前走クラスと着順が重要

2023年12月10日に阪神競馬場で行われる第75回阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF)。ここを経て一流へと上り詰める馬が近年は非常に多く、トライアル以上にクラシックにつながるレースとなっている。そんな阪神JFにはどのような傾向があるのか。今回も過去15年の傾向を基にして調べていきたい。

☆所属
栗東所属馬の出走頭数が圧倒的に多く、勝ち馬も栗東所属馬から10頭出ている。ここまではよく見かける傾向だが、2着馬は栗東6頭に対して美浦は9頭。当然ながら、美浦所属馬が連対率で栗東所属馬を大きく上回っている。軸にするなら美浦所属馬が狙いだ。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆キャリア
年々、キャリアの浅い馬の活躍が目立つようになっている。ここ15年で見ると、キャリア4戦以上の馬から1着馬は出ておらず、キャリア6戦以上となると、馬券に絡んだ馬もいない。なお、今年は全頭がキャリア4戦以下となっている。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラスと主な前走レース
いろいろな条件から勝ち馬が出ているが、連対率がいいのは前走重賞組(地方重賞は除く)。

結果の出ている前哨戦は、5勝(8連対)のアルテミスS。サンプル数が多いにも関わらず、連対率22.2%は上々といえる。ファンタジーSも連対馬はそれなりに出ているが(5頭)、勝率、連対率とも、前哨戦としては物足りない数字になっている。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
連対馬30頭中、前走1着だった馬が22頭(12勝、2着10回)と強さを見せている。前走2着馬も3頭の勝ち馬を出しており、勝ち馬はすべて前走2着以内。勝ち馬に絞るなら、前走で連対していることが必須。また、前走6着以下の馬から連対した馬はいない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


一方、前走人気は1番人気に支持されていた馬が、2番人気以下だった馬より好走率が高くなっている。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走馬体重
前走馬体重が418キロ以下だった馬、または500キロ以上だった馬(今回は該当馬なし)から連対馬は出ていない。

出走馬の前走馬体重,ⒸSPAIA


☆その他
その他で気になったデータはローテーション。中2週以内だった組は1勝だけで、連対率も2.9%とよくない。

その他のデータ,ⒸSPAIA


本命はボンドガール

阪神JFのデータをまとめていこう。

【好走データ】
A「美浦所属馬」
B「前走アルテミスS」
C「前走連対馬」
D「前走1番人気」

【好走率ダウン】
E「中2週以内」

【勝ち馬なし】
F「キャリア6戦以上」

【連対馬なし】
G「前走6着以下」
H「前走馬体重418キロ以下」
I「前走1200m戦」

2歳GⅠは1勝馬でも出走できるケースが多く、登録馬が多くなりがち。今回もフルゲート18頭に対して、26頭が登録してきた。しかも、キャリアが浅い2歳牝馬限定戦ということで、使えるデータもいつもより少ない。そのため、今回はマイナスデータを持たない馬が多く残った。

半分くらいふるい落とせる、いいデータはないかと成績表を眺めていると、「前走重賞かつ連対馬」が6年連続で勝利していることに気づいた。近10年でも8頭が該当。今回、「前走重賞」×「前走連対馬」は6頭。さらに最多となるプラスデータ3つを持ち、かつマイナスデータがないのは、アスコリピチェーノとボンドガールだけ。勝ち馬候補はこの2頭に絞りたい。

アスコリピチェーノは新馬→新潟2歳Sと連勝。これは2013年の2着馬ハープスターと同じパターンだ。ただ、のちに桜花賞を勝ち、オークスでも連対した同馬でさえ2着が精いっぱい。よほどの素質がないと、このローテーションでは難しいということだろう。先々は楽しめる存在ということを覚えておきつつ、今回は対抗評価としたい。

ボンドガールはサウジアラビアRC組。この組からは3着が最高着順だが、そもそもサンプルが3頭しかおらず、現状は参考程度のデータで気にする必要はないだろう。また、同レースは、来週行われる朝日杯FSで最も有力な前哨戦。母数が増えてくれば、阪神JFでも成績がついてくるものと思われる。 アスコリピチェーノもボンドガールも、最も好走率が高いキャリア2戦で甲乙つけがたいが、ローテーションが気になるアスコリピチェーノではなく、ボンドガールを本命としたい。

3番手以下だが、まずはサフィラ。好走率の高いB「前走アルテミスS」組が、今年はこの馬だけ。これは入れておきたい。

1勝クラスのサフラン賞組は1着こそ出ていないが、2、3着はある。今年の勝ち馬スプリングノヴァは人気的にも狙いどころだったが、連対馬が出ていないH「前走馬体重418キロ以下」に引っかかるので、泣く泣くノーマークとする。

その代わりではないが、サフラン賞の2着馬(前走は赤松賞)で、プラスデータを3つ持っているステレンボッシュを入れておきたい。赤松賞組は2009年にアパパネが勝利。また、同レースはマイルCS 勝ち馬ナミュール、秋華賞馬アカイトリノムスメなど、後に重賞勝ち馬を多く輩出する出世レースでもある。ただ、ステレンボッシュは好走率が下がるE「中2週以内」に該当するので、逆転候補とはいいづらい。

ほかでは、前走重賞勝ちのカルチャーデイはプラスデータを1つしか持たないが、新馬→ファンタジーSと連勝。これは2019年の1着馬レシステンシアと同じパターンだ。新馬勝ちからの参戦となるアトリウムチャペルは、キャリア1戦で好走率はそこまで高くないが、昨年はシンリョクカが連対している。割り引く必要はないし、プラスデータも3つある。抽選対象馬だが、出走出来れば押さえておきたい。

◎ボンドガール
◯アスコリピチェーノ
▲サフィラ
△ステレンボッシュ
×カルチャーデイ
×アトリウムチャペル

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。

年末年始といえば、人によって思い浮かぶものが違うと思いますが、近年のマイブームは、いろんなショップの福袋を見ること。何が入っているか分からないところがいいですよね。最近は中身がわかったり、推測できるのが多く、それが残念だったりします。

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