菅野コンディション不良で新助っ人が開幕投手に

巨人の新外国人タイラー・ビーディ投手(29)が、2023年の開幕投手を務めることが濃厚となった。新外国人投手が大役を担うのは球団史上初。助っ人が開幕投手を務めるのは、2017年のマイルズ・マイコラス以来6年ぶり4人目となる。

ビーディは平均球速151キロの直球にチェンジアップ、そしてカットボールなど打者の手元で動く変化球を投げ分ける長身右腕。オープン戦には3試合登板し、最初の2試合は計7イニングで無失点に抑えていたが、開幕戦を見据えて登板した24日の楽天戦(東京ドーム)では、3.1回5安打3失点と不安の残る内容だった。

昨季まで5年連続で開幕投手を務め、今季も最有力候補だった菅野智之は、18日の日本ハム戦(東京ドーム)で右肘の張りを訴えて1イニングで緊急降板。その後も1軍には帯同しているが、実戦復帰のメドは立っておらず、代役として新助っ人に白羽の矢が立った模様だ。3年ぶりのリーグ優勝へ新助っ人が先陣を切る。

では、これまでの球団史ではどのような投手たちが開幕投手を務めてきたのだろうか。改めて振り返ってみたい。

巨人の歴代開幕投手一覧

セ・パの2リーグ制となった1950年から歴代の開幕投手は以下の通りとなっている。

1950年 藤本英雄
1951年 別所毅彦
1952年 藤本英雄
1953年 別所毅彦
1954年 大友工
1955年 別所毅彦
1956年 別所毅彦
1957年 大友工
1958年 藤田元司
1959年 伊藤芳明
1960年 伊藤芳明
1961年 中村稔
1962年 城之内邦雄
1963年 伊藤芳明
1964年 高橋明
1965年 金田正一
1966年 金田正一
1967年 城之内邦雄
1968年 金田正一
1969年 金田正一
1970年 高橋一三
1971年 渡辺秀武
1972年 堀内恒夫
1973年 堀内恒夫
1974年 高橋一三
1975年 堀内恒夫
1976年 堀内恒夫
1977年 堀内恒夫
1978年 堀内恒夫
1979年 新浦寿夫
1980年 江川卓
1981年 西本聖
1982年 江川卓
1983年 西本聖
1984年 江川卓
1985年 西本聖
1986年 江川卓
1987年 西本聖
1988年 桑田真澄
1989年 桑田真澄
1990年 斎藤雅樹
1991年 槙原寛己
1992年 槙原寛己
1993年 斎藤雅樹
1994年 斎藤雅樹
1995年 斎藤雅樹
1996年 斎藤雅樹
1997年 斎藤雅樹
1998年 桑田真澄
1999年 B.ガルベス
2000年 上原浩治
2001年 上原浩治
2002年 上原浩治
2003年 上原浩治
2004年 上原浩治
2005年 上原浩治
2006年 上原浩治
2007年 内海哲也
2008年 高橋尚成
2009年 S.グライシンガー
2010年 内海哲也
2011年 東野峻
2012年 内海哲也
2013年 宮國椋丞
2014年 菅野智之
2015年 菅野智之
2016年 菅野智之
2017年 M.マイコラス
2018年 菅野智之
2019年 菅野智之
2020年 菅野智之
2021年 菅野智之
2022年 菅野智之
2023年 T.ビーディ

歴代最多は菅野智之の8度

球団で最も多く開幕投手を務めたのは、菅野智之で8度。プロ2年目の2014年に初の開幕投手に抜擢されると、7回4失点で勝ち投手に。入団2年以内の開幕戦白星は、球団史上54年ぶりの快挙だった。巨人のエースとなった右腕はその後、WBCの影響で回避した2017年を除き、2022年までの9年間で8度大役を担っている。

2位は7度の上原浩治。1年目から投手4冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)、新人王、沢村賞などタイトルを総なめした右腕は、翌2000年の開幕投手に。一気にエースの座に上り詰めると、その後も2006年まで7年連続で大役を果たした。

そのほかでは、V9時代のエースとして投手陣を牽引した200勝投手の堀内恒夫は6度、1990年代の巨人投手陣を支え「平成の大エース」と呼ばれた斎藤雅樹も6度。1980年代にセ・リーグを代表する投手として活躍した「昭和の怪物」江川卓は4度開幕投手を務めた。

2023年の開幕戦は、3月31日の中日戦(東京ドーム)。現状では、球団初の新外国人投手としてビーディが大役を担う可能性が高い。開幕前の最終登板は不安を残す投球だったが、果たして開幕戦ではどのような投球を見せるのか注目だ。

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