阪神牝馬S組は全体成績と割合が同じ

そこそこ荒れるGⅠヴィクトリアマイル。ただ、その荒れ方も傾向があるわけではない。昨年のように1番人気が飛ぶなかで上位人気の組み合わせになったり、一昨年のように1番人気は勝つものの相手が2ケタ人気だったりする。

結局、このレースへのローテが千差万別であることで直前比較が難しいレースだというのがポイントだろう。高松宮記念、大阪杯、阪神牝馬S、福島牝馬Sなど、短距離〜中距離GⅠや、牝馬重賞路線、はたまた海外組や休養明けぶっつけ組など。そしていずれの路線であったとしても、東京マイル「じゃない」ところからの臨戦で適性がよく分からなくなってしまっているのが理由となる。

ヴィクトリアマイル 過去10年の前走別成績,ⒸSPAIA


過去10年の前走別成績を見ると、多いのは阪神牝馬S組で【4-4-4-56】となるが、単純に数が多く、出走馬の約40%がこの前走になる。出走割合4割で4勝2着4回3着4回だから、全成績での割合とほとんど変わらないのだ。つまり、数字的に見れば良いローテでも悪いローテでもないことになる。

気になるのは高松宮記念「以外」の前走GⅠ組だ。高松宮記念組が【1-0-3-15】と正直割に合わないのに対し、高松宮記念組を除いた前走GⅠの成績は【3-0-0-7】。ここからさらに前走海外を除くと【3-0-0-4】となり、勝率は42.9%に跳ね上がる。前走GⅠの大半は牡馬との混合戦である場合が多い。なおかつスプリント戦から少し延長して通用するのか試す高松宮記念組とは違い、非高松宮記念組は、マイルは大丈夫という馬であることが多い。人気であろうとも評価を不当に落とす理由がなさそうである。


昨年覇者と大阪杯2着馬を純粋に評価

今年これに該当するのがソダシとスターズオンアースの2頭だ。ソダシは昨年のヴィクトリアマイル勝ち馬で、当然ここも人気にはなるだろう。前走は昨年11月のマイルCS3着で、牝馬限定となるここならもちろん狙わなければならない一頭である。

そしてスターズオンアースは大阪杯2着から。東京コースはオークス勝ち、マイルは桜花賞勝ちの実績があり、なにより3歳から成長していることは大阪杯で証明済みである。

人気になりそうな2頭だが、能力上位だからこそできるGⅠからの転戦。素直に評価して、一頭穴を絡めた三連単や三連複で、そこそこ荒れる結果を期待する馬券作戦が吉なのではないだろうか。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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