防御率0.00でリーグトップに浮上

阪神の村上頌樹投手(24)が無失点記録を伸ばしている。4月29日のヤクルト戦(神宮)で8回2安打7奪三振無失点で2勝目を挙げ、開幕からの無失点記録を25回に伸ばした。

この日はヤクルトのエース小川泰弘との投げ合いだったが、2016年センバツで智弁学園を優勝に導いた右腕は物怖じすることなくテンポ良く投げ込む。東洋大時代に投げ親しんだマウンドでアウトを積み上げ、7回には昨季の三冠王・村上宗隆との“村神様”対決で見事に空振り三振。9回は加治屋蓮にマウンドを譲って完封こそならなかったが、全く危なげない投球だった。

3年目の今季、4月12日の巨人戦(東京ドーム)で7回パーフェクト投球を見せ、大ブレイク。続く22日の中日戦(バンテリンドーム)は2安打10奪三振で完封し、プロ初勝利を挙げた。

4月1日のDeNA戦(京セラドーム大阪)に2番手で登板した1イニングを合わせ、ここまで開幕から25回連続無失点。規定投球回にも達し、防御率0.00でリーグトップに躍り出た。

連続イニング無失点記録ランキング

連続イニング無失点記録ランキングは以下の通りとなっている。

1位 64.1回 金田正一(国鉄)1958年
2位 62回 藤本英雄(巨人)1943年
3位 60.1回 野口二郎(大洋)1941年
4位 54.2回 杉浦忠(南海)1959年
5位 51回 野口二郎(翼)1940年
6位 49.1回 別所毅彦(巨人)1955年
7位 47.2回 藤川球児(阪神)2006年
8位 47回 スタルヒン(巨人)1938年
8位 47回 小山正明(阪神)1962年
10位 46.2回 真田重蔵(大陽)1948年
10位 46.2回 ダルビッシュ有(日本ハム)2011年

金田正一(国鉄)は長嶋茂雄(巨人)のデビュー戦で4打席連続三振を奪った1958年、64.1回連続無失点をマーク。6月5日に史上最年少の24歳で通算200勝を達成し、31勝14敗、防御率1.30で最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得したシーズンだった。

阪神の球団記録は藤川球児が2006年にマークした47.2回(歴代7位)。シーズン途中から久保田智之に代わってクローザーを務め、小山正明が持っていた47回連続無失点の球団記録を更新して47.2回まで伸ばした。同時に記録した38試合連続無失点も当時の日本新記録だった。

連続試合無失点記録ランキング

連続試合無失点記録も見てみよう。ランキングは以下の通りとなっている。

1位 39試合 平良海馬(西武)2021年
2位 38試合 藤川球児(阪神)2006年
3位 37試合 篠原貴行(DeNA)2011年
4位 34試合 豊田清(西武)2003年
4位 34試合 比嘉幹貴(オリックス)2014年
6位 31試合 高橋聡文(中日)2005年
6位 31試合 ファルケンボーグ(ソフトバンク)2011年
6位 31試合 田島慎二(中日)2016年
6位 31試合 嘉弥真新也(ソフトバンク)2018年
10位 30試合 菊地和正(DeNA)2012年

藤川球児の日本記録を更新したのが平良海馬(西武)。2021年7月6日の日本ハム戦で初失点するまで39試合連続無失点をマークした。

この時に記録した38回連続無失点は「開幕から」に限定すれば歴代2位。歴代1位は1939年に高橋敏(阪急)がマークした38.1回が開幕からの連続イニング無失点記録となっている。

開幕から25回連続無失点の阪神・村上は、先発ローテーションであと2試合無失点を続ければ日本記録を更新する可能性がある。

先発投手の無失点記録は、1イニング限定のリリーフ投手以上に価値がある。“虎の村神様”がどこまで記録を伸ばすか注目だ。

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