秋の府中名物、芝2500m戦

今週日曜日、東京競馬場でGⅡ・アルゼンチン共和国杯が行われる。秋の東京開催伝統の芝2500m戦に、オールカマー3着馬ゼッフィーロ、目黒記念を制したヒートオンビート、同2着ディアスティマ、六社S勝ちのチャックネイトなど粒ぞろいのメンバー構成となった。

混戦を断ち、大舞台へ駒を進めるのはどの馬か。過去10年のデータをもとに馬券戦略を検討する。

東京芝2400m実績を重視

アルゼンチン共和国杯の前走距離別成績,ⒸSPAIA


<アルゼンチン共和国杯・前走距離別成績>
〜2100m【1-2-4-35】勝率2.4%/連対率7.1%/複勝率16.7%
2200m【3-2-3-23】勝率9.7%/連対率16.1%/複勝率25.8%
2400m【4-3-3-33】勝率9.3%/連対率16.3%/複勝率23.3%
2500m【1-0-0-9】勝率10.0%/連対率10.0%/複勝率10.0%
2600m【0-2-0-28】勝率0.0%/連対率6.7%/複勝率6.7%
3200m【1-1-0-3】勝率20.0%/連対率40.0%/複勝率40.0%

東京芝2500mは2度坂を越えるコース。それゆえ長距離適性のある馬がいいのかと思いきや、前走で芝2600m戦(いずれも函館か札幌)を使ってきた馬は【0-2-0-28】、割引対象となる。とにかく豊富なスタミナが求められる洋芝2600m戦と、直線が長く鋭いキレ味も求められる府中の2500m戦ではレースの性格が根本的に異なる。今年のメンバーでは丹頂Sの勝ち馬ジャンカズマが該当する。また前走2500m組も、19年勝ち馬ムイトオブリガード以外馬券に絡めていない。

一方、3200m=天皇賞(春)組は5頭出走し、16年2着アルバート、21年1着オーソリティの2頭が馬券に絡んだ。母数こそ少ないが複勝率40.0%をマークしている。この2頭はいずれも天皇賞(春)で掲示板外に敗れたところからの巻き返しに成功しており、同様のパターンで臨むヒュミドールは相手として押さえておきたい。

次に距離延長組のデータを見てみよう。特に好走馬を多く出しているのは前走2200m、2400m組。中でも東京芝2400m組が【4-2-3-8】複勝率52.9%をマークしている。さらに前走1、2着であった馬に絞ると【4-1-1-4】単勝回収率271%。食指が動くデータだ。昨年の勝ち馬ブレークアップもこのルートをたどっており、東京芝2400mでの好走経験が重要なファクターの一つだと言える。

それ以外では、前走阪神芝2200m組が【2-0-0-4】勝率33.3%だが、すべて宝塚記念組でありレッドバリエンテ(前走3勝クラス)とは単純比較できない。また東京芝2000m組【1-0-1-10】、中山芝2200m組【0-1-1-15】、京都芝2400m組【0-1-0-18】で、オールカマーや京都大賞典から来る馬はパッとしない成績だ。

アルゼンチン共和国杯の前走距離別成績,ⒸSPAIA

好走パターンに一致

◎チャックネイト
函館の芝2600m戦で未勝利を勝ち上がり、その後中京の芝2200m戦で1勝、2勝クラスを突破。前走の六社Sは、道中は先行集団の後ろに付けて進め、直線では最内をよく伸びたキングズパレスとの叩き合いを制し、外から並びかけてきたエンドウノハナも振り切る着差以上の好内容だった。走破タイム2分24秒0も重馬場の条件戦としてはかなりの高水準で、初重賞でも十分通用するだろう。新馬戦と前々走・江の島Sを除き、すべて2200m以上のレースを使っており、長めの距離でこそ能力が生きるタイプだ。

◯ヒートオンビート
昨年はブレークアップの粘りに屈し3着だったが、タイムは勝ち馬から0秒2差、2着ハーツイストワールとはクビ差に踏みとどまった。今年の目黒記念で念願の重賞初制覇を果たしたように、東京芝2500mは【1-1-1-0】で馬券圏内を外したことがない得意舞台。今回も流れひとつだ。前走の京都大賞典は9着に沈んでいるが、重馬場が堪えたもので度外視可能。良馬場が濃厚な今走は見直しだ。

▲ハーツイストワール
前走はジャパンCに挑戦したが、さすがに芝中距離界のトップホースたち相手では分が悪く、1秒1差11着に完敗。それでも5着ダノンベルーガまでは0秒5差と、この馬の力はしっかり示した。今回はそれ以来、1年弱ぶりの復帰戦となるだけに判断が難しいが、東京芝コースで実績を積み上げてきた馬であり、昨年2着に入った点も考慮して3番手評価とした。

以下プリュムドール、ゼッフィーロ、ディアスティマ、ヒュミドールまで印を回す。馬券は◎軸の3連複で勝負する。

▽アルゼンチン共和国杯予想▽
◎チャックネイト
◯ヒートオンビート
▲ハーツイストワール
△プリュムドール
×ゼッフィーロ
×ディアスティマ
☆ヒュミドール

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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