着馬サトノレイナスは桜花賞で2着となると、ダービーに挑戦して5着と好走。その後は怪我により引退してしまったが、現役時代は一度も掲示板を外さない、豊かな才能を持つ牝馬だった。さらに3着馬ユーバーレーベンはフラワーC3着、フローラS3着と3戦連続で3着となったのち、オークスを勝利。見事に牝馬クラシックを制した。

2400m戦で結果を出したユーバーレーベンとは対極的に、スプリント戦で存在感を示しているのがメイケイエールだ。こちらは今年に入ってから重賞で3勝をあげ、香港スプリントへの遠征も予定している。5着のヨカヨカは北九州記念を制し、熊本県産馬としてグレード制導入後はじめて中央の平地重賞を制した。他にも13着ウインアグライアや17着シゲルピンクルビーがオープン競走を制している。

そして7着のジェラルディーナは今年に入って素質が開花。鳴尾記念2着、小倉記念3着と悔しい競馬が続いたものの、秋に入ってオールカマー、エリザベス女王杯を連勝。一躍GⅠ馬の仲間入りを果たした。早期から活躍した馬や古馬になってからの馬、長距離馬、短距離馬、実に多彩な活躍馬を送り出した阪神JFとなった。

出走馬の父にも注目

2020年阪神JFが送り出した多彩な活躍馬たち、その父親もまた多彩。ソダシはクロフネ産駒、サトノレイナスはディープインパクト産駒、ユーバーレーベンはゴールドシップ産駒、メイケイエールはミッキーアイル産駒、ヨカヨカはスクワートルスクワート産駒、ジェラルディーナはモーリス産駒である。

今年も、多彩な血統の馬たちが集まった。アルテミスS1着のラヴェルはキタサンブラック産駒、2着リバティアイランドはドゥラメンテ産駒。ファンタジーS1着のリバーラはキンシャサノキセキ産駒、2着のブトンドールはビッグアーサー産駒だ。そしてもみじSの勝ち馬ウンブライルはロードカナロア産駒、コスモス賞勝ち馬モリアーナはエピファネイア産駒と、まさに種牡馬戦国時代を感じさせる。

今年の出走馬からも、来年以降の競馬界を盛り上げる馬が登場することだろう。どういった血統のどういった牝馬が、今年の2歳女王となるだろうか。ぜひ、ご注目いただきたい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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