セオリー通り前走着順がいい馬が優勢

2023年11月19日に京都競馬場で行われる第40回マイルチャンピオンシップ(以降、マイルCS)。GⅠ馬の登録は4頭と、1頭だけだったエリザベス女王杯よりは多いものの、例年と比べるとちょっと寂しいメンバー構成となった印象(感想は人それぞれです)。

海外を含めて選択肢が多くある現代競馬では、仕方がないことなのかもしれない。今年も海外からの参戦はないが、外国人ジョッキーはここ10年で6勝を挙げており、彼らの手綱さばきに注目するのも、楽しみの一つだろう。

そんなマイルCSにはどのような傾向があるのだろうか。過去15年のデータを参考にして検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬は4勝(8連対)、栗東所属馬は11勝(22連対)。外国馬は3着(2頭)が最高着順。勝率、連対率でも栗東所属馬が上回っているが、大きな差はついていない。ただ、美浦勢は2008〜17年は1勝しかできなかったのが、18〜22年の間に3勝。近年は美浦勢が巻き返しの傾向にある。

所属(過去15年),ⒸSPAIA


☆性別
牝馬は3勝しているが、2着馬はいない。これも所属と同じで、3勝のうち、2勝は近5年以内のもの(20、21年グランアレグリア)。残る1頭は08年のブルーメンブラットで、それまで府中牝馬Sしか重賞勝ちがなかった馬だ。

天皇賞(秋)ではGⅠを複数勝っている名牝級でないと厳しい、というデータが出ていたが、マイルCSでは、牝馬はGⅠ勝ち経験が必須ではないようだ。GⅠ実績が必要なのは3歳馬で、これまで連対した3歳馬は、すべてGⅠで連対経験があった。これに該当しないエエヤンとエルトンバローズには不利なデータとなっている。

性別(過去15年),ⒸSPAIA


☆年齢
最も連対数が多いのは4歳馬で、13連対(5勝)。勝率、連対率でもトップの数字で、4歳馬が中心と考えていいだろう。2番手は5歳馬で10連対(5勝)。6歳馬は2連対(1勝)、7歳馬は馬券に絡んでいない。最高齢の勝利は、2009年のカンパニー(8歳)。なお、今年は6歳以上の登録馬はいない。

年齢(過去15年),ⒸSPAIA


☆前走クラス
前走でGⅢ以上を走っていた組からしか連対馬が出ていない。GⅠ組が最多の6勝を記録しており、勝率、連対率でみても優秀。よって、前走GⅠ組が有力候補となる。なお、バスラットレオンの前走地方組は該当データがない。

前走クラス(過去15年),ⒸSPAIA


☆主な前走
最も多くの連対馬を出しているのは富士S(GⅢ時代含む)の9頭で、毎日王冠の5頭、安田記念の2頭と続く。ただ、富士S、毎日王冠とも勝率、連対率が優秀、というわけでもない。また、京成杯AH、関屋記念のマイルGⅢ組は馬券圏内に入ったことがない。なお、多くの連対馬を出している天皇賞(秋)やスワンS組からは、今年は出走馬がいない。特にスワンSは、マイルCSの優先出走権が与えられるトライアルレースのはずなのだが……。

主な前走(過去15年),ⒸSPAIA


☆前走着順
前走で3着以内に入っていた馬が続けて好走する確率が高く、連対馬30頭中、23頭を占めていた。

☆前走人気
前走が6番人気以下だった馬は、本番で【1-1-2-95】と、今ひとつな結果だった。

前走着順と前走人気,ⒸSPAIA


☆その他
まず生産者だが、追分ファームの数字が【2-1-3-1】と、高確率で馬券に絡んでいる。ハーツクライ産駒は【0-0-0-9】と相性がもうひとつ。昨年の2着馬ダノンザキッドはハーツクライ系のジャスタウェイが父なので、孫には影響がないようだ。また、前走でコンマ9秒以上負けていた馬は【0-0-0-55】。十分にサンプル数があるだけに、該当している馬は厳しくなる。

その他のデータ,ⒸSPAIA


安田記念3着以内からの直行は◯

マイルCSの傾向をまとめてみよう。

【好走データ】
A「4歳馬」
B「前走3着以内」
C「追分ファーム生産馬」

【好走率ダウン】
D「前走6番人気以下」

【連対馬なし】
E「GⅠで連対実績がない3歳馬」
F「ハーツクライ産駒」
G「前走がOP以下」
H「前走が関屋記念か京成杯AH」
I「前走がコンマ9秒以上の負け」

連対馬が出ていないE〜Iに該当したのは16頭中9頭。データ予想をしてきた経験上、連対なしのデータに引っかかる馬が半分以上いるレースはレベルが高くないことが多く、今年のマイルCSもその可能性が高い気がする。

マイナスデータに該当しない馬で、プラスデータを3つ持っているのは、昨年の勝ち馬セリフォスだけ。富士Sから挑んだ昨年と違い、今年は安田記念からの参戦となる。安田記念で3着以内からマイルCSへ直行してきた馬は過去に3頭いて、15年勝ち馬モーリスと20年2着インディチャンプの2頭が好走。安田記念で4着以下だった馬は、本番でもすべて着外。安田記念で2着だったセリフォスが今回好走すれば、来年から強データの1つとして加わるだろう。

次にプラスデータを2つ持つナミュールとレッドモンレーヴを相手本線とする。この2頭は富士Sの1、2着馬。富士SはGⅡに昇格(2020年〜)してからの成績が、GⅢ時代に比べて落ちているのは気になるものの、2021年3着ダノンザキッド、2022年1着セリフォスと、引き続き馬券に絡む馬は出ているので問題はないだろう。前走着順成績は2着馬(2勝)より1着馬(6勝)の方がよく、富士S1着馬ナミュールを2番手、2着馬レッドモンレーヴを3番手とする。

シュネルマイスターはプラスデータが1つだけだが、マイナスデータもないので、これが4番手。イルーシヴパンサーは連対馬のいないF「ハーツクライ産駒」で本来は消しだが、出走した7頭中、6頭が馬券に絡んでいる、強データのC「追分ファーム生産馬」に該当。これを最後に付け加えておきたい。

◎セリフォス
◯ナミュール
▲レッドモンレーヴ
△シュネルマイスター
×イルーシヴパンサー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
自転車で30分ほどかかるところにある某大型スーパーで売っている、100円の冷凍つけ麺にはまっています。店で食べるのと変わらないクオリティ、と思っている時点で、味覚音痴を自認しているようなものでしょう。冷凍室が狭いので、買いだめできないのが悩みの種です。

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