10大会で指揮を執った8人の歴代監督
ラグビーワールドカップ2023フランス大会が9月8日に開幕する。プールDの日本代表は9月10日にチリ、17日にイングランド、28日にサモア、10月8日にアルゼンチンと戦う。
自国開催だった前回の2019年ワールドカップで指揮を執り、日本代表を史上初のベスト8に導いたジェイミー・ジョセフヘッドコーチは今大会後に退任することが決まっている。今回も日本中に大フィーバーを起こすような躍進が期待される。
今回で10回目のラグビーワールドカップ。過去の9大会を率いた指揮官は下の通りだ。
宿澤広朗監督が率いた第2回でW杯初勝利
ニュージーランドとオーストラリアで開催された第1回大会を率いたのは宮地克実。同志社大時代に坂田好弘らとともにプレーし、引退後の1978年、1984年、1987年の3度、日本代表監督を務めた。
前任の岡仁詩が辞任したため3度目の就任となった1987年、第1回ワールドカップに出場。日本は予選プールでアメリカ、イングランド、オーストラリアに3連敗を喫した。
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランスの5カ国で開催された1991年の第2回大会は宿澤広朗が指揮を執った。早稲田大時代に2年連続日本一に輝き、銀行員として勤務しながら代表監督に就任。平尾誠二主将率いる日本はスコットランド、アイルランドに敗れたものの、ジンバブエ戦でワールドカップ初勝利を挙げた。
南アフリカで行われた1995年の第3回大会は新日鉄釜石で主将を務めた小藪修が指揮。日本代表は1992年、1994年のアジア大会で優勝したが、ワールドカップではウェールズ、アイルランド、ニュージーランドに3連敗を喫した。ニュージーランド戦は17−145という記録的大敗で「ブルームフォンテーンの悪夢」と呼ばれている。
1999年の第4回は平尾ジャパンが3連敗
伏見工業高から同志社大、神戸製鋼でスター選手として活躍した平尾誠二が、監督として出場したのがウェールズ、イングランド、フランス、スコットランド、アイルランドの5カ国で開催された1999年大会。平尾ジャパンへの期待は高かったが、予選プールでサモア、ウェールズ、アルゼンチンに3連敗だった。
オーストラリアで行われた2003年の第5回大会は、1987年の第1回大会にフルバックとして出場した向井昭吾が指揮を執った。スコットランドに11−32と善戦し、フランス戦でも2トライを奪ったものの、結局フィジーにも敗れて3連敗で予選プールを突破できなかった。
フランスで開催された2007年の第6回大会はジョン・カーワンが率いた。現役時代はニュージーランド代表(オールブラックス)として活躍し、第1回W杯でトライ王に輝き優勝に貢献。オーストラリア、フィジー、ウェールズには敗れたが、最終戦のカナダとは12−12で引き分けた。
さらに2011年の第7回ニュージーランド大会もカーワンが指揮。フランス、ニュージーランド、トンガには敗れたが、前回も引き分けたカナダと23−23で再びドローだった。
ジョーンズHCに率いられた2015年大会で歴史的大番狂わせ
日本中を熱狂させた2015年の第8回イングランド大会を率いたのがエディー・ジョーンズだ。オーストラリアで現役を終えた後は東海大ラグビー部監督やオーストラリア代表ヘッドコーチ、南アフリカ代表のチームアドバイザー、サントリーサンゴリアスのGM兼ヘッドコーチなどを歴任し、2012年に日本代表ヘッドコーチに就任した。
2015年9月19日、ワールドカップ初戦の南アフリカ戦。日本代表は試合終了間際の劇的な逆転トライで大番狂わせを演じた。しかし、続くスコットランド戦に敗れ、サモア、アメリカは下して3勝1敗としながらも準々決勝進出は果たせなかった。
そして日本代表史上初のベスト8入りを果たしたのが、2019年の第9回日本大会を率いたジェイミー・ジョセフ。オールブラックスの一員として1995年の「ブルームフォンテーンの悪夢」と呼ばれる日本戦に出場し、その後来日してサニックス入りすると、1999年の第4回大会には日本代表として出場した経験を持つ。
2016年に日本代表監督に就任し、2019年の第9回ワールドカップではロシア、アイルランド、サモア、スコットランドに4連勝。準々決勝は優勝した南アフリカに3−26で敗れたが、日本中にラグビーブームを巻き起こした。
そのジョセフが指揮を執る2023年フランス大会。果たしてどんなドラマが待っているだろうか。日本代表の奮闘が期待される。
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