過去10年で1番人気がわずか1勝

11月12日、京都競馬場ではエリザベス女王杯(GⅠ)が行われる。当レースは、過去10年で1番人気が1勝のみ。二桁人気の伏兵が3度馬券に絡んでおり、牝馬限定戦らしく波乱含みの決着が少なくない。

下馬評通りにはなかなか決まらないレースだけに、人気馬の取捨選択は馬券検討において重要な要素になるだろう。今回は京都開催だった過去10回(10〜19年)のデータを基に、「過信禁物の注目馬」を導いていく。


5歳以上になると好走率は大幅ダウン

年齢別成績,ⒸSPAIA


まず注目したいのが、出走馬の年齢別成績だ。当レースの中心になるのは3〜4歳の馬たちで、成績は【9-7-9-74】勝率9.1%、連対率16.2%、複勝率25.3%となっている。一方で5歳以上になると【1-3-1-69】勝率1.4%、連対率5.4%、複勝率6.8%で、好走率が大きく落ち込んでいる。

競走馬の成長曲線がそれぞれ異なることは当然だが、一般的に5歳秋以降は能力に衰えが出てくるものだ。特に牝馬の場合は牡馬よりも早い時期にピークを迎えることが多く、こうした傾向が牝馬限定戦である当レースにもみられる。データ上は3〜4歳のフレッシュな馬が優勢であり、5歳以上の馬は評価を下げるべきだろう。


前走6着以下の馬は期待薄

前走着順別成績,ⒸSPAIA


次に注目するのは各馬の前走着順別成績だ。前走で5着以内だった馬は【10-9-7-85】勝率9.0%、連対率17.1%、複勝率23.4%となっており、馬券圏内に好走している馬の大半はこの組に含まれている。一方、前走で6着以下に惨敗していた馬は【0-1-3-58】勝率0.0%、連対率1.6%、複勝率6.5%と多くの馬が苦戦を強いられている。

実はこの中には、メイショウマンボ(14年2番人気12着)やヴィルシーナ(13年1番人気10着)といった人気馬も含まれている。牝馬は牡馬よりも繊細な面があり、一度調子を崩した馬を立て直すことは簡単ではない。過去の実績から近走成績以上の高い評価を受けている馬よりも、前走で好走している好調な馬を積極的に狙うべきだ。


瞬発力が重要 前走上がり4位以下はやや苦戦

前走上がり順位別成績,ⒸSPAIA


最後に紹介するのは、各馬の前走上がり順位別成績(前走海外を除く)。前走の上がりが3位以内だった馬は【5-4-8-61】勝率6.4%、連対率11.5%、複勝率21.8%であるのに対して、上がり4位以下だった馬は【3-6-2-80】勝率3.3%、連対率9.9%、複勝率12.1%と成績が落ち込んでいる。

当レースは牝馬限定戦ということもあってか、スローペースになる年が多く、外回りの長い直線も相まって瞬発力勝負になりやすい。実際に京都開催の過去10回の当レースで上がり3位以内の脚を使った馬は、【7-3-5-18】勝率21.2%、連対率30.3%、複勝率45.5%と好成績を収めている。こうしたレース傾向を踏まえても、前走で上がり4位以下だった馬が苦戦気味である点は頭に入れておきたい。


データで導く「過信禁物の注目馬」

ここまでに紹介したデータをまとめると、当レースにおける不安要素は以下の通りである。

・5歳以上
・前走6着以下
・前走上がり4位以下

これらを踏まえて、今回はジェラルディーナを「過信禁物の注目馬」として挙げる。

今回のメンバーで唯一のGⅠ馬であり、実績最上位の存在だけに上位人気が濃厚だ。だが、先に挙げた3つの不安データ全てに該当している。特に気になるのは5歳という点で、今年に入ってからの4戦で1度も馬券圏内に入っていないことからも、能力に衰えが出始めた印象がある。

リピーターが強いレースだが、当馬が制した昨年は阪神開催、かつ雨の影響を強く受けた特殊な馬場で行われた。純粋なリピーターとは言い難く、過去の実績から上位人気に支持されるならば、馬券の中心に据えるべきではないだろう。

《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、より「予想」にフォーカスした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。

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